高血糖で運動しても良いのか?
血糖値は、通常、食後30分から90分の範囲で上昇するものなんだそうだ。
そして、血糖値っていうのは、脂肪が分解して血液中に糖として供給されたり、或いは、食後における栄養分の吸収によって血中に取り込まれた糖分が蓄えられる細胞に供給される過程において血中数値が上昇するものの筈。
脂肪細胞に蓄えられるために向かう場合にも血中を通過し、筋肉によって消費される場合にも血中を通過するもの。
つまり、食後においても、激しい運動直後にも血糖値は上昇するものと考えるのが自然である。
こんな記事を書くのは、あるメールマガジンで配信者の方が、健康診断直前に激しい運動をしていて血糖値測定をすると異常な程に高い数値で医者に驚かれた!って記事を配信されていた事を思い出したためだが、よくよく考えると、血糖値っていうのは血中のブドウ糖濃度の話であり、その単位が[mg/dL]ってだけの話。
この血糖値は、糖尿病如何に関わらず、食後には空腹時の50%未満の上昇を示すモノらしい。そして、運動直後においても、同様の割合で上昇する場合が有るらしい。
因みに、人の血液量っていうのは、体重の約1/13程なんだそうだ。そして、血液の比重は、男性が1.052~1.060、女性が1.049~1.056程度で約1.05程度なんだそうだ。
これを併せて考えると、体重が65[kg]なら1/13の5[kg]が血液重量、で血液の容積は5000÷1.050=4761[mL]程となる。
因みに、[dL]って単位、懐かしい単位だけど、デシリットルだ。デシリットルっていうと、10[dL]が1[L]である。つまり100[cc]が1[dL]であるので、血液量は47.6[dL]って事になる。
血糖値の正常値が空腹時で109[mg/dL]以下ってことは、109×47.6=5188[mg]が正常値。食後血糖値の139[mg/dL]以下だから139×47.6=6616[mg]である。つまり、1428[mg]程の糖分が増加したって事。僅か1.5[g]程の話である。
運動でも同じである。結局は血中に1.5[g]程のエネルギーで運動出来たりする訳だ。或る意味、驚異的である。
因みに、糖尿病っていうと、空腹時で126[mg/dL]以上、食後で200[mg/dL]以上が異常範囲。その際の量は、5997[mg]~9520[mg]である。健常者の1.5倍の濃度となるわけだ。この濃度の差が血栓、瘤の原因となる血管損傷を引き起こすか否かの分かれ目になる訳だ。
考えようによっては、健常者の血糖値濃度の最高状態が糖尿病患者の最低状態となる。これは、下手に運動すると血中血糖値の数値が生体限界を超えて重大疾病を誘因しかねないのでは?と思えたりもする。体重が65[kg]の人の限界血糖量が6616[mg]な筈なのに、糖尿病では運動前の空腹状態で5997[mg]も血糖量がある。運動すると、即限界オーバーという風に見えるというとリスクを煽りすぎだろうか?
この辺が糖尿病の怖さでもある。
因みに、運動による疲労回復には昔から氷砂糖が有効とも言う。糖分っていうのは筋肉のエネルギー源になったり、それが不足すると疲労を感じたりするもの。つまりは、必要に応じて血糖値を高める事が大事な訳だ。そんな血糖値を高める余力こそが、平生における血糖値の制御である。血糖値が高値安定すると、血糖をコントロールして運動したり疲労回復したりって行動が起こせないということ。怖いモノである。
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