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2008年12月 6日 (土)

'68年以来39年ぶりの自動車販売落ち込み

 先月の国内新車販売は68年以来、39年ぶりの低水準、前年比27.3%減なんだそうだ。
 今回の金融危機で自動車業界が不振に陥るとかの話が出る前に、世界が好景気に沸いている時から国内市場の不振は囁かれてきている。
 これまで、国内市場の不振は兎も角、海外向けが好調だったせいで、好調な業績を上げてきたが、ここに来て海外市場の冷え込みが急速に訪れて、自動車産業は大きなダメージを受けている模様。

 この変化は、この夏以降急激に訪れたもの。その変化に付いていけるか?それが各社の試練となっているようだ。
 さて、そんな変化が訪れる前の各社の方針っていうと、高級志向、高性能志向、ブランド志向で、高価格帯の高額車両の開発を強力に進めるっていう戦略が見え隠れし、今後数年の内に夢のようなスーパーカーが登場するなんてスクープも飛び交っている状態だった。
 しかし、世界市場の冷え込みで、そのような道楽的モデルが果たして登場するか?っていうと、かなり怪しい雲行きになってきたのでは?っていうのが素直な感想である。

 このような業界の動きはそれぞれ単独なものか?或いは、関連しているものか?を考えると、これは関連したものと言えそうだ。

 話が二転三転するけど、自動車が国内市場で売れなくなった理由。それは、色んな所で語り尽くされているけど、言えるのは自動車が夢の道具、遊びの道具、楽しいオモチャで無くなったのが原因。自動車が冷蔵庫、洗濯機、扇風機といった家電のような耐久消費財と同じ扱いになったのが原因なんだろう。動けば良い。壊れなければ良い。簡単な方が良い。手間は不要。、、、、、そんな価値観、そんな尺度で商品選びをされているのが原因とも言える。それが、燃費志向の車、コンパクトカー、ミニバンという実用車が売れる背景にあるんだろう。そんな事は、誰でも気付いていること。判っていること。
 でも、現実に自動車が夢のアイテムで無くなったのが最大の理由と言える。

 思い起こせば、80年代というと、自動車でドライブ、自動車で峠、自動車でナンパ、、、、、そういう世界が広がっており、自動車は遊びの中で大きな武器ともなり、自動車自体が遊びの目的でもあったけど、今は、遊びのアイテムとは異なっているのが現実。より深く言えば、80年代以前、自動車自体が遊びの目的だったけど、80年代には道具としての使い方が生まれ、それ以降は、自動車自体が目的となる状況が無くなってしまったのが本当の所。道具となると、必要なのは快適性。家具的な意味合いが強くなったとも言える。
 一説では、自動車が面白くなくなったって意見もあるけど、自動車自体、昔も今もそんなに変わっていないし、絶対的な性能は寧ろ向上しているはず。唯一の違いっていうと、MT設定が異様に少なくなったって事くらい。

 現代において、自動車自体が遊びの目的だよ!って価値観が通じる世代っていうのは、先の80年代以前の世代。つまり、そういう世代ならば、自動車自体が遊びの目的として捉えられるかも?ってマーケットリサーチの上で、高級高額車に面白そうなスポーツモデルが発表されてきたのだろう。

 これは、80年代以降に車と接した世代が変わったのでなく、多くのメディアで言われているように、80年代後半以降に車とファーストコンタクトした世代にとっては、自動車以外に楽しい事が沢山存在したということ。それだけの話なんだろう。
 それでも、自動車のニーズは、趣味的要素に加え実用目的というニーズも存在しているから、今程度の落ち込みで済んでいるのだろうが、趣味的要素のみで市場が支えられていた二輪業界は壊滅的な状況である。

 結局、自動車では、実用目的以外のニーズが消滅し、実用目的となると製品レベルの向上により耐久性が向上し、買い換えスパンが延びた事が、市場の冷え込みを加速させているだけであり、実用目的が殆ど無い二輪車では、市場自体が無くなったかの状況に陥っているだけであるのだ。

 自動車、二輪車の業界が盛り上がるには?って考えると、先行き暗いなぁっていうのが正直な感想。手軽に遊べるという例が提案されない限りは難しいか?って印象。手軽に遊べる提案が無いし、遊び方の提案も無い。相当に手軽に遊べる提案が無ければムーブメントは生まれない。最近は、パソコン、ゲーム関連でバーチャルで手軽に遊べる世界がライバルであり、それを上回る楽しさを超安価に提供できる世界が提案出来なければ厳しい印象である。
 そうでなければ、安価で長持ちな耐久消費財、家電的な市場に変貌するのだろう。今の時点で、家電的な側面が相当に強いマーケットとなっている。家具的なマーケットを目指しているのかもしれないが、それよりもオモチャ的なマーケットを目指さなければ、市場の若返り、活性化は難しいだろう。家電業界も厳しいし、家具屋も結構厳しい。

 そんな現状を打破するのは、そういうマーケットを創出する仕組みを整えるのが一番かもしれない。思えば、二輪業界はじり貧だが、二輪と四輪の間の存在ならば価格も安価で世に問える部分。今、空色ナンバーの原付ミニカー市場がプチブームだけど、原付ミニカーも原付二種ミニカー迄拡げて、最低でも二人乗りの125cc以下の四輪ミニカーなんかを原付免許で楽しめる世界に解放してやれば、四輪独特の楽しさを紹介できそう。
 そういう世界が作り出せれば、少なくとも低い敷居の段階で四輪自動車の操縦の楽しさを低年齢で体験できる訳であり、人間の成長では、10代の原体験が後に大きく影響することを考えれば、そういう制度を行政に働きかける等の取り組みも面白いかも知れない。

 この記事のこの部分を書いている段階で、殆ど自分の趣味的欲求になっているけど、仮に、125ccでスーパーセブンのミニチュア版みたいなのが30万円程度で変えるなら、即買いで遊びそう。10代で原体験させて二十歳前後でコンパクトスポーツに嵌める。こういうのが良いんでは無いだろうか?

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