90rpm崇拝で行き着くのは、、、、、膝痛?
このところのスポーツサイクルブームでは、表題の数値をよく聞く。
この数値、ペダリングの毎分あたりの回転数だが、この数値に拘る人がとても多い。
このような沢山ペダルを回す漕ぎ方が膝を痛めない!って論とセットで語られているけど、実際は90rpmって回転数を踏む人にとっては、どの程度の力か?をセットで語らないと意味が無いようにも思う。
一般にペダルを踏む力は回転数に依らず一定って言われる場合もあるけれど、現実には、踏む力が小さい程、ペダルの回転数は上昇するものである。
そう、『人の脚力』=『ペダルを踏み込む力』+『ペダルを回し続ける力』となっているのである。
だから、仮に90rpmで回していても、頑張って踏むという行為の場合には、例え90rpmであっても膝にダメージが及ぶのでは無いだろうか?
自分はそう思うのである。
回転数を語る前に、一番大事なのはロールアウト(展開、一漕ぎで進む距離)を問題にすべきっていうのが私の持論なのだ。結局は重いギアを回す程に膝に負担が掛かる筈なのである。
90rpmって回転数崇拝が先行する程に、多分、素人は或る程度の重さのギアを頑張って90rpmで踏もうと努力するんだと思うからだ。何回転であろうと、頑張って負担を掛けながら踏んでいるって事実がある限りは、膝に負担が蓄積するのは当然と言えば当然なのだ。
この話しは、スポーツサイクルショップでカッコイイ自転車を売ってる所で、ケイデンス90rpm、効率的なビンディングもセットでどうぞ!って所で買ったビギナーが膝痛を訴える場面でも想像できるし、最近のマニアの中でよく聞く膝痛の現実からも想像できる話だ。
何回転で踏もうが、重いと膝が痛くなる。ましてや、90rpmって回転数で漕ぐっていうことは、負担を激しい頻度で与えるってこと。却って酷い事態になる訳だ。
膝が痛いっていうのは、基本は軟骨がダメージを受けるもの。軟骨が壊れると二度と再生しないもの。その結果、ダメージは一生残りかねない。何故に軟骨が壊れるか?っていうと、ペダリングという行為、特にビンディングで足裏を固定し、サドルで着座すると可動脚の上下が完全に固定されており、その間のクランキングにおいては負荷が全て関節に集中するのである。関節に掛かる力は圧縮方向の力である。要は、一番柔らかい軟骨が歪みを全て吸収するのである。軟骨に内部応力が掛からないようにするには、軟骨で力を支えるのでなく、大腿筋、脹ら脛筋で力を支えるのであって、軟骨に歪みを蓄積させるのではNGなのである。
この理屈は、どんなに重いギア、勾配の大きな坂道でもダンシングという腰側の支点がフリーの場合は膝に定方向の応力が掛からず膝痛に繋がらないことから、本当はみんなが知っている筈の事実であり、結局、座って回すペダリングで膝関節で内部歪みを全て受けるという事実が膝痛につながり、内部歪みは結局は、90rpmで回せる回せない関係無しに、本人にとって筋力で支えられない力を反力として受けているからである。
回せるか?回せないか?っていうと、これは或る意味、回し方の問題。優れた?回し方が出来れば、少々重くっても回ってしまうもの。
だから、回せるか?って尺度で90rpmが回せる最も重いギアを選ぶという考え方を捨てるのが正解だ。
自分的には、90rpmが本人にとって軽めのギアで実践するっていうのが第一ということ。つまりは、90rpmの回転で絶対に膝のダメージを受けないロールアウトで実践するというのが肝要なのだ。90rpmが絶対に大丈夫っていうのは、結局、本人が絶対に軽いと断言できるギアでもある。軽いという感覚が、うぬぼれ、自尊心を除外して正確な判断となるかどうか?を見極めるには、手持ちの変速付き自転車で色んなギアで決めてから色んな場所を走り回ってみるのが良い。
発進できるギア、10%程度の勾配なら楽に上れるギア、向かい風で回転数が落ちても身体を捻らずに漕げるギア、、、、、そういうギアのロールアウトを選ぶのがお奨めである。こういうギアがつまりは、個々にとってのマイギアだ。個人にとって最大登坂能力から最高速度迄賄えるギアを探すこと。そのギアで回転を保つ漕ぎ方を身に付けるって手順が正解なのだ。
多くのショップでギアの選び方では、こういう話はしないはず。特に多段変速の場合は、臨機応変に軽く!って程度で、そこで負担にならないギアで90rpm回してね!ってノリだろうけど、その軽くって判定の仕方が判らないのが殆どの筈。その軽さを絶対的に見つけることこそが、ケイデンス論の前に膝を守る秘訣でもある。
マイギアならば、少々の無理も可能だし、いろんなロールアウトで選ぶとしたらどれ?って意味のギアだから、、、、、こういうのがお奨めだ。
因みに、自分のマイギアはロールアウトで5.5[m]程だ。この5.5[m]のロールアウトで実走時の最高回転数が180[rpm]以上、このロールアウトでダンシングで60[rpm]で10[%]登坂を行う。そういう場合で90[rpm]の場合は丁度30[km/h]程度の速度になる。
あんまり90[rpm]に拘ると膝が痛くなる。少なくとも速度アップはロールアウトを長くして得るのでは無く、回転数アップで求めるのが正解だ。
ところで、回転数アップが難しいって意見、よく聞く。でも、ポジションと漕ぎ方だけで勝手に回転数が20rpmくらいは上げる事ができたりする。ほんの僅かな工夫である。その工夫だけで誰でも20rpmくらいは回転数が上がる。勝手に回転が上がるには訳があるのだが、この工夫だけで脚が勝手に回るのである。回そうと思わずして回ってしまうのである。イメージ的には座ったまま立ち漕ぎするような感じとも言える訳である。力は加えていないのである。一寸した工夫だけなのだ。敢えて言うとタイミングが回転を生むような感じである。
逆に言えば、そういう工夫で110rpm維持って状態が130rpmキープが楽勝って感じ。工夫だけで20/110だから18%の回転上昇。即ち、同じロールアウトなら18%の出力アップである。回転数に拘りすぎてトルクを18%アップするのは難しい。18%っていうと、ロードバイクならギア二枚~三枚分の違いである。
自転車で速度に必要なのは出力、出力っていうのは脚力×伝達効率で決まる。脚力って部分は殆ど皆同じっていうか、若い程、パワフルなのは間違い無い。ところが、伝達効率が高くないと結局は駆動出力に繋がらない。この伝達率こそが機材、身体の使い方の技量というか経験の差だろう。プロレベルとなると別次元だろうけど、チョット詳しいマニア(ホビーレーサー、街道ローディレベルの)並の知識を備えるくらいは、体力のみでポテンシャル向上を図るよりも遙かに楽珍で苦労も無い筈。本職さんの奥義とは程遠いけど、街道ロード乗り級ならば、チョット詳しくなれば、簡単に同じ事できる。そうなると、意識せず90rpmは愚か、130rpmでも150rpm、170rpmでも楽勝となる。そんなモンである。本職さんは更に上の領域で220rpm級だが、そこに到達するには壁が存在し少々じゃ辿り着けないけど、最高でも170rpm程度なんざ素人がチョットその気になれば誰でも出来る筈だ。
軽めのギアを選び、勝手に回る漕ぎに必要な要素を定めるのが一番お利口さんだ。
マイギアを定め、その上で勝手に回せるコツを掴む。これが一番だと思うところ。回転数を狙うと膝が痛くなるかも知れないが、勝手に回った結果得られるのは大丈夫。
チョット、生意気?偉そう?な文章だけど、あくまでも持論で、自分で感じた事だから、細かい部分は勘弁ね!プロとか現役競技者から見ると、アリエネェ!かもしれないけど、これは、体験上の感想だ。逆に、クレクレくんは、どうすれば?って事もあるかもしれないが、こればっかりは見付けるのが楽しみなんで、自分の言葉で自分で感じてみたら楽しいだろうとしか言えない。
| 固定リンク
コメント