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2008年12月15日 (月)

円高進行中!

 現在、12/12の金曜日である。午後になって更に円高が進行している。それに併せて、株価も下落傾向だ。

 円高になると輸入品は安く買える。しかし、輸出品は当地にとっては割高になる。

 すると、、、、、極在り来たりながら、製品輸出によって収益を上げる企業は大きな減益が強いられる。特に、輸出品目市場が冷めている場合は、その減益のインパクトは大きなものになる。

 今回のサブプライムショックでは、本来住宅購入が可能でない層の消費意欲に支えられていた側面もあり、そういう層の購買品目であった、ナンチャッテ高級車、チョットリッチな家電製品が大きなダメージを受けるのは致し方ないのである。北米市場を見定めた製品で収益を上げてきた企業には大きなダメージかもしれないのである。

 でも、考えようによっては、日本への金融危機の影響がその範囲に留まっているという事が円高を招いているということであり、円高の意味は、被害が限定的という意味でも有る筈である。
 更に言えば、そのような金融政策で一時的に生まれたハイソ志向で、そういう市場向けの製品を急拵えで作ったのが、今の減益率の大きさで深刻さを訴える企業であり、そういう一時的に生まれた市場の生まれる前と比較すれば、実は、日本の輸出企業のダメージは報道で言われるほど深刻で無いとも言えるのである。

 実際、アメリカの金融バブル前と崩壊後の今を比較すると、途中に、大きなピークを体験したか否か?の話であり、バブル状態をスタンダード、比較基準と考えるから下落率が大げさに映るとも言えるのである。

 これは、日本の過去のバブル景気の際にも、不動産、美術品、株式で一攫千金を夢見た業種が多くのツケを払ったという前例にも近い部分である。

 このアメリカの金融政策+日本の低金利政策による虚像的市場の膨張時期こそが異常であり、もっと言えば、1995年から今迄の実感を伴わない好景気と言われていた時期こそが異常であったのである。
 何故に実感を伴わない好景気と言われたか?というと、経済指標に支配的な産業のみが繁栄し、その経営者のみが潤ってきたから末端市民には好景気が実感できなかっただけであり、その経済指標に影響力の大きい産業が、今回やはり影響を受けているに過ぎないのである。

 そう振り返ると、為替が円高とは言っても、1995年当時を振り返れば、1ドルが79円台を付けた時期こそがスタンダードであり、その時点に戻ろうとしているだけにも見えるのである。だから、1ドルが80円台になる事自体は、経営者でない自分にとっては極自然の姿に見えるし、本来なら1995年当時に1ドル80円台で競争出来る製品開発をすべきツケを今から本気で支払えという市場からのメッセージとも取れるのである。

 個人的な感想としては、強い通貨っていうのは絶対に必要だと考えている。為替によってしか競争力を得られない製品は既に作る価値が無いのでは無いだろうか、、、、

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