病の恐さ
金曜日も難病の特集番組をやっていた。
ALS、2分脊髄、急性心筋炎、神経芽細胞腫、、、、、
いろんな病がある。どれも恐ろしい。当事者でなくても恐ろしい。でも、恐ろしさを現実のモノとして捉える事が出来るか?或いは、何が恐ろしさを与えているか?っていうと、案外、漠然としていたりする。様々な疾病があるけれど、ホントに恐怖を感じる病と、現実のモノとして捉えがたい病があるのは確かである。勿論、当事者になれば、その直面している病が最も重要で闘うべき相手となるのは確かだが、当事者でない場合は、その病に対する印象は随分と異なる。
金曜日の番組で取り上げられた疾病を簡単に調べてみると、先ずは脚を失った女性の闘病記の相手である重症心筋炎。これは、極ありふれた風邪が原因という時点では怖いけど、その疾病が心臓の筋肉の炎症に至り、心筋を破壊し、心臓を弱らせるって進行は、10万人に8人とい稀な難病であり、そういう進行頻度を聞くと、当事者意識が希薄になってしまうのである。
さらに、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という、筋肉の動きを司る運動ニューロンが冒される病も紹介されていたが、これは50~74歳で発症するという病という時点で当事者となる可能性を心配する病だが、これも有病率では10万人に5人という稀な難病である。
もう一つ、印象に残ったのが神経芽細胞腫って小児ガンの一種や、二分脊髄って病。これは稀な発症率という要素に加え、誕生時~小児の内に見つかるという発症年齢的な条件があり、これを聞くと、我が子にはリスクがあるかもしれないが、自身のリスクという時点では既に無いという疾病であり、当事者意識は全く無いというモノ。
このような難病は、発症率、有病率が非常に小さいという時点で当事者意識は相当に希薄になり、発症年齢で括られて該当外となる当事者意識は全く無くなる点において、明日は我が身って意識はあまり持てないのが正直な感想である。
そういう意味で、当事者意識を持ち、恐れの対象となりうる病というと、もっと身近、即ち、発症率の高い、ありふれた病が相手となるのである。では、相手となる病には何があるか?っていうと、脳梗塞、心筋梗塞、脳卒中、認知症、糖尿病、肺ガン、肝ガン、胃ガン、大腸ガンというような病。このような病は、日本人の死亡原因の上位に来るような病ばかりであり、非常にありふれた病である。ところが、このようなありふれた病で、当事者になったら過酷な闘病生活が強いられるものばかりだが、それでも、恐れの対象となるもの、ならないモノに無意識の内に分けられるのである。
それは何故か?を考えると、、、、、どんな病であっても、必然によって発生するものであり、その必然要因の支配因子が何かが特定されていれば、逆の見方をすれば予防可能であり、根絶対策も可能という点で、それ程の恐怖を感じるものでもないし、そういう事態に陥っても、どうにか出来るという意識が働くけど、発症の必然要因の支配因子が特定し辛い病っていうのは、効果的な予防が難しく、特に進行性疾病の場合は、その対策が絞れないと、とても怖いと思うのである。
例えば、血栓系梗塞疾患、糖尿病、痛風系の病は殆どがエネルギー過剰摂取と消費不良による肥満が原因。肥満というか、体脂肪率過剰、体組成異常が原因であり、それを改めればリスクが激減出来るのであれば、怖さの感情が芽生えた時点で肥満を解消すれば問題ないのである。ガンというのは概ね怖いけど、例えば、肝ガンでは、前段の肝硬変、肝炎、脂肪肝と遡れば、原因は脂肪、アルコール摂取が原因であり、それを対策(過剰栄養摂取、飲酒習慣の解消)していれば問題無い訳だ。肺ガンなら喫煙習慣が原因なら喫煙習慣をやめれば済むこと。それ故に、恐怖を感じる事は無い。
やはり、ガンで怖いのは、胃ガン、大腸ガン、及び、その前段症状である良性腫瘍等々である。原因は食生活というのは疑いの無いところだけど、あまりに雑多な食品を摂取する生活の中では、原因を特定するのは困難である。そういう意味で、発症頻度が高く、原因を特定しづらい=対策しにくいのが、自分にとって当事者意識を持つ、即ち、恐ろしい病ということである。
こういう恐ろしい病に対しては、発症前に、気付いた発症リスクを抑える生活習慣を整え、定期的な検診で早期発見に敏感になるしか手立てがないのである。
やはり、胃ガン、大腸ガン、及び、前段症状がとても恐ろしいなぁと思うのである。
自分的に病の怖さを決めるのは何か?って整理すると、、、
病の怖さ=有病率(認知度)×重傷度(致死率)×発症リスク数(原因の多さ)
って感じだ。認知度が高く、致死率が高いいうのは認知されながら医学で対処する術で有効な手立てが打てないって事。で原因の多さっていうのは、対処療法で医療行為を講じる場合も、有効な手立てでツボに嵌らなければ時間ばかりが過ぎて効果を得る前に力尽きかねないと言う事。
認知度が低いのは実感が湧かないし、致死率が低いのも恐怖感が湧かない。原因が特定できるのは日頃の注意で或る程度対策可能ということ。そう思うと、上述の三要素の積が恐さの律していると言えよう。
例えば、この記事と前後して登場する記事で取り上げた膠原病、、、、
・膠原病
=有病率(高)×重傷度(中)×発症リスク数(高)・・・・・結果:★二つ
・消化器腫瘍
=有病率(高)×重傷度(高)×発症リスク数(高)・・・・・結果:★三つ
・糖尿病
=有病率(高)×重傷度(高)×発症リスク数(低)・・・・・結果:★二つ
・各種難病
=有病率(低)×重傷度(高)×発症リスク数(低)・・・・・結果:★一つ
・AIDS
=有病率(低)×重傷度(高)×発症リスク数(低)・・・・・結果:★一つ
って印象。まぁ、捉え方は人次第だが、自分の場合はこうである。
健康に配慮して、臆病に過ごす事が出来れば、少なくとも、この式内の発症リスクは相当に抑えられる気もするのである。
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