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2008年12月16日 (火)

年齢別基礎代謝から思うこと

 カラダスキャンって体組成計では、基礎代謝が測定出来る。さらに、その基礎代謝と体重から体重1kgあたりの基礎代謝量を求め、体年齢?ってモノも表示出来るようになっている。
 そこで、基礎代謝の年齢別の変化を調べてみた。調べてみたのは、年齢別体重1kgあたりの基礎代謝量(基礎代謝基準値)、年齢別標準体重、年齢別基礎代謝(=年齢別の基礎代謝基準値×年齢別標準体重)である。

年齢    基礎代謝基準値      標準体重   標準体重時基礎代謝量
歳      [kcal/kg/day]                     [kg]                    [kcal/day]
1~2    男61.0/女59.7     男11.9/女11.0    男 730/女 660
3~5    男54.8/女52.2     男16.7/女16.0    男 920/女 840
6~7    男44.3/女41.9     男23.0/女21.6    男1020/女 910
8~9    男40.8/女38.3     男28.0/女27.2    男1140/女1040
10~11   男37.4/女34.8     男35.5/女35.7    男1330/女1240
12~14   男31.0/女29.6     男50.0/女45.6    男1550/女1350
15~17   男27.0/女25.3     男58.3/女50.0    男1570/女1270
18~29   男24.0/女23.6     男63.5/女50.0    男1520/女1180
30~49   男22.3/女21.7     男68.0/女52.7    男1520/女1140
50~69   男21.5/女20.7     男64.0/女53.2    男1380/女1100
70~     男21.5/女20.7     男57.2/女49.7    男1230/女1030

ということで、エネルギー消費量は上述の基礎代謝量の1.5~2倍程度なんだそうだ。

 因みに、基礎代謝を律するのはエネルギー消費の最も多い器官である筋肉量に関連性が強く、筋肉が多い程基礎代謝が多いのだが、老化に伴う筋肉減少によって基礎代謝も減少するのが定めとされている。

 この一覧を見て思うのは、体重減少期っていうのが30歳以上の世代。30歳以上になると自然と筋肉量が減るってこと。しかし、体重1kgあたりの基礎代謝量は殆ど不変であり、基礎代謝全体の減少っていうのは、体重(筋肉)減少分にしか相当しないということ。
 そんな事よりも注目すべきは、18歳未満における体重1kgあたりの基礎代謝量の多さである。18歳以降の場合は、殆ど体重1kgあたりの基礎代謝量は変化していないが、それ以前の基礎代謝量の多さは驚くべき数値であるが、これは一重に体細胞の活発さの違いによるものである。体細胞の大きさ(重さ)自体は基本的に年齢に依らず一定だが、18歳以下の世代は標準体重は急激な増加を示しており、これは、単純に細胞数量の著しい増大(細胞分裂)が活発に行われている事を示している。細胞数量の増大は、成長環境において相応しい数迄激しく増大するようである。その増大は、成長期における身体の成長、その時期における細胞分裂数に影響する刺激によって律せられている。

 そういう成長に従って18歳程度において肉体が完成し、体重減少が顕著となる50歳以降において老化による筋肉量減少が顕著となっているようだ。結果、肉体の基礎代謝総量は、50歳程度迄はほぼ一定となっている。

 この傾向を最近話題のダイエットと、このブログ検索で多いキーワードである体力、脚力の二つの面から考えてみた。

 まずは、ダイエットについて。
 ダイエットが必要となるのは、一般に標準体重を超える程の重量となる脂肪を纏った人。脂肪が多い人ほどダイエットが必要ということ。で、ダイエットが必要ってされる人に呪文のように言われているのが、基礎代謝量の低下が肥満に結びつくという論理。で、ダイエット対策には基礎代謝をあげるような筋トレが有効って話。
 この論理は、間違いではないが、基礎代謝を上げる程の筋トレというと一般的には現実的でないレベルの筋トレが強要されるけど、その辺はあんまり認識されていない。そういうレベルの筋トレでなければ、基礎代謝改善に大きな効果があるとは正直思えないのが感想。
 何故ならば、数値にあるように、基礎代謝自体が低下してはいるものの、それが2割、3割というオーダーで減っている訳でもないからだ。せいぜい1割未満で、量としては100kcal程度のモノ。少なくとも、肥満が疾病になるリスクを心配する世代、30代、40代ではそうだ。
 基礎代謝が殆ど変わっていないにも拘わらず、あれほど激しい体型の変化でお腹デップリとなるのは、基礎代謝減少とか老化という一言で片付けるのは責任転嫁も甚だしいのである。

 その違いは、、、、二十歳前の子供とオッサンの生活の違いに集約されるのである。基礎代謝に差が無いのに、脂肪細胞の肥大が顕著っていうのは、消費エネルギー量を決める肉体の活動度が激しく落ちている事を単純に示しているだけだ。
 子供っていうのは、授業の合間の休憩時間に走り回り、登下校も基本は徒歩か自転車、昼休みは飯食って走り回り、放課後も走り回る。食事は基本的にノンアルコール。
 しかし、オッサンは、日常的に歩行は殆ど無い。通勤は車か電車、バスといった交通機関、日常は事務職の場合は殆ど歩かない。社内移動もエレベーターとかが多い。放課後走り回る時間は有り得ない。帰宅すると、高カロリーのアルコール摂取習慣がある。
 単純に、その差だけでオッサンのデブ状態は説明できるのでは無いだろうか?結局は動かないのが原因である。試験的に娘に万歩計を付けてみると、、、、、驚くことに1日の歩数が20000歩以上もザラである。それ程に走り回っているのだ。これが5000歩も歩かないオッサンが相手なら、その差は歴然である。
 さらに、一般論に疑問を投げ掛けるとすれば、老化と共に筋肉が衰える話。
 自分の経験では大腿骨の粉砕骨折で寝たきりになった時でさえ、足の太さが僅か1ヶ月の療養生活で著しく痩せ細った事があるけど、結局は動かさないという事実が筋肉の収縮を招いているとも言える。高齢者の筋肉減少は、本当に老化だけで片付けられるか?というと、その歩かないという習慣の蓄積の結果ではないか?とも言える訳だ。
 さもなくば、パワフル高齢者が存在する理由の説明が出来ないとも思うのである。

 何故に歩かないか?食うだけ食って動かなくなる理由は?っていうと、人間、年を取って打算で動き、妥協して決める。結局は好奇心が無くなるから。欲望が単一化するからか?とも考えたりする。食欲、性欲、睡眠欲、他にも、名誉欲とか、、色んな欲望があるけど、好奇心、興味を失って残るモノ。それが食欲。その食欲に任せた生活、活動度が落ちた生活っていうのが肥満を招き、そして、筋肉減少というプロセスを加速っせているのでは無いだろうか?そんな風にも見えるのである。

 次が脚力等の身体能力について。身体能力の差っていうのは、身体器官のキャパシティー次第である。細胞単体の持つ能力なんて個人差のレベルはたかが知れているけど、器官としては個人差が極めて大きいもの。その差は結局は器官を形成する細胞の集積度の差である。集積度が高い程、多くの細胞から為っているのは、細胞単体のサイズに差異が無いことからも当然と言えば当然。
 細胞の集積度を上げる、即ち、器官を作る細胞数の差異は何処から生まれるか?というと、これは、基礎代謝基準値の多い時代における細胞増殖時における細胞へ与える刺激の差に帰結するものである。つまりは、成長期という細胞数が増加する時期において、その増加数を律する刺激をどれだけ加えたか?に集約されるのである。
 もっと言えば、18歳までに必要な部位を使用する運動をどれだけやったか?によって、器官の細胞数に差異が生まれているとも考えられるのである。

 勿論、細胞数が増大せずとも、細胞単体を肥大させることで組織を大きくする事は出来るけど、一つの細胞を大きくするっていうのは、容積の増加率という観点でみれば、肥大を進める程に増加しづらくなるもの。細胞自体が数多ければ、増加率が小さくても組織トータルでは大型化しやすいのも当然と言えば当然。
 つまりは、運動能力を律する身体能力っていうのは、遅くとも成長期が終了する二十歳の段階で殆ど決まってしまっているのである。成長期を過ぎてからの取り組みは細胞の肥大に頼らざるを得ないものであり、そういう手法では、肥大しにくく、失いやすいという特質しか得られないのも致し方ないのである。

 基礎代謝って言葉から、こんな事を考えてみたりしたのであった。

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