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2008年12月28日 (日)

教えてあげる!教えてあげない!?

 私の趣味は、現在進行形でバイク、過去完了形で自転車がある。趣味でも、バイクなら操縦動作の修得による運動性能の追求、自転車ならば身体能力の鍛錬と経験と技法修得による動力性能の追求という部分に強い関心を持って過ごしている(きた)。

 ということで、何れのジャンルでも自分なりに満足のできるコツというか勘所を自分なりに掴んでいる。このコツっていうのは、自分の望む形を実践する上でのコツであり勘所である。単車なら運動性能、旋回動作を如何に自在に操るか?であり、自転車ならば如何に動力性能を高めるか?である。その目的に必要な要素、要件に応じて殆ど全ての部分で自分なりの意見を持ち、自分が納得できる方法、実現出来たか?の感じ方の判断基準を持っているつもりである。

 このコツの本当の部分っていうのは、実は極めて単純なのだが、この単純さに気付く迄、その単純さの意味を理解する前提条件っていうのが数多くの試行錯誤の上に成り立っており、或る意味、財産のようなモノなのだ。
 この積み上げてきた自身の感覚と全く同じモノを人に伝えるっていうのは基本的には不可能だが、それを理解する過程において、一寸したキッカケが開眼した要素というのは幾つかの部分で意識しているのも事実である。

 いま振り返れば、このキッカケに気付くという瞬間の喜び、それ気付いた事を実践して効果を得た時の喜びというのが、これらを趣味の目的として接する際に、熱中を加速させる上達願望、好奇心維持の原動力になっていると思うのである。

 そういう前提で、知っている部分を伝える内容の差異が人によってあるのである。

 チョイ前の単車ブーム、今の自転車ブームによって、何時の時代にも、周囲には自転車乗り、単車乗りが周りに居る。その周りの人間とのコミュニケーションの中で、自分の掴んだ勘所を聞かれて伝えるのはどういう時か?というと、それは、相手の趣味に対する接し方次第なのである。

 自転車、単車というのが、純粋に他の目的の道具であり、その価値観が自分とは全く異なる場合、特に、道具として以上を考えていない場合は、自分としては、自転車や単車が原因で、事故で怪我したり、死んだり、或いは、誤った使い方で身体を壊したりというのは非常に気の毒なんで、知っている限りを尽くし、如何に楽に安全に効率よく出来るか?を判る範囲で精一杯伝えてやるのである。勿論、そういう場合の相手の態度っていうのは、こちらに100%の信頼を持って、それに従った道具の選定等をする場合に限るのである。

 逆に、或る程度の自己意識を持ち、価値観的に、自転車や単車自体が趣味の目的の場合は、その楽しみが、先に述べたような上達願望が適えられた時の満足感にあるという自分の考えから、例えば、上手く走る、速く漕ぐ等々のコツは敢えて教えないのである。それを教えることによって、その部分で気付く楽しみを奪うのが気の毒だからだ。まぁ、そういう自己意識を持っている人達っていうのは、本質の部分では、自己意識が勝り、100%の信頼を持って聞きに来ているとは感じない事が多いからだ。

 そういう訳で、例えば単車の下りの攻め方とか、自転車の簡単ペダリングというのは、極身近で、機材を単なる道具として利用するって人にしか伝えなかったりするのである。

 でも、これは変か?って、思いながら、雑誌、サイトの免許皆伝系の記事を読むと、殆どの場合が、一般論に帰結しており、そのコツを掴む部分については述べられていないのが興味深いものである。考えてみれば、これは工学の専門分野の専門書でもそうだ。画一的な論理、展開は普通に書いてあるけど、それを理解するためのキッカケは一切書かれていない。
 学問的な論理の展開に基づく事柄の一般知識は溢れているが、その知識を己の実とする上で重要なキッカケは、どの世界においても公にはされていないのが興味深い共通性である。

 本当に大切なのは、小難しい論理よりも、その論理を単純化した上で、その意味を理解するキッカケであり、それがコツであり、ヒミツなのであろう。

 持論では、単車での運動性能、自転車での動力性能でも極めた先の世界は知らないが、同じ方向性の入口においても、その方向性を定める上で必要なコツというのが存在していると思うし、そのコツの一部は何となく掴んでいるかな?とも思うけど、先に進む程、そのコツが実は単純ながら、非常に気付きにくい、見つけにくいものとして存在していると思う。
 そして、そのコツやキッカケが公にされないのは、それ自体が、それぞれの世界での競争力に繋がるからではないか?と思うのである。
 それ故に、その方向性に価値観を持つ人には、誰しもが本能的に伝えないのであるとも思えるのだ。

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