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2009年1月 9日 (金)

スポーツサイクルで突然死は嫌だ。

 最近の記事で運動、とりわけ自転車に対して警鐘を鳴らしていたのが、ロードレーサーというカッコイイ響きの自転車に期待しすぎる事による無謀な行為(心肺機能向上?のための、アホみたいな追い込みとか、高心拍追求ゴッコ、或いは、憧れ先行というか漫画の影響を受けまくった無謀な行為、自分の印象と自分の実態の差を認識出来ないチャレンジ行為、、、)に潜む危険性を思ってのことなんだが、その理由は、公的なサイトにおいても下記↓のように紹介されている。

http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000003000/hpg000002943.htm

である。このサイトで注目すべきは、

中高年における心血管事故の多くは6メッツ以上の運動で多く発症しています。6メッツとは、「安静時の6倍の酸素が必要な運動」ということで、ジョギング、エアロビクス、高強度のウエイトトレーニング、水泳などの「きつめ」の運動が相当します。運動中は心拍数や心拍出量が増加するため、心臓は安静時の数倍の酸素を要求します。潜在的に冠動脈(心臓に酸素を送る血管)の動脈硬化が進んでいる場合には、運動によって心筋が酸素不足に陥り、狭心症を誘発する可能性があります。また、運動中は発汗量が多く脱水傾向になり、血液が濃縮して脳梗塞の引き金になることもあるのです。
 このような心血管事故が起こった背景をみると、体調が悪くても無理に運動を続けたケースや、暑熱下でランニングなど運動強度の高い運動をした、飲酒後にゴルフをしたなどの状況があり、未然に回避できたと考えられる事例が少なくありません。また、日ごろ運動習慣がない人が、高強度の運動をしたときに発症しやすいことも報告されています。』

ってところ。そして、その対策はメタボ対策として運動を始める場合、

1)健診等のメディカルチェックで自分の健康状態を把握し、健康状態にあった運動をおこなうこと、

2)これまで運動習慣のない人では、まずはウォーキング程度の低強度の運動からはじめ体調をみながら徐々に増やしていくこと、

3)「気持ちいいなあ!」と感じるペースの運動を楽しむこと、

 と紹介されている。

 自分の意見は、このような運動療法に加え、先にいったような生活習慣、とりわけ食習慣の改善と生活リズムの再構築によって、体内環境を健全化させるのが大事だよって言っているのである。以前にも同じタイトルの記事をアップしたのだけど、ブログ愛読者の中にはすっかり忘れてチャレンジャーな思いを先行させる方も居るんで、再度アップしたのである。因みに、去年の記事はコレ↓。

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2008/06/post_df9e.html

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2007/11/post_d9ee.html

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2007/12/post_9463.html

 というもの。

 ところで、先日の中国新聞での『銀輪はいざなう』って連載コラムでも、自転車はメタボ対策に有効、ロードレーサーは速いという記事があったけど、それでの印象は、メタボオヤジがロードレーサーって名の乗り物に幻想を抱き無理しないか?という危惧を覚えたのが、最近の記事の発端だが、その伏線は、メタボ対策で胴囲を10cm減らそうとジョギングを始めた人が突然死したってニュースが2007年頃報道されたのを思い出したから。
 その突然死の原因は、「メタボリック症候群の人は血中脂質、血糖、血圧の2つ以上が高いので、もともと血液がドロドロです。血中の悪玉コレステロールが増え、動脈硬化が起こっていることも考えられます。すると心筋梗塞、脳梗塞などを起こしやすい。やせようと思って急に強い運動をすると、なおさらで、突然死が心配されます。特にこれからは、汗をかいて体内の水分量が減り、血液の濃度が高くなる。血栓ができやすく、心筋梗塞を一層起こしやすいので、要注意です」 ってニュースに対する医学者のコメントを思い出したからでもある。

 このジョギングやマラソンと中高年の突然死っていうのは特に健康ブームが盛り上がった2000~2003年頃では結構有名なニュースだけど、今のロードレーサーが牽引するスポーツサイクルブームっていうのは、ジョギングとかマラソン以上に中高年に突然死をもたらせるリスクが高いように思うのである。
 何と言ってもロードレーサーって言葉の響きは、そんな自転車に乗ると、誰でも簡単にレーシングスピードが手に入るという幻想を持ちかねない。そんな先入観で乗ると、ジョギング等以上に乗り手は『こんな筈では無い!』って頑張りかねないからだ。

 自転車は確かに健康によい乗り物だけど、その中でロードレーサーの敷居がかつてないほどに低く、誰でも乗れて、軽く、速く・・・・って新聞等メディアや、小売り業店主によって勧められているが、そのロードレーサーで頑張りすぎる結果が先のジョギングブームでの突然死多発の再来を予感させるのである。

 自転車が健康に良いというのは、乗り手が自分の身体に見合った頑張り方で過ごせるという前提が必要であり、少なくとも、突然死に到るような体内環境の改善が為されなければロードレーサーなんぞは乗る資格は無いとも思うのである。
 ホンネを言えば、ロードレーサーっていうのは単車でいうとレーサーホモロゲーションベースとかリアルレプリカみたいなモノであり、本来は、体内環境に加え、スポーツサイクルに対する経験と知見を持たなければ乗る資格さえ無いとも思う程だが、今はそういう時代では無い。でも、最低限、それで命を落とすリスクを抱えるような事態は避けた方が楽しいのでは?とも思う訳で、最低限、腹の出っ張りや、血液成分数値程度は改善してから乗るべきだと思うのである。

 余談だけど、実は突然死っていうのは結構増えているのである。その原因は心室細動によるものだけど、その誘因に体内環境の不健全性があったりする。それ故に、最近は各所にAED(自動体外式徐細動機)が配置されていたりするのである。体内環境の不健全性+運動負荷が更にリスクを増しかねないのだ。

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