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2009年1月10日 (土)

韓国が要注意というか、注目というか、素敵かも、、、、

 景気が後退期ってニュースを各所で聞く。多くは、アメリカのオバマ新政権による景気対策でアメリカの景気が上向きになると、日本の景気も回復できるかも、、、、って話。

 最初は、そうかなぁ?って思っていたし、それに対する疑念というのは、各国の金利差によるような過去の円安は、もう戻ってこないのでは?という思いから景気回復には厳しい見方をしていたのが最近までの自分の考えだ。逆に言えば、円安になったとすれば、日本の経済は、従来型の牽引産業の力で景気回復するかも?って或る意味楽観的な思いがあったのも確かだが、今はチョット違う印象だ。

 っていうのは、為替についての印象だが、金利差が過去の日本の特異的なゼロ金利政策、量的緩和政策での円安誘導が二度と通用しないか?という思いに疑問を持ち始めたのである。

 日本の為替で特に問題となるのが対ドル為替である。そうした時に、アメリカがドル安を容認するか?というと、アメリカ市場を支える製品の多くが輸入品になっている現状を考えると、それは無いかも、、、、って思いが強いのである。
 アメリカが自国の市場で消費意欲を引き上げるということは、輸入品が増えるということ。その調達先は外国であり、調達能力を維持するには、絶対的にドル高である必要がある訳で、アメリカ社会に製品を供給する国家の通貨に対してはドル高であるというのが絶対な筈である。
 そのために、アメリカは強いドルを維持するために、金融資本主義って言われているようなシステムを作り上げた訳であり、このシステムの破綻の次の手は?というと、アメリカ的にも強いドルを維持するための新しい価値観を作り上げる事に躍起になっているはず。これが、現代版のニューディール政策と言われている環境関連の産業育成なんだろう。

 このような政策の推進の先には、必ずや強いドルの存在が必須であり、その強いドルを以て、アメリカ社会の消費欲求を満たすというのが前提であり、欲求の調達先の立場に何処が来るか?がアメリカ社会の再生で景気回復の足がかりを得る国が決まるということだと言える。

 そうした時に、アメリカ社会における製品の地位、ブランドの地位等がアメリカ国民の中でどうなっているか?が鍵であり、その欲求を適えるのが日本製品か?という点が特に問題のように思うのである。

 そんな時に、ふと、お隣の韓国を考えたのだけど、韓国の企業は、ここ数年は高い金利による強いウォンの元でも利益を得れるような資本求心力、製品競争力の維持向上に努めてきたようにも見える。家電関連ではサムソン等の著しいブランドイメージの向上であったり、製品品質でも家電、車という分野では、既に日本製品と同等レベルの品質を確保していたりする。それがウォン高でも通用できるように産業育成してきたようにも見えるのである。
 自分が関与する産業における輸送機械においても、日本製品と韓国製品を比較すると、既に製品のパートによっては日本製品を上回る構成を韓国製品は身に付けているのだが、韓国製品全般に渡り、ここ十年で品質は大幅に向上し、先進性さえも身に付けているようだ。
 製造業に限らず海運業における港湾整備も然り、国内の都市整備も然りである。経済フリーゾーンとなる免税都市と国際ハブ港を両輪に発達させた釜山等は縦割り行政で利権を奪い合う日本では生まれない都市ともいう。

 そういう発展を遂げた韓国では、工業製品でも各国の輸入行為における製品選定の目に叶う製品を既に韓国製品は身に付けているのではないだろうか?更に、海外資本を呼び込み消費と雇用を創出する拠点都市整備も進んでいるように見える。
 このような状況では、アメリカ、中国といった消費が旺盛な国において、どこの製品を求めるか?また、消費が回復した各国の資本を呼び込む力を何処の国が持っているか?というと、日本と韓国を比較すれば、圧倒的に韓国が有利な様に見える。
 そのような経済回復の第一歩は世界の消費が回復した時に供給する品物を作る所だが、既に品質的に大差なく、韓国のウォン安が続けば、日本製品の輸出は、韓国製品の台頭によって相当に押さえ込まれるようにも見える。

 今後の景気回復には、消費の旺盛な中国、アメリカの市場再生が前提だが、それだけではなく、韓国や、それに続く新興国の輸出品に対する優位性と為替の状況が巧くかみ合わないと日本の輸出産業の再生、つまりは日本経済の再生は難しいのではないだろうか?

 当面のライバルというか、注意すべき相手っていうのは、実は韓国かもしれない。

 個人的には、1990年代初頭における日本と韓国の差は歴然と存在していたと思うが、製造現場に身を置いて韓国を常に見てきた眼で判断すると、その後の15年における日本製造業には少なからず慢心と自惚れがあったように思う。その間、日本製造業は為替による円安誘導による収益性に己の力を錯覚していたように思うけど、常に入ってくる情報は、韓国の国家、企業の施策推進力の強大さだった。その力をつい最近迄驚異と感じていなかったのが日本側の見方だったように思う。
 しかし、ここ二三年の内に韓国は国家、企業共に既に日本を上回っているとも思える程の技術力を有し、性能、品質共に十二分のレベルに達しているようにも思う。サムソン、LG電子、或いは、現代グループなんかが筆頭では無いか?

 個人的には、日本人ながら、韓国の目標に向かう力の凄さと、90年代以前の日本追従の方針とは異なり、日本を追い越すための独自の道を見定めて行ってきた施策の結果を見て、純粋に凄いなぁ!と思うところ。こういう勢いの強さっていうのは、その現場に触れてみたい気もする。

 今、自分で細々と行ってきた研究で、日本国内の自治体の主要機械に採用されつつあるモノがあるけど、この技術(無潤滑と耐摩耗を両立した摺動システム)を、韓国の製造業に使わせてみたいようにも思う。仮に採用されると、その世界のシェアは相当に高いレベルで抑える事も出来る筈。
 そんな気を起こさせる程に、韓国の製造業での製品開発の進め方には共感出来る部分が多いのである。

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コメント

確かに通貨政策は破綻してますね、、、、
でも、造られているもの自体は日本製品と競合するレベルかな?って思うのですが如何でしょう?

通貨政策とか金融政策ってものよりも、実体としての経済活動で生み出されるモノが存在すれば、どうにでもなると思います。

少なくとも、家電、海運、造船は一部では相当のレベルだと思います。

投稿: 壱源 | 2009年1月11日 (日) 01時26分

韓国は通貨政策が破綻してます。
またデフォルトを起こすと
韓国企業は技術開発どころじゃないと思いますが。

http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/folder/507229.html

投稿: hoe | 2009年1月11日 (日) 00時07分

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