景気、不景気、景気対策
2002年2月から69ヶ月もの間続いた戦後最長の景気拡大の景気を『かげろう景気』と命名したそうだ。
景気指標を大きな影響力を及ぼす企業の殆どが外需依存型の輸出産業であり、企業の経済活動としては好業績を続けたのだろうけど、業績向上が外需依存ということで国内では、その実感が伴わなかった事で、実感無き景気回復と言われた様を反映して選んだ語句が『かげろう』なんだろう。
この外需依存で企業業績が好調だった反面、賃金抑制、競争激化によって個人所得は低迷したために企業業績に対する内需の割合は過去の好景気期と比較すると圧倒的に小さいのが特徴だ。
そんな中で金融危機を発端とする景気後退に見舞われる中、この不景気は果たして個人のマインドにどのような影響を及ぼすのだろうか?
元々、好調な企業業績の恩恵を被っていない国民にとって、企業業績の悪化の影響をどれ程受けるのか?というのが最近の思い。不謹慎かもしれないが、ホントに不景気?って印象さえあったりする。
企業業績の急激な悪化が報道されているが、殆どが、外需で成り立つ輸出産業、得に、外国の個人消費に支えられた家電、自動車業界である。勿論、それに従事する人に影響は出るだろうけど、逆に言えば、過去はそれに従事した人は恩恵を被っていたのも事実。『かげろう』景気の恩恵は、特定の企業に恩恵をもたらし、外需崩壊によって恩恵を受けてきた企業がダメージを受けているだけ、、、、そんな事を言ったら不謹慎なのだろうか?
過去数年の異常な好業績が外需の異常さにもたらされたバブル的なモノであり、それは本来は有り得ない構造で、その有り得ない構造を基準とすれば、有り得ないモノが無くなっただけで大損という印象だが、有り得ない構造で得た利益が有り得ないモノと考えれば、単純に有り得ない状況の前に戻っただけと考えれば、大騒ぎする程でもないというのが感想だ。
例えば、東芝の今年度の赤字が2800億円とか、、、、でも昨年迄の連続三年で平均して2500億円規模の黒字を維持してきた訳であり、超大雑把に言えば、累積収益的には一年前に戻っただけとも言える。それは、一年前の過去最高の業績と踊っていた企業全部に言えることであり、今年の赤字額なんぞは、昨年の黒字額に比べれば屁みたいなダメージでしか無いのでは?っていうのが正直な印象である。実際の企業経営に携わっている訳では無いので、良く判らないけど、、、、、今言われている『かげろう景気』の後に『百年に一度の不景気』というのが、今一つ、ピンと来ない。ホントに百年に一度の不景気か?とも思える程。何か、煽りの要素が相当に大きいようにも思うし、そんな煽りで出てくる景気対策も意味不明というか、理解を超えている。
元々有り得ない好業績を基準に考えるからショックが大きいのであって、有り得ない状況の前を基準に考えれば、至って普通な状況のように見えるのである。
この状況を、非常事態的にメディア、政府が取り上げている!って言ったら楽観的過ぎるかも知れないが、その深刻さを煽るような政治家が多いようにも思う。象徴的なのが、今話題の政府紙幣の発行。これを最大で25兆円ばらまくとか、、、、、
建前上は紙幣発行の権利を行使すれば無尽蔵に発行出来るものだけど、その紙幣の価値が日銀券と等価交換が原則ならば、結局はバブルに終わる印象である。本来、お金は信用の対価であり、価値を保証するから金の価値が生まれる物。その価値の対価が保証されるかどうか?というのは、発行する時の政府の信用だ。政府の信用が政府紙幣の価値を支える筈であり、今の政治不信を見れば、政府紙幣には価値が無いとも思える。価値が無くても無尽蔵にばらまかれるとどうなるか?っていうと、結局、流通貨幣が増えた分、金の価値が下がりインフレになるだけともいう。その驚愕度が大きければ大きい程、反動が多く、日銀券の価値の低下も大きくなるのでは?とも思えるところ。
景気が『かげろう』、、、不景気はホントに『百年に一度』?って印象。国内における景気対策の一番は、多分、政権交代だろうなぁ、、、、。
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