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2009年5月 5日 (火)

ラグ

 なんだか、当ブログ、メインサイトの記事を引用したと思われるラグに付いての論評が偶に見えるのでチョット補足。

 ラグドフレーム、ラグレスフレーム、どっちが強いか?なんて論法は基本的に有り得ない。
 パイプ接合部の強度なんざ、パイプの径、肉厚、ラグを使うなら部材の製作方法等々によって答えは一通りでないからだ。

 盲目的にラグドフレームが優れるとか、ラグレスフレームが優れるとかは決めれない。

 そんなモノである。

 パイプを溶接する時は母材の肉厚の問題、溶接距離の問題、溶接品質の問題、溶接時の処理温度による構造体への残留応力の蓄積等々によって色んな問題が出てくる。
 ラグでも然りだ、ラグをどんなラグを使っているか、ロウ付け接着面積はどれ程か?で色んな問題が出てくる。

 自分的にラグドフレームが好きだよ!って理由は、

 ロード系フレームのように非常に薄肉のパイプの場合、溶接構造の場合は溶接自体が難しいのと、非溶接部、溶接部における肉厚変動の大きさが応力集中の起点となりやすい点が気になるところで、面で接着力が確保出来るロウ付けの方が信頼しやすいという判断。そして何よりも見た目に溶接ビードや、ラグレスでも残る接合部の盛り上がりが全く無く、ラグ自体の造形的に美しいから好きなのだ。

 厚肉パイプならラグ付きよりも溶接構造の方が合理的だし、薄肉パイプならラグ付きの方が合理的に見えるという判断である。

 ラグが弱い!って人も居るけど、衝突自転車のフレームの首折れはラグで折れることは皆無。殆どがラグから出たパイプ部分での歪みが衝突痕で残っている。これは経験的な印象だが、少なくとも、ラグの強度がフレームの強度を律するモノではないのは間違いない。
 ロストワックス、鍛造、、、、このようなラグは非常に強固であり、少なくとも強度的にはパイプ部を大きく上回るし、パイプ突き合わせ部における応力集中は有り得ないのである。

 それにしても、ラグレスとラグドを一意的にどっちがどう?って判断を付けたがる人の多いこと、、、、ビックリである。これって、コンパクトクランク論でもよく見える傾向だ。

 そうそう、カーボンフレームでも然りだ、、、、カーボン!っていうだけで凄い良い!って判断だが、カーボン!っていうのは、金属材料でいうと鉄!ってレベルの判断。鉄でも組成、処理方法、形状で規格、グレードが細分されているように、カーボンでも然りなのだ。
 カーボンをどれ程の人が知っているか知らないが、繊維を開繊して、その均質性を保った上で延びない繊維を斑無く形状化していく、形状を作ったモノをカーボン化していくのにも処理は一つじゃない、勿論、樹脂で固める工程でも然りだ。ホントは良いカーボン、ウンコカーボンと様々。そういうモノ。カーボンだからOKっていうのは幼稚すぎ。

 色んな情報が散乱し、聞き手が話し手から情報を得る。そして、有名な話し手が、こう言ったからこうだ!って話も聞くけど、それは、聞き手のレベルに併せた話し手が核を省略している場合もある。その真意を理解せずに、聞いた範囲が全てか?っていうと、絶対に違うのが世の中の話。一言で聞いた事で判断できる内容ばかりだと、専門って分野が存在しないはずだが、実際は、そうじゃないのだ。

 安易な判断で決めたがる人っていうのは、自分で考えないからそうなるんだろう。

 今日も皮肉、辛口気味になってしまった、、、、。

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コメント

こんばんは!
コメント有り難う御座います。
鋭いですね!トレーニングするためのもので機材で楽するって所、気付きませんでした。
トレーニングするなら、身体を痛めない、身体に誂える、他人に頼らない、、、、それが大原則。
機材でタイムが削れるとして、、、、それは、トレーニングと言うよりも競技者の思想ですねぇ、、、、

明後日の記事の内容ですが、トレーニング効率のよい手段に水泳を選び、次点?で自転車を選んでいますが、高効率の手段があれば、さっさと乗り換えるかもですね。

投稿: 壱源 | 2009年5月 5日 (火) 23時17分

そうですね、自転車の場合は素材が変わっても構成があまり変わらないですからね、それだけ完成されていたという事でしょうか。オートバイの場合は丸鋼管フレーム→アルミの過程で構成がごっそり変わりましたからねえ~。

そもそも自転車は楽をする物なので、それでトレーニングをしようとするのはチョット違和感を覚えますね~、トレーニングならやはりランニングが基本にあるのではないでしょうか?水泳も良いですね。

投稿: morimori | 2009年5月 5日 (火) 22時50分

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