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2009年5月29日 (金)

定年年齢延長はホントに良いのか?

 最近は65歳定年っていうのも定着してきた。
 政治家、企業役員によっては、70歳を遙かに越えても職に就く例も少なくないのだが、これって健全なのだろうか?

 昨今の中年世代の再雇用の難しさ、若年世代の就職難民の増加と、表題の高齢者雇用っていうのは全く影響が無関係とは思えないのである。

 歴史を振り返ると、昭和55年(1980年頃)は?っていうと、55歳定年が40%を占めていた時代だ。そして、56~59歳定年が20%、60歳定年が35%という状況だし、更に遡り、昭和49年頃っていうと、55歳定年は50%を越えていたのである。

 確かに、元気な年寄りは働くべし!って考えも理解出来ないではないが、そういう方向へのシフトっていうのは、増え続ける高齢者を年金等で支えきれないというのが一番である。
 そのしわ寄せが、若年世代の就職難であったり、企業内の組織体系での人事の糞詰まり状態、技術革新の停滞に直結しているように思う。高所得層の企業内への停滞がコスト高を招き、思考の硬直化が技術革新を生めないというパラドックスに陥っているように思う。それで、若年世代の就業人口が減り、更に、負担が高まる、、、、そういう風に見えるのは間違いだろうか?

 高齢者が元気なのは何よりだが、元気な高齢者に求められるのは、次代に任す潔さだと言える。それは、経営者、役員に限らず、全てにおいて言える事だと思うのである。

 過去の経営者、技術者で最も尊敬出来るのは、何と言っても、本田宗一郎氏だ。創業社長としては異例の若さで退任し、後任に任せるというのは、そういう経営者が稀なだけに際だっているし、その社風が今のホンダを作っているようにも思う。

 世代の入れ替わりが速いというのは、多くの価値観が活発に切磋琢磨する状況である。それは企業の新陳代謝というか活力に繋がっているように見えるのだ。

 思うに、人間っていうのは、企業でも研究機関でも、そういう組織を通して社会に一定の貢献を果たしたら、活力のある内に其処から退くというのが一番スマートでは無いだろうか?その次は、社会のためというよりも自分のために時間を費やすというのが理想と思えるのである。

 そう考えると、昨今の定年年齢延長の空気とは別に、昔ながらの定年年齢っていうのは、活力のある内に、個人が自己のために何かを始めるには具合の良い年齢のようにも見える。
 そういう社会が、組織の活力、新陳代謝の維持にも繋がり、余裕のある高齢者世代が財を残すことなく社会に返す事にも繋がり、若い世代の就業率向上による負担の軽減にも繋がるように思うのである。

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