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2009年6月16日 (火)

情報の仕入れ方

 先日、若い衆と話をした。
 話では、最近は情報をネットで収集する。買い物をネットで最安でゲットする。って事に関する感想。

 ネットの情報、ネットでの購入、確かに便利である。便利であるけど、失われるというか得られないモノも少なくない。

 確かに、スペック、額面だけで評価できるのは事実だが、、、、

 ただ、スペックや額面だけでは本当の所は判らないのも事実である。ということで、自分の買い物のスタイルを思い浮かべると、、、、、ネットで買うのは、ネットでしか入手出来ないモノを買う時くらいである。更に、モノを買うのは金額だけで判断すると言う事はあまりないのが現実である。

 例えば、パソコンを組む、、、新しいパーツで組む。そういう場合、どうやってパーツを入手するか?というと、値段で選ぶでもない、、、寧ろ、割高?かもしれない小売店で買う事が多い。これはパソコンに限らない。自転車の部品も然り、単車のパーツも然り、、、、そんな感じである。

 要は剰り金額の事を気にしていないし、スペックや仕様に究極を求めている訳でもないのだ。寧ろ、売り手側に或る程度の希望を伝え、半ばお任せ的に済ませる事が少なくない。同じモノを買う時に、実際に財布から出る金額はどうよ?っていうと、ネットで最安探索した買い方に比べると額面が高くなる方が多いだろう。

 でも、それは承知なのである。

 例えば、趣味的なモノを買う場合どうか?

 これは、その分野で知らない事も少なくないし、表に出ない話も少なくない。そんな話は何時聞けるか?というと、実は、モノの売り買いで作られる人間関係であり、そこの交友関係の深さによって会話のキャッチボールが生まれ、そこで、お互いに知らない情報の交換が生まれるのである。その情報こそが、ネット販売や複数ショップへの徘徊購入では得られないモノなのだ。

 趣味性の強いモノ程、専門性が生まれる。そこには明確な論理があり、そこで扱われる品物には相性、優劣、癖、常識・・・・自分の知らない事が溢れているのだ。この通常では手に入らない情報こそが真の価値があるのである。そこに、そういう価値があるか?っていうことは、その世界に長く深く接してきた人しか持ち得ない話。それが商売の武器なんだろうが、それを知る機会が、モノの売り買いで生まれる交流、交流で生まれる会話に潜んでいるのだ。

 こういう考えが根底にあるので、やはり、モノを買うという行動を利用して、その世界の人間関係を作りたいのである。

 ということで、実は量販店、ネット通販っていうのは、自分的には剰り好みでなかったりする。これは趣味の分野に限らず、メンテや技能を有する住宅家財の購入でも然りである。家電量販店しか知らないと住宅設備の更新にはとまどうが、そのような電気店、工務店との繋がりがあれば、その世界に応じた小回りの利いた対応が期待できたりする。そういう付き合い、小回りの利いた応対を望むには、やはり、その辺で日頃の取引が重要だったりするのだ。

 随分昔に米不足だったことがある。そこで、国内米が不足してタイ米で需要を満たそうって時期があったけど、その時でさえ、タイ米を食べた記憶がない。その時は、地元の配給所が優先的に新米を供給してくれたからであり、日頃から米を買うのは配給所って付き合いを保っていたからである。
 その際に米屋さんがいったのは、日頃、スーパーで買って、こういう時だけ新米を売ってくれと言われても、日頃のお得意さんを優先するのでNGって話だが。世の中、そんなモンなのだ。

 モノの価値を判定するのに、カタログスペック、性能表記仕様、値段だけで判断すると、そのモノを通して得られる筈の人間関係、その世界の大事は話を聞きそびれるのである。

 更に、趣味の分野がスポーツのようなモノの場合、今なら自転車が該当するけど、自転車を科目として捉えると、それを正確に教えてくれる所は殆ど皆無だが、それを教えてくれる所というと、伝統あるショップだ。そんなショップで情報を得るには、モノの売り買いをタイミングにして行う会話。会話に深みを持たせるには人間関係、信頼関係が大事なのだ。
 その信頼関係を売り買いを切っ掛けに築き、そこで職人の話を聞く。これが秘訣だ。

 ある意味、ネット販売より高いかもしれないが、職人の話を聞ける授業料のように捉えれば良い訳である。その辺を理解せず、額面、スペックで体裁を整えても、結果、何も身に付かない。そんなモンなのだ。

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コメント

おはよう御座います。
商品(モノ)の説明が出来るか否か?それは、モノを実際に作ったか?或いは、その物の生い立ち、因果を考えた事が有るか次第かも知れませんね。
モノの持つ宣伝文句のみ暗記しているというスタイルでは、モノの存在意義を第三者に伝える事は不可能です。
自身、他者と競うモノを作ったりしますが、モノに意義が無ければ開発をする事はありません。モノの意義、他に対する優劣は、作り手の持つ拘り、モノに与える性能のプライオリティ次第ですから、そのプライオリティを伝える事、つまり思想への賛同者を作る事が顧客の開拓か?と思ったりします。

投稿: 壱源 | 2009年6月16日 (火) 08時37分

ひとに商品の良さを伝えるのは難しいと思います。
新入社員の頃系列のカーディーラーで営業の研修をしていたのですが、客に商品説明をしてるとき内心「他社のとそんなに変わらないよ」なんて思ってました。

あと説明できない概念を使うひとが苦手です。
野球解説者がよく言っていた「球質が重い」みたいな・・

もちろんちゃんと説明できれば問題ないですが

投稿: yama | 2009年6月16日 (火) 07時56分

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