« 理想と願望 | トップページ | ベストセレクション? »

2009年7月 4日 (土)

餃子の王将

 深いい話での内容。餃子の王将が不景気に拘わらず業績が快調だという。
 そして、その中での経営方針でグッと来た内容がこれだ。

 なんでも、チェーン展開している外食産業ながら、店舗毎の販売マニュアル等の手順書が無いと言う事。店舗運営は店舗毎に任せているということ。

 これは、何か?っていうと、最近ならば品質標準で一般的になったISO9001認証とか環境マニュアルでISO14000とか色々あるし、労災安全関連では、マニュアルがどうだ、不安全行動がどうだ、、、、と何かに付けて手順書、マニュアルの存在を諄い程に説いて回るのと好対照である。

 以前、勤務先でISOの監査を受ける際に違和感アリアリだったのが、業務上、二度と同じ案件に手を付けない上に、直接的に顧客に対する生産活動を請け負う訳では無いにも拘わらず、ISOの手順に従って、開発の手順がどうだ、評価がどうだ、、、、という話が有ってウンザリしていたのだが、定型的な手順で物事が全て賄えるか?というと、個人的には有り得ないとい認識が大きいのがホンネなのだ。

 そもそも、手順とは決まったモノでなく、手順は状況判断で随時変化するものというのが持論だ。手順書に記載される手順は定型的な手順であり、機械的な作業のみ、その認証された作業以外を許さないというのが背景にあり、その思想的な背景には手順の実施者である人間を全く信用していないというのが伺える。
 定型的、認証された作業というのは、新しい方法を原則認めないということでもあり、日々に生まれる工夫による手順のリアルタイムな成長を止める部分もある。

 好意的な解釈をすれば、決まったモノを粛々と生産するには、定型的なマニュアル作業を遂行することがベストかもしれないが、新しいモノを発想したり、状況に応じた弾力運用を目指せば、足かせになるのでは?と言える。

 餃子の王将という外食産業では、顧客という地域性、相手が人間という状況から、一意的な対応よりも状況に応じて対応する事を最大の目的に、マニュアルを設けないとなっているが、これは、新しい価値を生んだり、新しい製品を開発する際にも通ずる考え方のようである。

 ただ、言えるのは、マニュアルという目に見える定型手順が無いだけで、実は、思想的なマニュアルは決まっているのだ。思想的な骨格とは、顧客にとってベストは何か?何が出来るか?何をすべきか?その課題に対して目的に見合った効果を得られるベストな手法を選ぶということ。
 そう、マニュアルで本当に大事なのは、目に見える定型性でなく、作業が目的行動であり、その目的が何か?を見定める思想的な段取りなのである。

 思想的な段取り無しで模倣や、マニュアルの機械的なトレースで行動する事が最も意味のない行動だが、その行動を社会が組織に共用するというのは、組織の管理者自体が、組織や社会に目的行動を実践できる人が居ないと諦めているというのが本当のところだろう。

 それ故に、多くの企業や組織、社会は、目的も無い奴を使うには定型作業を行わせるしか組織運営が出来ないという現状を映しているに過ぎないのだろう。
 そんな使う側の人間が、使われる人間に対して思う期待感は、即ち、使う側の人間の眼力でもあり、それが時代の閉塞性を生んでいるようにも見える。

 使う側の人間の眼力と、人の使い方が、組織をアクティブに動かす力を生み、それが、定型的なマニュアルよりも目的行動を行う重要性と責任感を人に植え付ける。それが整った組織や企業が、社会において強さを発揮する。その一例が、例の餃子の王将のような組織なんだろう。

|

« 理想と願望 | トップページ | ベストセレクション? »

コメント

そうですね、幹部に権限が与えられて職域の自由度を使うって意味でしょうね!マニュアルを遂行するだけの人も確実に居て分業が明確になっているんだと思います。

どうでもよい話ですが、日本には経営者のトップのタダ一人が意志決定し、以下重役から管理職以下末端迄、意志決定権はゼロというか与えられていない会社も多いですが、果たして、どっちが正しいのか?は決めきれないのも事実です。

投稿: 壱源 | 2009年7月 4日 (土) 08時41分

発想が必要な幹部とマニュアルを遂行するだけのひと(バイト?)という分業なのかな?

吉野家、ブックオフの社長はバイトあがりらしいので、同様なマニュアル会社はそんなに膠着したものでは無いようです。

投稿: yama | 2009年7月 4日 (土) 07時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 餃子の王将:

« 理想と願望 | トップページ | ベストセレクション? »