« 理想と願望 | トップページ | ベストセレクション? »

2009年7月 4日 (土)

流行のトレーニングは誰にとっても正しいの?

 先日、トレーニングとは種目において必要なポイントを抽出して特化して鍛える事に意義があるって記事をアップした。自分の考えとしては、行動には目的を伴うべきという背景が外せない。それ故に、筋肉を鍛えるとか、付けるという行為は何のため?って部分がとても重要だと考えている。無闇に鍛えるとかの行為は果たして得たモノが役に立つか?という前提で、色んな事を考えている。その考えに従った判断で行動を起こすのをモットーとしている。

 例えば、最近のトレーニングで流行の加圧トレーニングとかスロートレーニングっていうのがある。これは、果たして正解か?と言う事も考える事がある。結論から言うと、そうやって仮に筋肉が付いても自分には不要というか使えないという判断から、自分自身が加圧トレーニングとかスロートレーニングという方法を取り入れていない。
 ダイエットにおける効率的な脂肪燃焼と持久力確保に有酸素運動がお奨めという事が言われているが、軽い負荷で鼻歌交じりで行える有酸素運動も自分としては行っていないのである。
 勿論、加圧トレーニングやスロートレーニング、軽負荷の有酸素運動(軽い自転車漕ぎとかウォーキング)が無意味と言っているのでなく、紹介された方法で得る効果が自分にとって求めるモノと違うという判断で行っていないだけである。正誤の判断ではなく、要、不要の判断なのである。

 先の記事にも紹介したけど、自分の日常運動の目的は、バイクとスイムを現役時代のパフォーマンスに何処まで近づけれるか?のみが重要であり、バイクとスイムで劣った部分を取り戻す時に何が必要で、何をどうしたいか?を前提にメニューを考えている訳であり、その身体の使い方、必要な力、感覚というのは、前述のスロートレーニングとか加圧トレーニング、軽い有酸素運動では手に入らないと判断しているからだ。
 本当は、実際にスイムとかバイクに乗り込んで手に入れれば一番良いのだが、多くの種目の競技では、問題となっている部分が問題となるのは一瞬であり、長く乗ったり、泳いだりしていても問題となる部分を鍛えることは難しい。それ故に、目的に合わせて集中的な強化がトレーニングとして有効となるわけだ。
 例えば、スイム、ブレストのプルを強化するためには、泳ぐよりもリストを強化する筋トレが効果的なのである。リストを強化するにも色々あって、プルにおいてはリストを固定する力を最大限発揮するのが重要であり、筋トレでもリストを保持する時に力が入れれるような筋トレを行うということである。一般にどんな種目でも筋トレ、基礎トレは、目的に合わせて特化集中する事が前提なのだ。

 そう考えて、加圧トレ、スロートレでの動作は、バイクとかスイムに関連性が見つけれないので取り入れていないのである。
 本来、加圧トレーニング、スロートレーニングというのは、介護系から来た方法であり、無い能力を付けるというよりも、使わずに眠ってしまった能力を呼び起こすための手法であり、原則として軽い負荷で身体を保護して効率良くリハビリの助けとしようという発想が根底にある。
 実際、加圧トレーニングでは、血流制限した特異な環境下で行う訳だ。つまり、制限するという行為は、血流の圧力が高まる領域と同時に低下する領域も発生する。高まる領域における効果を唱うサイトは多いが、逆の部分は触れられていない。更に、筋肉が動く大元である心臓を中心とした循環器系自体は血流制限を受けるために全体のパフォーマンス向上に併せて発達すると言う事もないのである。どんなにWHOがどうのこうのと言っても、人体のメカニズムを解明しているとは言えない訳であり、そのような特異な環境が自然な能力向上に結び付くとは言えないのが自分の出した結論である。

 スロートレーニングでも然りだ。フルストロークで力を一定でスローという動作が人間の動きに合致しているか?という一点で、それは無いのである。人間の行う動作、スポーツの種目には絶対的に反動を用いた動きが背景にあり、反動を行う際の溜めと瞬発がパワーなのだ。これは球技、格闘技、スイム、重量上げ等々全てに言える事。パワーとは瞬発力、それには溜めによるエネルギーの蓄積と力の解放のタイミングを外さない事なのだ。つまり、反動系トレーニング(クイックトレーニング)こそが実際の動きに合致していると言える。勿論、反動故に、オーバーロードによって身体を壊すリスクはあるが、それをコントロールするのが本来必要な知識の筈である。正直言うと、最初、スロートレーニングって言葉を聞いた時は、俺と一緒か?って思ったのだが、興味を持って聞いていると違うなぁっていうのが、後から判ったのである。自分の最初の印象っていうのは、ストロークがスローというのとは違って、動作が反動によって反転する時の貯めの時間の蓄え方を長くとることか?って思っていたくらいで、言ってみれば全然違うのである。
 世間で言っているスロートレーニングというのは、低負荷でゆっくりした動作なら行えるように、、、って事、つまり、高齢者のリハビリ手法ならば動作に意味が見出されると言える。

 軽い有酸素運動を続けて必要な持久力が付くか?も違和感を述べるとすれば、流行のロードバイクで速く遠くに走る、、、、それは、高い運動強度を長時間でトレーニングしなければ絶対身に付かないものである。ユルユルで長時間やっても強度を上げると保たないのである。そんなもんである。運動強度20%程で10時間維持できて80%の運動強度を2時間維持できるか?90%で1時間維持出来るか?っていうと、有り得ないのだ。
 例えば日々のローラー台が有酸素運動か?っていうと、実は違うのである。もっと別のモノを確認するために行っている。ペダルを回して負荷を得るのが目的でない。そう、有酸素運動なんぞは、ローラー台程度の負荷で一時間程度やったところで期待なんかしていないのだ。持久力で軽負荷長時間の意味が提唱されているが、自分の望む持久力は、高負荷長時間であり、そのためには例えば、水泳で3000mを50分以下という課題で取り組まなければ駄目という判断である。つまり、ローラー台に乗るのは、有酸素運動の効果もゼロでは無いだろうが、それは付随的な効果に過ぎず、ましてや、ポジションから何から全く違うエアロバイクなんぞでは絶対に得られないモノを感じるために乗っているだけだ。

 筋トレ、筋持久系トレーリングも行っているが、それとて、今で言うスロートレーニングとは大きく違うのが実際である。スイムでの動作、バイクでの動作でパワーを生む、つまり、トルクと回数を稼ぐ事を念頭に置けば、やはりスロートレーニングや加圧トレーニングは自分は受け入れられない。寧ろ、クイック系、反動系トレーニングの方が正解である。それは、パワーを発生する際に作用する骨格の動き、パワーを担う筋肉がどう変化するか?を己で考えれば自身の論理を生み出す事は容易いもの。勿論、身勝手な持論故に、公に公開するつもりは無いが、、、、そんなもんである。

 色んな流行のトレーニング方法が紹介されているが、加圧系、スロー系と、一世を風靡したビリーズブートキャンプとか、チョンダヨンのフィギュアロビクス、コアリズムとかは全く正反対である。一方はゆっくりじっくり、一方はリズミカルで速く、、、、どっちが健常者向けか?っていうと、客観的には後者かな?というのが自分の判断だ。

 取り敢えず、昼ポタ実走の目的は、気分転換と機材とのコミュニケーションが目的だし、3000m/50分スイムが持久力、サーキット筋トレやダンベルエクササイズは溜め+クイックで間合いと筋持久力、ローラー台は機材からの情報感知の繊細さが目的。不惑過ぎのオッサンが今更、心肺機能を高めたり、更に筋肉を付けよう!なんて考えていない。成人迄に身に付けた機能と力を呼び戻そうって程度である。

|

« 理想と願望 | トップページ | ベストセレクション? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 流行のトレーニングは誰にとっても正しいの?:

« 理想と願望 | トップページ | ベストセレクション? »