« コンパクトクランク!選びませんでした! | トップページ | 裁判員裁判 »

2009年8月 5日 (水)

役割分担

 周りからチョット困った質問を受けた。
 前もチョット記事にしたけど、自分で物凄く嫌悪感を感じるのは、話し相手から、その場に居ない他人、第三者の論評を聞かれる事なのだ。色んな人に同じ質問をして、その解答がどうか?なんて評価する事が一番嫌なのである。

 それとはチョット違うかも知れないが、質問としては、自転車部品を指して、その部品の物性、製造法、プロセス等々全てを作っている人は知っているか?って質問。

 答え、、、、そんなの分かんない。

 或いは、一般的には知らないだろう、、、、って事。ただ、一般的には知らないだろうって伝えた時に、本人が第三者が知らないっていう事はレベルが低いと勘違いするのが嫌な気持ちになるのである。知っているかどうかは、第三者次第である。そして、物性、製造法、プロセス等々について、専門家が専門外の分野を専門的に知っている事自体が稀であり、それが分担であるからだ。

 例えば、自転車部品、CFRP製部品が在ったとして、それを取り扱う側が、そのPAN繊維に何つかってる?とか、開繊はどの程度?とか、樹脂は何?とか、色んな事を知る必要も無いのである。そして、メーカー全てが自社で素材から生産している筈もないのである。
 想像するに、必要な性質を与えるに、部材にどのような特性を与えるか?を見繕うのが構造体を設計する側であり、設計側が有する知識としては、その構造体を得るにはどんな手法があるか程度?迄である。
 その選んだ手法で、素材がカーボンならば、求める形状に対して基本物性で、どの程度欲しいという数値が決まる。そして、その数値を製造メーカーに要求するのである。そして、オーダーを受けた製造メーカーは指定された物性を得るには、どんなプロセスが良いかを決めた上で、実際の製造を行うのである。

 言ってみれば、原料繊維メーカーは繊維については詳しいが、それが使われる先の専門性なんかは本来必要無いし、サプライヤー側も原料素材のプロセスや物性を全て理解している必要も無いのだ。そして、その分担する組織の間での共通ワードが機械物性だったりするのである。

 これは、一般機械でも言える事。例えば、産業機械、流体機械の製造ではどうか?っていうと、素材製造、加工、組立というプロセス、そして、流体設計、各部の設計、各部の素材物性、、、、いろんな専門家が携わるのである。そして一つの製品が完成するのだが、例えば流体設計の担当が、素材の製造プロセスなんか知るよしもないのだ。
 下手すると、流体設計の専門家は、純粋に流路形状の設計法しか知らない場合が多いのだ。構造部品の運動形態に応じた隙間設計、素材選定、、、、そんな事を知らない方が多いのだが、それが普通なのである。

 逆に、そういう事を深いレベルで知っているっていうのは、本来、作る側でなく、創る側なのだ。作るっていうのは、手順としては規定のモノ。創るっていのは手順から起こすモノ。

 そういう訳で、聞かれた事を解答しようとしても、その辺の常識を聞き手が理解していない場合、知らないのでは?って解答は、聞き手に作り手のレベルが低いと思わせ兼ねないのも嫌なのだ。

 そもそも、他人が知ってるか?知らないか?そんな事はどうでも良いのだ。他人が言ってる事に間違いが気付く事があるけど、それも客観的な事で、実際、どうでも良いのだ。他人が知っていようが、知っていまいが、大事なのは、問題に対して自分が知っているかどうかなのである。
 自分が知らないけど、他人がどうかを知りたい。そういう考え方自体が受け入れられないのだ。人が何しようが、何考えようが、どうでも良いのでは?と言える。

 ただ思うのは、ネットの情報では、そんな情報が氾濫して嘘も又聞きも多いようだが、情報の発信者がどう?って事が把握出来ない人は、いろんな情報に翻弄されるのがオチのようである。情報があろうが無かろうが、現実を自分で理解して結論を出せないと、結局、何も出来ないだろう。

|

« コンパクトクランク!選びませんでした! | トップページ | 裁判員裁判 »

コメント

値段で判断する人、多いですよね、、、、。
遠からずも、必ずしも価値を表しているとは言い難いのが価格ですからね。

世の中、ステンレス=磁石に付かないで片付ける人も多いですし、カーボン=同じ性能、アルミ=同じ性能、、、で片付ける人も多いです。
思うのは、自分で判断出来る人が居ないような印象ですね。

投稿: 壱源 | 2009年8月 6日 (木) 07時51分

自分でギアの加工精度やベアリングの真円度などを測って違いを言うならいいですが、根拠のほとんどが値段、なんてよく恥ずかしげも無く語るな、と思います。

投稿: yama | 2009年8月 6日 (木) 06時24分

それ系の人の情報源は、最近ではネットですね。昔ならカタログ、雑誌でしょうか?
そんなところで情報を仕入れて、それをあたかも自分の知識かのように第三者に触れ回り、凄いと思われたい人が多いのは事実です。
でも、上っ面の知識だけひけらかして、何も知らない人に凄い!って思われることが本当にキモイ良いと思っているとすれば、とても滑稽だと思いますね。

投稿: 壱源 | 2009年8月 5日 (水) 21時34分

ネットの世の中になってウンチクを語りたい人が多い、ということを改めて知りました。

シマノの社員でもいないくらい変速機のグレードの違いを長々熱く語る人、多分乗ったことも見たことも無い中国製MTBルック車をこれでもかとけなすひとetc。
3年前買った1万円のルック車は重いだけが不満でした。

マニアには病的という意味がありますが、本当の病気ではシャレになりません。

投稿: yama | 2009年8月 5日 (水) 20時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 役割分担:

« コンパクトクランク!選びませんでした! | トップページ | 裁判員裁判 »