設計と開発
企業での人事採用では、設計、開発業務って普通に書いてある。
でも、設計と開発を区別して行っているのは一部の大企業であり、技術的な素地の無い企業では開発といっても開発と呼べるの?ってレベルを開発と言う事が少なくない。
そもそも、設計と開発って言葉の意味がどうか?によって、その実態、理解は大きく異なっている。
人事採用可否を担っている手前、そういう言葉を聞く事が多いのだが、その言葉を聞く度に考えてしまう。
個人の勝手なイメージだが、これらの言葉に持つ印象を羅列してみると、、、、
設計、これは、手順に従って、仕様を具現化する作業。つまり、決められた手法、公式、手順が存在し、仕様で与えられた条件を満たす解を導き出して、それを作図する作業とでも言おうか?勿論、その中には工夫的要素もあるだろうけど、導入される知恵には大きな飛躍はあまり無いのが実情。スケールアップ、スケールダウン、そんなモノから、既知の論法を利用する業務全般が該当する。
一方で、開発、、、、これは手順自体を生み出すような作業。つまり、原理現象の原則論に基づいて、選ぶべき手順は何か?の規則を生み出す作業。つまり、無から何か新しい事を作り上げる作業。スケールアップ、スケールダウンではなく、原則に従って新しい価値を見出す業務が該当する。
で、設計、開発を希望する人には、専門性の確認では、語句、式、法則を字面で覚えているだけか?或いは、そのタームの生まれた理由、必然性迄説明できるか?を見て、設計止まりかな?開発できるかな?って判断する事が多い。
そして、開発できるかな?って判断した人は、正直、人生の選択の再考を促す事が多かったりする。
ぶっちゃけ、本当の意味での開発なんて、そう簡単に出来るモノでないし、それが出来る人材も稀なら、それが、どれ程の苦労を伴うか?を理解する組織も稀。そんなもんだ。
そういう思いがあるのだが、結構気安く、簡単に、開発が重要!とか、開発したい!とか、言う人が多いのは驚きだ。0から1を生み出すっていうのは、公式に現れない概念的な真理を掴まなければ出来ないし、そこに真理を見出すための、問題意識と目的意識から結論を導き出す思考的な展開も出来ないと見えない筈。
でも、なんだか知らないが、募集してくる学生さんは、熱力学が得意中の得意とか、流体力学が得意分野だ!とイイながら、その基本的な知識というか内容の必然性が判らないのは当然、下手すると、言葉も知らない人が多いのにはビックリだ。
まぁ、企業によっては、そういう人しか雇う資格が無いような企業が多いのも現実だが、、、
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コメント
そうですね、開発というと、具現化されていないテーマを具現化する作業ですから、ターゲットが見えている時点で、自分としては開発とは違うように考えています。
自身、開発作業を行ってきたか?というと、人によっては疑問かもしれませんが、請負業務は、前任者の居ない業務、雛形の無い仕事、誰もが完遂出来なかった問題に限り受けるというのがモットーで、誰かの後追い、トレース、、、、そういうのは正直、モチベーションが保てません。
誰も行ったことのない材料開発とか、システム開発とか、そういうのが自身でカッコイイ仕事と思ってます。
投稿: 壱源 | 2009年8月15日 (土) 22時58分
開発といっても単なる定期的なモデルチェンジはモチベーションが出ないですね。
画期的新製品(ウォークマン、ニンテンドーDSetc)みたいなものは稀で、ほとんどは各社同時進行みたいな製品ですから。
自動車関連で画期的な機種は採算割れが多いらしいので、企業としては痛し痒しの面があるようです。
投稿: yama | 2009年8月15日 (土) 22時05分