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2009年9月22日 (火)

判断基準

 自転車、特にフレームを見ての判断基準、、、、

 それは、ブランドデカールでも、マテリアルでもない。確かに走っている最中に追い越す瞬間とか、すれ違う瞬間ではブランド名は目に入るけど、それを見て良いとか、悪いとかは判断出来ない。

 何で判断するか?っていうと、殆ど、工作とか仕上げで判断する。エンドとフォーク、ステーの差し込みの仕上げ具合とか、パイプ端の塞ぎ仕上げがどうなっている?とか、ラグやエンド自体の精度がどう?とか、肉厚がどう?とか、ラグレスの場合は溶接ビードの具合、その仕上げ、磨き込み等々、そんなところである。

 勿論、そういう仕上げで判断するのはスチール系フレームが主体だが、そのような細部の仕上げの丁寧さ、細やかさで判断する。

 我が家にはスチール系フレームが何本かある。

・レ・マイヨW
・2002DAHON SPEED
・2005DAHON SPEED
・小林ロードフレーム
・BSロードフレーム
・ステンレスロードフレーム

 とあるが、レ・マイヨWは、取り敢えず程度のハイテン鋼グレードだが、ラグも鋳鉄系のなまくらラグ、ダイキャスト部品で作られたジョイント、なまくらエンドと作りは完全にママチャリというか、そんなレベル。軽さよりも耐久性、生産性重視で作られている。
 コレに較べるとDAHONは遙かに上等。2005DAHONはダイキャスト部品が多用してあり生産性が相当に高めてある印象。パイプ自体も異形断面加工、湾曲加工から生産設備に相当な機械化が進んだ様子が伺える。2002DAHONはフレーム断面はパイプのスタンダード、基本は直管のみでの構成。ダイキャスト部品は皆無で手作り感が強い。方向性としては小径故の硬さを緩和するようなチェーンステーの潰し加工等が見られる。2005より繊細な感じ。溶接ビードは2002の方が綺麗で全体的に手作り的なフレーム。頑丈さは2005だけど繊細さは2002だろう。乗った時の感覚としては2002の方が随分とソフトな印象。

 フルサイズでは、BSのカイセイ4130-022クロモリ鋼のロードフレームはラグも鍛造ながら仕上げの詰めは今一。パイプ端は潰しを基本とした加工、ラグやクラウンの肉は厚めで、悪くないけど大企業で量産を前提としたフレームという風合いが強い。
 ステンレスロードフレームはBSフレームと較べるとパイプ端の加工も潰しを基本としながらも潰し目は目視では見えない程に仕上げてある。何よりもパイプ接合のビード部分は、それが目視出来ない程に研磨してありパイプとは滑らかに繋がり、仕上げ部分は鏡面状態となっているのが驚きである。フォーククラウンとブレードの繋ぎ目は判別不能な程で、明らかに、BSロードフレームに較べると仕上げ工数が掛かっている。
 コレよりも驚きなのが小林ロードフレームだ。パイプもレイノルズ531の中でも特に軽量なモノ、エンドとクラウンはゼウス2000、ラグはボカマと選ばれたモノも一流だが、ボトル台座、ブリッジに到るまで飾りラグが配されている。パイプ端部はカットした後に蓋を付けてあり、その端部はエッジが明確に判るように、なおかつ不連続な溶接痕は一切見えない。それ程に仕上げは超丁寧、、、、BSの大量生産系、ステンレスの少量生産系とは異なる一品モノで完全オーダーという状態。実際、BSロードにはフレーム製造番号が普通に刻印されているし、ステンレスロードも二桁の数字が刻印されているが、小林フレームにそんな番号は無いのだ。

 このように、名前というか、ブランドというよりも、同じフレームでも各部の仕上げへの作り手の気合いの入り方の方が、フレームの品質を如実に反映しているような気がする。

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