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2009年9月 7日 (月)

どうやって稼ぐんだろうか?

 豊かに暮らすには稼ぐしかない。みんなが豊かに暮らせる社会は来るのだろうか?
 更なる成長、確実な景気浮揚の青写真は在るのだろうか?

 この度、政権が変わった。変わった政権の景気浮揚は消費を暖めるという考え方。一方で野党自民党の考えは産業を刺激するという考え方。

 これ、どっちでも一緒だ。っていうか、どっちも期待はずれである。何もない国、日本である。何もない国は貧しくなるのが掟だが、何もない国が稼ぐには、どうする?っていうと、財を生む活動を地元で行う事しかない。何が財を生む?何が波及効果が大きい?っていうと、財を生む活動に多くの人が参加出来ないと波及しないのが大原則。つまり、特定の人だけの活動では、みんなが幸せにはならないのだ。

 みんなが幸せになるには、みんなが参画できる活動が必要。それが何か?何をそれにするか?何処に、それがあるか?を見定めるのが、政治とか官僚の役割では無いだろうか?

 過去を振り返ると、60年代~80年代の造船、自動車業界っていうのは、その裾野が広く、多くの人が生産活動に関与出来、そこで狙った製品も、海運業界向けであったり、限られたエネルギーを有効に使える小型車狙いであり、それを定めた時の官僚、政治家の先見性が、高度経済成長を生んだように思う。
 つまり、当時、海運と小型車を狙った。その根底は、石油エネルギー運搬と省エネが金になるという価値観を生みだした事が当時の成長に繋がっているのだ。そう、石油の運搬、消費が金になると早くから気付いたから世界で価値観をリードし財を獲得出来たのでは?と思うのである。富が集中すると、欲が暴走するものだ。それが、バブル景気とバブル崩壊に繋がったように考えると判りやすい。

 その次、90年代から00年代では、どうか?っていうと、価値観を作り上げたのは米国では無かっただろうか?キーワードはその前の石油から情報に変化し、情報が財を生むと見定めた結果、それを推進力にアメリカ経済は立ち直ったようにも見える。事実、官民一体となって情報の核を育て、支援する体制が繁栄に繋がっている。それで生まれたのが、インターネット関連技術であったり、CPUでは標準化されたマイクロアーキテクチャであったり、OSの標準化だったりする。そうやって集中した富を使って、誤った運用をした結果が、先のサブプライム問題を引き起こしたとは言えないだろうか?情報産業による社会の繁栄、その繁栄を謳歌して、欲が欲を読んでサブプライム問題に繋がる。これは、前述のバブル崩壊にも通じるように見える。

 これから思うのは、国家の繁栄は価値観の創出であり、それが壺に嵌れば繁栄するという印象。そして、価値観は作ったモノ勝ちで、後追いでは利益は受け取れないようにさえ見える。事実、小型車革命で日本が繁栄している時には、他の地域の追随を許さなかったし、アメリカのIT産業がリードしている時代、他からの提案は虚しく消え去り、おこぼれに与った半導体メモリー産業では利益を生めるモノでは無い事からも見て取れる。

 つまり、価値観は生んだ者勝ちで、その効果は20年維持出来るって印象なのだ。

 そして今、今の価値観は何?っていうと、、、、、これは、消費炭素の扱いを商売に結び付ける価値観だ。そう、欧州圏である。欧州圏では、これに10年前に着目し、その価値観を作り上げている。今後の10年以上は、欧州圏の作ったルールで、この世界は動く筈だ。前例のように、価値観が世界の共通認識になると、地域は20年近くの繁栄を享受出来る。その間、他地域は貧乏くじを引いて来ている。

 そう思うと、新しい炭素をキーワードとした価値観では、既に後追いであり、この価値観で利益を大きく得るのは難しいかな?って印象だ。

 政府にも、官僚にもだが、世界をリードできる価値観を作る事が一番大事であり、それ無くして、資源の無い国の成長戦略は描けないような気がするのである。

 今のまま、新しい価値観が生めないままに時間が過ぎれば、既存産業、既存製品は競争力を失い、極一部の地産地生型先端企業とかしか財を得れなくなりそうな気がする。少なくとも、価格勝負の産業に生き残る芽は無いかな?って思うと、マスコミ等が自信満々に言っている中堅、中小企業は相当に厳しい事態に陥るように思ったりする。

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