« ダム、、、、 | トップページ | シルク、フレーム完成! »

2009年9月29日 (火)

交通科学館の今の展示

 広島交通科学館は、鉄道、車、単車、船舶に関連する展示をメインとする所で、今はオートバイの展示がされている。秋の連休に家族で出掛けたのだが一寸感想をアップしてみる。因みに、今の展示は↓

http://www.vehicle.city.hiroshima.jp/kikaku/09/2/plannedbikes.html

である。タイトルは時代を駆けぬけたオートバイということで、11/23迄展示される。展示物は、昭和の単車+ワークスレーサーという構成。

 昭和の単車については、正直、展示してまで見るという気持ちは沸かなかったのが正直な感想。理由は、自宅ガレージも似たような状態だし、展示されているモノ自体が自分にとっては、昔とか、懐かしいという対象ではなく、現在進行形的に見えるから。
 それに対し、ワークスマシンは違う。それも、市販車改造の耐久レーサーとかよりも、オーラが違うのがWGPのチャンピオンマシンだ。そんなレーサーは次のように展示されていた。

  SUZUKI GSX-R1000(2008年鈴鹿8時間耐久ロードレースマシン No.55 H.M.F)
  SUZUKI GSV-R(2008年MotoGPマシン No.65 R.カピロッシ)
  Honda  NSR250(2001年GPマシン No.74 加藤大治郎)
  Honda  NSR500(1997年GPマシン No.1 M.ドゥーハン)
  Honda  NSR500(1988年GPマシン No.1 W.ガードナー)
  Honda  NR500(1982年日本選手権権マシン No.12 木山賢悟)
  Honda  RC145(1962年GPマシン No.6 L.タベリ)

 この中で、やはり格別なのはHondaの80年代以降のGPマシン。

 まず、NSR250といえば、今は亡き加藤選手が圧倒的な強さでGP250を制したバイクで、テレフォニカモビスターのカラーリングが最も似合うバイクでもある。この活躍で、MotoGPクラスにステップアップし、初年度はNSR500を駆りRC211V等と渡り合う活躍が印象的な選手。その年度の後半にはNSR500からRC211Vにスイッチし、翌年の鈴鹿でテレフォニカモビスターカラーのRC211Vで悲劇に遭った。この2001~2002年がGPで2ストが活躍した最後の年ということで、それだけに注目していたし、この頃の事は未だに鮮明に覚えている。
 1997年のNSR500というと、NSR=レプソルカラーを印象づける程、それまでのNSRイメージが完全に変わるような活躍を見せたドゥーハン選手のマシン。それまでのNSRというと、ロスマンズカラーが定番だが、その定番を打ち破り新しいイメージを作り出す程の強さを発揮したのが、このマシンだ。GP500で5連覇という偉業が全てを物語る。印象的なのは、怪我をしてリアブレーキを指で操作するような変則マシンに乗っても速いというのが鮮烈だった。
 1988年のNSR500、ロスマンズ+ガードナー選手で、何と言ってもオートバイブーム絶頂期の頂点を極めたコンビネーション。当時は、ドゥーハン以降の一選手突出と違い、ローソン、シュワンツ、レイニー等の群雄割拠の時代のライダーだ。その前はスペンサーという圧倒的な選手、その後はドゥーハンという選手で、その間の競争が激しかった時代のライダーで、一番面白かった時代のチャンプという印象。
 1982年のNR500は、ホンダがWGPに復帰した4ストレーサーの後期型で、公式戦で唯一勝利を挙げたマシン。WGPでは勝てなかったけど、有利な燃費戦略で公式戦で唯一勝利したのが故木山選手。NR500は後のNR750に繋がるホンダのアイデンティティであり、強いNSR系とは異なる如何にもホンダらしいレーサーである。剰りにも有名な楕円ピストンのツインコンロッド、8バルブエンジン、見た目はV4だけど、実質はV8みたいなもの。初期はモノコックフレームという独特な車体構成も注目の的だった。因みに、市販のNR750は楕円ピストン、このレーサーNR500は半円+長方形+半円のトラック形状のピストンだった筈。NR500のコンセプトは毎回爆発する2スト500に勝つには、回転数を2倍にすればOK?って発想が根底にあるように見える。回転数を2倍にすれば、時間あたりの爆発回数は同じだから、、、、という発想。因みに、最終期は同時期の2ストGPマシンの出力を上回るレベルになっていた。このNR500のファイナルバージョン、3Xは実践投入されなかったけど、NS500と同等以上の戦闘力を持っていたかも?と言われたマシンだ。これは10年程前の月刊オートバイのNR500開発秘話の雑誌からの引用。

 他のMotoGPクラスのGSV-R等は、思い入れは少ない。1962年のRC145も生まれる前の話だし、、、、市販車の気になるといえば、KZ1000Pというアメリカ向けポリス仕様のバイク。これは、1970年代の白バイ野郎、ジョン&パンチで登場していたのが印象的なバイクの末裔だ。

 今の時代、二輪車では自転車ばっかりで単車への注目度は高くない。実際、展示会場で嬉しげにGPマシンの写真を撮っていたのは自分だけ、、、、、そのバイクを見ながら一寸若い?って思われるカップルが見ながらの会話が耳に入ったのだが、それは、『ツルツルのタイヤで走るのかなぁ?』『展示用にツルツルのタイヤにしているだけでしょ!』って会話、、、、ホント、興味ないんだなぁ、、、、っていうのが驚きだったけど、世間の単車感なんて、そんなモンだろうなぁっていうのが感想。

|

« ダム、、、、 | トップページ | シルク、フレーム完成! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 交通科学館の今の展示:

« ダム、、、、 | トップページ | シルク、フレーム完成! »