ロコモ?
土曜日の夜、NHK教育テレビの名医でQって番組を断片的に見ていて、気になっていた言葉、それが『ロコモ』って言葉だ。
後になって調べてみると、locomotiveはもともと「機関車」、「移動の」という意味だそうだ。そして、医学的には骨、関節、筋肉、脊椎などの運動器をさし、それが、加齢や運動不足などによって発生する機能障害がおこり、歩行・バランス能力が低下して、寝たきりなど要介護状態になる危険性の高い状態を言う。
ロコモーティブシンドロームっていうのは、運動器の機能を失う状況の事らしいが、これも、前記事の脳の老化、筋肉の老化と同じく、結局は老化というよりも、ライフスタイルの適応現象による本来的機能の低下現象なんだろう。
ふと思うのは、人間の技術、文化、文明というのは、基本的に生活を楽にする方向に進んでいると言う事。これって、人間が苦と感じる作業を限りなく減らすという事。しかし、これは正義なのだろうか?苦を伴わない事のみを行うのは、確かに楽かも知れないが、楽をするというのは、機能を機械に代役させる事であり、機能を機能させない生活を助長しているのが、文化、文明のように見える。
つまり、人間は本能的に、破滅に向かって生物としての機能が退化させられる方向に進んでいるようにも見える。
ただ、これは古い価値観に則った話であり、どんなモノであれ、時代の流れで退化することは有り得ない。人間が究極の楽生活を手に入れて、運動器を激しく失って、別の形の生命体が生まれたとしても、実は、その生命体こそが進化の究極であろう。
案外、未来の生命体にはロコモって概念が不要なように、運動器自体を有さない生物の形になっているかもしれない。
適応現象というのは、或る意味、不要な機能を省くという進化の症状でもあるわけだ。実際に、現代の人間の身体もそのように出来ているので、そんな事を考えたりもする。
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