« インテグラルヘッドって名前は格好いいけどねぇ | トップページ | 煙草を再考してみる。 »

2009年11月21日 (土)

記憶

 記憶について、記憶力の低下は老化に非ず、好奇の度合次第という持論を展開したけれど、一般論から持論を誘導してみる。

 記憶っていうのは、二種類に分類され、一つは短期記憶、一つは長期記憶と分類されている。一般に、短期記憶は小容量で揮発性、長期記憶は大容量で定着性があるとされている。

 しかし、人から見て入ってくる情報に差異は無い訳で、最初は体験として入ってくるだけであり、それが短期記憶か長期記憶かに選別されるのであろう。そして、どちらにしろ、記憶というのは情報を記録する訳であり、その量には限界があるのも事実であり、言ってみれば、長期であれ、短期であれ、記憶が代謝して入れ替わっているのが実際のところだろう。

 イイ脳っていうのは、必要な事はしっかり留め、不要な事は綺麗にクリアする。そして、長期短期の選別が社会における重要度とシンクロした選別機能を持っている事。そういう事なんだろう。

 体験を記憶として留めておく有効期限が記憶の代謝のようなもの。そして、記憶の有効期限を定めるのが長期、短期記憶の選別機能である。有効な選別機能とは、生きる上で重要度の高い知識を長期記憶に留める事の出来る機能であり、それが無いと、大事な事が判らないというようなバカな個体になるんだろう。そして、記憶に有効期限を適切に定められなければ、柵にくよくよするような人生になったりするんだろう。

 言えるのは、入ってくる情報にランク付けする力こそが、記憶力の個体差になっていると言える。情報にランク付け出来る力とは何か?それは、情報の価値を社会常識を始めとした様々な価値観から定める事であり、較べる尺度的な情報を如何に有するか?が鍵となっている筈である。
 更に、突き詰めると、情報を如何に有するか?というのは、行動判断の前例となるデータを蓄積すること、、、、人の行動をシステム的に言うと、エキスパートシステムの中でデータベースを系統立てて作り出す事と同じであり、いわば、体験と学習によって得た知見の差が行動判断材料の差となっていると言える。

 情報の収集結果の違いが記憶の選別機能の差となって現れている。情報の収集結果は、どこで違いが出るか?というと、生物の特徴である、好奇心を考えると、好奇心こそが生きる力、本能であり、その本能に従った探求活動に制約を受けたか否かこそが、情報の収集力の差を生んで、収集した結果の差になっていると言える。

 このように考えると、生まれた時は本能的に探求心に溢れているが、環境によって探求活動に制約を受け、それが将来の行動判断、記憶の選別判断に重要な役割を担う知識量の差を生む。この差が、情報を選別して記憶を振り分ける力の差になる。この知識の蓄積に従って、個体毎に情報の取捨選択を行うようになる一方で、知識の蓄積が無ければ、記憶の選別機能も低レベルなままとなり記憶が苦手となる。
 一般に物覚えの悪さを老化の責任にするよりも、情報の選別能力の無い状態を作ってきた生活への適応現象のためと捉えれば合点がいく。

 そんな事を考えれば、人格形成を含め、知識の集積等様々な面で、如何に幼少期における好奇心溢れる探求活動が重要か?というのが判る。生きる力=好奇心による探求活動によって得た情報量=環境価値観に合った判断力であり、やはり、原点における生活が一番大事なように感じる。
 この人格形成では育児による性格の遺伝が最大のポイントであり、実は、遺伝っていうのは、育児による性格の伝達の事なのかな?とも思ったりする。

|

« インテグラルヘッドって名前は格好いいけどねぇ | トップページ | 煙草を再考してみる。 »

コメント

都合の悪い記憶が消えてくれれば!って思う事ありますが、悪い記憶は鮮明に残り、頭の片隅に残っているっていうのは、ありますね、、、、自分もそういう記憶は早く消え去って欲しいと思うのですが、なかなか、、、

投稿: 壱源 | 2009年11月21日 (土) 19時12分

自慢じゃないですが記憶力だけはひとに負けない自信が有ります。

大学入試もほぼ記憶力だけで合格したのでは?と思ってますが、いやな記憶もずっと消えないので痛し痒しなところもあります。

投稿: yama | 2009年11月21日 (土) 18時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 記憶:

« インテグラルヘッドって名前は格好いいけどねぇ | トップページ | 煙草を再考してみる。 »