« 固定シングルで10%勾配! | トップページ | シルク »

2009年11月 5日 (木)

炭素繊維複合材料の話

 先日、表題の話で議論する機会があった。
 そこでの話。炭素繊維複合材料で、マクロ的には複合元の材料の弾性率に比例した物性となるけど、ミクロ的には、構成繊維の大きさ(繊維系)に逆比例した物性になるって話を自信満々にされたけど、これ聞いて会話した内容、、、、それって、粉末冶金材料の物性改善の手法と似ていない?或いは、一般材料でも当て嵌まらない?って話。

 最近は炭素繊維を樹脂、炭素、メタルと複合化した材料開発を行っているけど、一寸前は、複合炭化物とか、セラミックス、サーメットの開発も行っていたのだが、そこでいい材料っていうのは、微細化された材料、、、或いは、超微粉を用いた焼結材料っていうのがある。

 ふと考えたのは、炭素繊維の複合材料の繊維系の物性への影響っていうのは、粉末冶金での焼結材料の粉体粒子径の物性へ与える影響と一緒の部分があるだろ?って話。

 この話、週末のテレビで塩船で海を渡る話で、塩を微細に粉砕して付ける事で強度を上げるなんて話があったけど、多少被る部分がある。

 そう、これって常識の話の一つだが、人によっては、学問に特化しすぎると、似たような事例が他の分野で大量に転がっているのが気付かないのかもしれない。まぁ、自分が気付いたと錯覚しているだけかもしれないが、、、、、

 ところで、炭素繊維複合材料で面白いのは、材料複合化において破壊の方向性というか形態を制御することで強度を保つ考え方、、、、、一般に、材料の複合化では高弾性率材料比率を上げるほど物性は向上するけど、考え方としては、破壊の形態を破壊の視点を高弾性材料から発生するようにデザインすることで、弾性率比率を超えた強度を発揮させる方法もあるという、、、、こういうのは、素直に素晴らしい考え方だと思うけど、更に言えば、壊れる強度で材料を比較するよりも、壊れないで使える範囲の強度が幾らか?が大事であり、そういう点では複合材料の評価は未だ発展途上のようでもある。

 果たして、元来的に複合化する事が難しい炭素繊維と樹脂の複合材料は、従来材料と見立てる時、どのような材料として扱うのがベストなんだろうか?疲労の有無、限界の高低、、、いろんな尺度があるけど、その辺が明らかにはされていないようにも思う。複合材料の場合、弾性率一つとっても、それを通常の弾性材料と等価に考えて良いかどうか?は、その成り立ちや破壊の形態から考えても安直には扱えそうにない。

 そんな事を考えながら見つめると、結構楽しい。

|

« 固定シングルで10%勾配! | トップページ | シルク »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 炭素繊維複合材料の話:

« 固定シングルで10%勾配! | トップページ | シルク »