ドラフティング
自転車で縦に連なって走ると後続車両が楽珍となる。これは先頭が風を受けるから。二台で走る時は、絶対に後が楽である。
では、三台以上の場合はどうだろうか?
昔、バイクに風防を付けて小雨の中を走っていると、真後ろから前方に向かって雨粒が飛んでいたけど、アレは、風を巻き込んで背中を押すように風が巻き込んでくる。言ってみれば、背中を押すような風だ。
速度域にも寄るけど、巻き込み風は速度が高いほど強くなる。巻き込みで背中を押される最後尾と、縦列進行の真ん中で前からの風は無いけど、後からの巻き込みも無い中段はどちらが楽なのであろうか?
そういえば、一人で走る時と他人を牽く時で楽なのは一人で走る時だ。この違いを、巻き込み風によるアシストがあるか無いかの違いと考えると、縦列走行では最後尾が一番楽なのかも知れない。
そういえば、一人で走っていて向かい風に遭遇しても、思ったほど疲れというか限界を感じる事は多くない。風の強さの割りには楽かな?と感じる事が多いけど、これは、風を受ける事即ち、後から押されているからなのかもしれない。
一人で単独なら40km/hオーバーで10km以上を持続するのは難しくないけど、誰かを牽くと40km/hオーバーはコンディション次第となる。現実的には37~38km/h辺りとなる。
因みに、平地走行時における所要出力の内、空気抵抗に消費される割合はいくらか?というと、20km/hが32Wで60%(総出力50W)、30km/hが110Wで80%(総出力140W)、40km/hが260Wで90%(総出力300W)に迫る。だから、ドラフティングすれば40km/hで走行している後に入れば、空気抵抗は260W分の出力は不要であり楽に速度を確保出来る訳だ。
こういう事を考えれば、速い人の後で追走出来た!って事で得た満足は何の役にも立たない事も判る。一方で、単独で50km/h迄引っ張っても空気抵抗動力は500W、所要動力は560Wだし55km/hでも670W/740Wと言う事になる。後続が空気抵抗ゼロにはならないけど、牽き回すだけでは千切る事も出来ない。進路変更で空気の壁を与えるにしても、進路変更をした瞬間は前側も失速するし、ハンドル操作だけで反応されるから実質千切る事は不可能だ。後続を嫌うならば、不意を付いた急激な加速で背後に空気の壁を作る事しか出来ない。つまり、35km/h辺りで走行していて背後を嫌うならば、爆発的に45km/h程度迄牽いて、背中に10m程度の空気の壁を入れる事が出来るか否かに掛かりそうだ。
緩やかに加速してという方法では話にならない訳だ。疲れるのを嫌う場合の心掛けとしては、抜く時は大外から大きな速度差で一気に抜く!これが大事である。そして、大きな速度差というのは持続可能な速度の範囲であるというのが大事だ。仮に、不意に付かれて嫌がるならば、35km/h程度から50km/h程度迄を如何に短時間で加速できるか?が大事だろう。
| 固定リンク
コメント