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2009年11月28日 (土)

円高の波、再び!

 円高が急速に進んでいる。当ブログでコレを取り上げたのが一年前だ。2008/12の頃に円高ネタを記事にして、一ドル80円台っていうのは、それ程変な事か?そういうレベルに行くのではないか?って事を予測していたけど、現実にそうなりつつあるように見える。

 サブプライム問題表面化以前の日本の景気というのは、欧米への輸出特需に支えられたモノであり、現在のアジア各国の景気持ち直しによる需要が日本に向かうか?というと、為替の問題、経済格差の問題から考えると、単純にそうはならないというのが素直な感想だ。実際、世界の地域別収入を見ると、景気回復している地域の収入は、日本の1/2~1/5であり、これが人件費、即ち、製品コストに効いてくる。この人件費格差がある限り、日本に需要が向かわない。
 高コストであっても売れるモノでなければ、外貨を得る方法は有り得ないというのが、シロウト考えかもしれないが、素直な感想である。

 人件費で数倍以上の開きがある国々と似たような製品を作って輸出市場で勝負するのは非常に困難である。少なくとも、同じレベルの製品を作る状態、レベルの高い低いは技術の素地でなく、消費者側が望むレベルの高低だが、そういう商品展開では、輸出産業で外貨を得るのは不可能だろう。
 市場が望むレベルが低人件費の国々では満たす事が出来ないジャンルの製品を作って初めて性能に掛けた投資を回収できる価格転嫁が可能となる。

 望まれないレベルの技術開発で開発者の自己満足ではダメで、市場が望みながら、実現するには困難を伴うレベルの技術を価格決定の武器にするような考え方が必要なのは明白だ。そういう産業風土の変換するには、一度、超円高で、対応力の無い企業は全てリセットするような変革が必要というのは空論かもしれないが、対処的な方法だけでは、今の問題からは永遠に逃れる事が出来ないように思う。

 円高だから規制する。緩和する、、、、そんな処置では、作る側の本質が変わるのには相当な時間を要し、永遠に同じ対応を執らざるを得ないだろう。今回の円高を契機に、少し産業構造というか、外貨を得る方法を根本的に見直すような機運が高まればと思う。そのためには、繰り返しになるけど競争力、創造力の無い企業、組織は淘汰されなければならないだろう。

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コメント

そうですね!
でも、スパコンの件では、世界一になる事=高コストが必須!って前提で、仕分けチームも抗議した大学も話を勧めているのが、何だかなぁ?って気がしたのが素直な感想です。

金を掛けて最高性能!っていうよりも、経費を抑えて最高性能!を目指すっていうのが理想です。

色んな製品や技術を見て思うのは、昔は工夫が長けていた印象。今は小細工に長けている印象。
スパコンでも力業でなく、工夫で性能を高める事は出来ないモノでしょうかね?

投稿: 壱源 | 2009年11月28日 (土) 01時27分

>>人件費で数倍以上の開きがある国々と似たような製品>>を作って輸出市場で勝負するのは非常に困難である

こんな危機的状況なのにスパコンは1位じゃなくてもいいとか言ってる政府は絶対支持しません。(若干路線変更したようですが)

スパコンに限らず技術開発を放棄したら日本の存在価値はなくなります。

投稿: yama | 2009年11月28日 (土) 00時52分

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