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2009年12月22日 (火)

経験から見た基礎代謝と除脂肪体重の関係

 筋肉とか、除脂肪体重の単位量あたりの基礎代謝は幾らか?というのは素朴な疑問としてずっと持っていた。で、体験上、自分の筋トレの結果の変化から類推してみた。

 増強系筋トレ前:
  体重:65.0kg、体脂肪率:12.5%、骨格筋率:33.5%、基礎代謝:1570kcal
  骨格筋量:65.0×0.335=21.8
  体脂肪量:65.0×0.125=8.13
 筋トレ実施一年後:
  体重:67.5kg、体脂肪率:11.5%、骨格筋率:36.0%、基礎代謝:1650kcal
  骨格筋量:67.5×0.360=24.3
  体脂肪量:67.5×0.115=7.76
 筋トレ前後比:
  体重:+2.5kg、体脂肪率:-1%、骨格筋率:+2.5%、基礎代謝:+80kcal
  骨格筋量:24.3-21.8=2.5kg↑
  体脂肪量:8.13-7.76=0.4kg↓

 この数値の見方はよく判らないが、増加体重=除脂肪体重に近いので、大雑把に類推すると2.5kgで基礎代謝が平均で80kcal増加している。

 大雑把に言って、、、、

              32[kcal/除脂肪体重1kg]

 のような感じである。

 そうなのかなぁ?と思いながら、偶然、筋肉自慢?な自転車好き少年との話で、なにやら最近は体組成計を買ったそうなのだが、本人的には自信のあったらしい体年齢、筋肉量が今一で不満を漏らしている。そこで詳しく聞くと、、、、身長が165cm、体重が56kg、体脂肪率が15%ということで、私から見ると、正直、一寸背が低いのは別として、身長からすれば随分軽いという印象。特に痩せては見えないから、まぁ筋肉は少な目か?と思っていると、案の定、彼の基礎代謝が1300kcal程という。身長、体脂肪率が平均で体重のみ軽い訳であり、彼と同等の身長の平均は?というと、BMI的に言えば59kg程であり、その平均の基礎代謝も1380kcalという。つまり、除脂肪体重的に平均より3kg程度軽い訳であり、結果、実測の基礎代謝も人並みより80kcal程少ない訳だ。
 これから考えても、3kgで80kcalだから、27[kcal/除脂肪体重1kg]である。

 ということで、なる程、除脂肪体重1kgで基礎代謝は30[kcal]程変化するのだな?と考えていた。
 実際、この自転車最強願望少年と自分を較べると、彼の体脂肪量が56[kg]×0.15[%]=8.4[kg]であり、自分は体脂肪が0.7kg少なくて体重で11kg多いのは除脂肪体重でいうと11.7kg上回っている訳であり、基礎代謝に直すと11.7[kg]×30[kcal/除脂肪体重1kg]=350[kcal]となる。彼の基礎代謝が1300[kcal]だから、それに350[kcal]を加えると、ピッタリ1650[kcal]となる。

 なるほど!ガッテン!!である。ただ、注意が必要なのは、これは除脂肪体重ということ。代謝を生むのは筋肉に限らない。各種臓器も含まれる。そういうものである。だから、基礎代謝を30[kcal/筋肉1kg]という数値で割って出た数値が筋肉量とはならない。それは、全てを筋肉に置き換えたら?という仮定的な数値という理解を忘れないのは当然だ。

 因みに、彼はヒルクライムには軽い方が良いから体重を増やすどころか、落としたいそうなんだが、根本的に同等の身長の人に較べると、脂肪量は同じ程度で除脂肪体重が3~4kg少ないのだから、増やせる除脂肪体重、つまり筋肉を増やさないと話にならないと思うのだが、軽さに拘るという、、、、

 彼的には、ネットで拾ってきた競輪学校の偉い先生のマニュアルに従って何かしているらしいけど、そのマニュアルのメニューっていうのは、それを消化出来る人向けの資料であって、アンタがやると弊害しかないし、そのメニューの負荷値さえ決めれないでしょ?って警告したのだが、まぁ、頑張るらしい。取り敢えず、ネットとか雑誌っていうのは、不特定多数向けか、或いは、特定の誰かに向けての話しであり、それを読み手が自分の話と勘違いして取り組む部分では結構な恐さがある。指導者が等身大の自分を見て指導してくれて初めて価値が生まれるものであり、それが専門のスクールであったり部活であったりするのだが、大雑把な資料にある一般に!って言われている文言に自分が含まれていると思う事自体に不思議さを感じるところだ。

 まぁ、人事だからどうでも良いけど、実際には自分自身を表す数値を使って色々考えるのも楽しいモノだ。

 ところで、除脂肪体重とか筋肉の単位重量辺りの代謝については、

 http://www.nih.go.jp/eiken/center/q_ener3.html

 http://www.webleague.net/information/coach/qandadet.php?qandaid=2096&teachid=3

  http://pro.tanita.co.jp/tech/tn04.html

 に載っている。ここで興味深いのは3つ目のリンク、タニタのサイトである。基礎代謝と体重から体重辺りの基礎代謝である基礎代謝基準値である。これが自分の場合は、24.2[kcal/kg/day]であり、これが体年齢の根拠になっていると思われる。当然、除脂肪体重あたりの代謝量より少ないのは当然だし、身体が大きい程、つまり重いほど基礎代謝が多くなるのも当然。大事なのは体重あたり、除脂肪体重あたりで見る事である。除脂肪体重あたりで見ると、脂肪の少なさ、臓器の活発さも含まれる訳であり、それが体年齢という指標に結びつくということが理解できる。単に基礎代謝が高いから若いのでなく、重量あたりの基礎代謝が高いから体年齢が若いのである。重量あたりの基礎代謝の差は極僅かであり、基礎代謝の差は殆ど体重(体格)の差の影響なのだ。体年齢で若さを言いたいなら、非常に難しい事だが、軽くても重量あたりの基礎代謝を高めるような取り組みが必要なのである。

 此処までで思ったのは、筋肉を増やし、それ以上に体脂肪を減らし減量した上で、基礎代謝を増やすという行為の意味だけど、減量という事で体重が減ると言う事は、基礎代謝自体は減る可能性の方が遙かに高いということ。組成的に筋肉を増やしても体重自体が減っていれば、その差として基礎代謝を高められたとして、その量が極僅かということ。
 世間のダイエットネタでは、筋肉を増やして肥りにくい身体をゲット!というのがあるけれど、筋肉を1kg増やしたところで基礎代謝で50kcalも増えないのである。せいぜい20~30kcalだ。筋肉が5kg増えても100kcal程度の増加に過ぎない。筋肉をkgオーダーで増やすのは基本的には並ではないのだが、、、、

 筋トレというと、それでダイエットとか体重が云々というよりも、動かす訓練によって日常生活で不都合を感じる機会を減らすため!という意識の方が自然に見えるのは確かだ。
 実際、自分の筋トレは、自分の経験した事のある最高値に近い運動能力を近いレベルで今でも再現する事が目的であり、鍛えると言うよりも怠けた生活への適応、即ち老化を防ぐということだ。

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コメント

基礎代謝=筋肉量とは必ずしも言えないようですね。
基礎代謝に筋肉の代謝も含まれるようですが、その他も多いようです。筋肉自体の代謝は除脂肪体重の代謝より少ないそうです。筋肉以外の組織も結構活動しているようですね。

体脂肪については正確に測定してみたいですが、どんな方法でも完璧に求めることは難しそうですね。

投稿: 壱源 | 2009年12月22日 (火) 20時59分

実際はある程度体脂肪(20%以上?)が有ったほうが長生きするらしいですが、物心が付いてから肥満した事が無いので特に太りたいとは思いません(筋肉もこれ以上つけることは諦めました)

歳をとると基礎代謝が減って体脂肪が増えるらしいですが、自転車に乗ってるせいかずっと15%くらいです。

測定機器はオムロンの3000円くらいのやつですが、1度テレビで見た水没式の体脂肪測定がしてみたいです。

投稿: yama | 2009年12月22日 (火) 19時20分

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