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2009年12月26日 (土)

正直、スローピングデザインは嫌い

 小径車、折り畳み自転車で自転車に復活してから、乗れるジャン!って思いからフルサイズに移行したけど、その初っぱなのバイクがスペシャライズドのラングスターである。このバイク、結構活躍しているし、重宝しているし、気に入っているけど、、、、、どうにも好きでない部分がある。

 それは、、、、安っぽいアルミヘアーライン仕上げの、、、ではない。A1アルミとは言っても所詮アルミフレームの、、、、でもない。

 単純に、スローピングデザインのフレームというのが気に入らない。正直、この系統のデザインは現代の主流だけど、乗ってみて判ったというか、自分で得た感想としては、この形、好きでないのだ。

 このデザインのバイクは、多分、生涯に渡って手に入れる事は無いだろうと思う。最初で最後のラングスターである。まぁ、乗らないと判らなかったんで後悔も無いし、寧ろ、買って良かったとは思うけど、次の選択では有り得ない。実際、後に手に入れたフルサイズのバイクは全車ともホリゾンタルデザインの自転車である。将来、アルミフレーム等の自転車を買うとしても、カーボンのバイクを買うにしても、やっぱりスローピングデザインは嫌である。アルミフレームならアンカーのPA3のようなデザインが良いし、カーボンでもPHM7とかPHM9のようなデザインの方が遙かに好みだ。

 三角形を小さくしてフレームの剛性を高めるとか、色んな利点らしき説が飛び交っているけど、それでもスローピングのフレームは嫌いなのである。勿論、様々な利点が挙げられているのは知っているけど、個人の好みとして嫌いなものは嫌いなのだ。

 今の高性能、世界における供給国と重要市場の関係から考えると必然といえるデザインとは思うけど、どんな道具でも『良い』道具っていうのは、使い手に対する仕立てに尽きると考えている。それは、スーツでも然り、ゴルフクラブでも然り、バットでも然り、どんなモノでもそうだ。道具がどれほどに使い手の方を向いているか?使い手だけを見ているか?が道具にとって大事なモノと考えている。言ってみれば、工業製品、大量生産品とは別のベクトルにある工芸品、オーダー品こそが至上だという考え方だ。
 自転車なら、最高の品は、乗り手にとってのテーラーメイド、オーダー品であろう。次がセミオーダー、ここで言う、オーダーっていうのは歴史と伝統、実績を持つ者が押し付けるでなく、乗り手の個性を汲み取って見出すということで、ありきたりの押し付け数値で決めるというモノではないのは当然だ。次が乗り手と同じ民族をターゲットにしたマスプロダクションの国産品、後はどれも一緒って印象。
 大量生産を前提にすると、一つのベースから、どれほどの多様性を吸収できるか?が大事であり、その汎用性というか万人への適応の柔軟さを得るためには、調整幅が如何に大きく確保できるか?が勝負であり、その考え方が、大雑把なサイズで非常に広範囲の市場をカバーできる現代のデザインを作っている。その制約で生まれた機能の洗練が現代の高級車を作り上げたり、それを売るための商業的戦略の上で競技の世界に供給されているに過ぎない印象を持っている。

 少なくとも、最近の自転車は自分にとっては長く、サドルとハンガーの水平方向の距離も長い。もちろん、ステムの調整、サドルの固定位置の調整で取り敢えず的に乗れる形を得ることは可能だが、ステム長の変更は、そもそもリーチの調整のために行うものでないという考えからすると今一感が残る。どんなに乗り手のポジションをそろえても、自転車全体で考えると、自転車から見た乗り手の位置は、オーダーで作ったものとは大きく異なるものである。こんな思いを強くしたのは、乗車状態は同じ、ギア比も同じで、スローピング輸入車(ラングスター)と国産車(シルクR1)で乗り比べると、乗りやすさがまったく違う事を体感したからだ。他の部品が付いてないので、その思いはことさら強いもの。そういう目で見ると、構造的に、材料的に納得できない部分は凄く多いように見える。

 まぁ、スローピングデザインが嫌いというよりも、非常に幅広い市場で売る事を前提として、ポジションの適応性を高めるために採用したスローピングデザインが嫌いということ。大量生産によって全世界市場を売り場と考えたモデルが嫌いということ。その象徴として、舶来のスローピングデザインのモデルが好みで無いということなのだ。
 だから、ホリゾンタルが好きというのでなく、やはりホリゾンタルであっても世界市場をターゲットとしていれば嫌いなのだ。

 日本人という典型的な胴長短足体系が乗るなら、日本の由緒ある工房、日本のマスプロメーカーの作品こそベストというだけの話だ。

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