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2009年12月 7日 (月)

単車の醍醐味

 二輪車でも単車と自転車はまるっきり違う。
 最近は僅かな距離でも努めて乗るようにしているのだが、ガレージから出て団地を下る過程でもそう感じる事が多い。

 自転車に乗って爽快!って思うのは、やっぱり或る程度の負荷を与えて漕ぐという状態が必須である。漕ぐという行為で得られる結果に拘わらず、自分なりに漕いだだけで身体が暖まり、精神が高揚し、心地良くなる。自転車の場合は、取り敢えず漕いで走り回ればそれだけで満足感を得て楽しくなるという要素がある。無意識に、何も考えなくても楽しいという感じがある。

 しかし、単車に乗って爽快!っていうのは、乗っているだけでは、そう感じられる事は少ない。単車で爽快とか楽しいとかの感覚を得る状態っていうのは、より限られた瞬間だけのように思う。普通に運転していて楽しいか?というと、必ずしもそうではない。
 単車で楽しい瞬間というのは、積極的な操作を心掛けて実行した時に、イメージ通りに出来た時である。運転操作では、目から入る情報を処理して上手い具合に行おうとする訳だが、上手くできたというのは、情報から思い描く理想通りに出来たということ。入ってくる情報にしっかり対応するということ。瞬間瞬間の思い通り感というのが爽快感というモノに大きな影響を及ぼしている。爽快感=上手く乗れたという実感である。

 発進する。右折、左折、Uターン、、、、色々あるけど、その操作一つに意識を集中し操作を積み重ねる。家から出て最初のコーナーを通過しただけで、イイ感じ!って感覚が得られるのは単車ならではの世界。イイ感じ!って感覚を得るには、見た情報に基づいて、ブリッピングしながらシフトダウンし、それと同時に制動動作を行う。荷重は前に載せながらもハンドルの自由度は奪わない、、、そういうバランスを保ちながら身体を支え、想定する速度で狙ったラインを一発で処理するのに必要なアングルを瞬間的に作り出す。と、同時に、車体の安定を保つべくアクセルワークと四肢で車体の重心を整えながら立ち上がる。どんな速度域、どんな路面、どんな曲率であれ、見た瞬間に状況なりに併せて、実践する走りのイメージを作り上げて、適切に実践する。その実践が思い通りであれば、その瞬間に爽快感が湧き上がる。実際、どんな瞬間でもイイ感じに乗れているな!って思う事は多く、こういう感覚は自転車では感じた事がない。これこそが単車の醍醐味だ。

 自転車の場合、状況を処理して瞬間で対応するという要素は少ない。頑張るほど周りを見ていない場合が少なくない。しかし、単車では逆だ。高度な状況になるほど、周囲から取り入れる情報の精度を高める必要性が高まる。

 筋肉を始めとする身体の使い方は全く異質なもの。自転車の場合は、連続的な筋肉運動が主で、それを持続的に維持するような安定した呼吸の継続という感じだが、単車は違う。筋肉の運動は瞬発的で断続的な運動となる。呼吸も安定したリズムを刻む質とは異なり、大きな変動を伴ったモノとなる。因みに、峠に遊びに出掛けた時、単車を扱っている時に記録する最高心拍数はどのくらいか?っていうと、最高で180bpm程度にはなる事は少なくないのである。筋肉がどうこうよりも、緊張度が高いのである。速度の次元が全く違い、非常に多くの情報を素早く処理し、繊細な動作を過不足なく適切に行うという状況は自転車とは全く異なるものである。
 状況に対する判断を考えると、処理すべき情報量は圧倒的に多く、どんな状況であっても速度的には自転車以上であり、多くの情報を一気に処理して、適切に行動するというのは、予想以上の負荷なのである。

 そんな訳で単車の醍醐味というのは、どんなに自転車に割く趣味時間が増えても色褪せない。自転車に乗る時間が増えるほど、単車の面白さが再認識される。
 不思議なモノである。

 昨日、レースクイーンから転身してフォーミュラレーサーになられた方の特集をやっていた。彼女の運動スケジュールは、基本メニューが水泳3km、自転車100km、筋トレという、、、これって、男性でも続ける事は難しい。
 先日、伊藤真一選手のレース中での心拍数の話がテレビで紹介されていた。最高で200bpmというレベルになるという。
 メディアで紹介されているのは一部だけど、職業とするモータースポーツの選手の身体の鍛え方は並ではないのだ。

 勿論、そう言う事が絶対必要か?というと、競技者でない限りは必要でないかもしれないが、競技者が垣間見る世界に踏み込む時には、やはり必要性があるから皆鍛える訳だ。趣味の世界のライダーであっても、そういう世界に入るには、そのための資質が必要な事を知っている人は少なくない。そういう世界を見たいがために、そういう資質に拘る人も少なくないのも事実。ただ、そういう世界は、資質無しでは見れないのも事実。そういう世界を知らない人が最近は多くなったのかな?というのが、スポーツバイクのユーザーの数とスタイルを見ての最近の感想だ。

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