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2009年12月24日 (木)

夢の扉

 日曜日夕方のTBS系の番組、『夢の扉』で中野鉄工所さんの自転車向け新製品開発の取り組みが紹介されていた。

 基本は、他では無いモノを作り出して生き残るというモノで、そこで生み出されたモノの紹介、今の取り組み、将来の取り組みを実製品を例にとり取り上げるもの。

 過去の成功例としては、エアハブって製品。これは、ブリヂストンの軽快車に装備されていたのは知っているけど、これが中野鉄工所の発明というのは初耳。ハブ内部にロータリーポンプを設け、走行することでエアを供給するもの。このポンプと供給ラインのレギュレータというか簡単なリリーフバルブで圧力を制御する構造で、エアの無い状態からスタートして、30分程で適正エア圧になるというのが紹介されていた。これは、経済産業省のものづくり関係の表彰も受けたそうだ。
 なお、この発展形態としては、エアハブとハブダイナモをハイブリッドする取り組みも紹介されていた。

 今の取り組みとしては自動変速システムである。これはシマノのネクサブが行っているような電池を用いた8段自動変速のような日本的な方法とは異なり、もっとシンプルな方法で、発進時におけるトルク不足によるフラツキの解消のみをターゲットに絞った二段変速システムである。特徴なのは、変速システムを自動にするのでなく、変速器という概念とは別の概念で変速させるようなモノ。つまり、内装、外装の変速機は持っていないもの。
 外観的には全く変速機の存在が見えないものなのである。二段変速で発進時のみLOWで、走行するとHIGHに切り替わるシンプルな動作だが、これの実用化の過程が紹介されていた。これもブリヂストンの自転車に商品として搭載されており、『楽スタート』という機能で実用化されている。
 機能は停止から車輪二回転迄は低速ギア、その後はワンウェイクラッチによって通常ギアに切り替わるモノ。低速への切り替わりは車輪の停止した時のみで、通常になるのが車輪二回転後というもの。つまり、走行段階では常に通常ギアというもので、自動変速というよりも、発進アシストといった方が適切かも知れない。

 これ見て感心したのは、作り手が使い手の問題をシンプルに見抜くという点。アレもコレも的な発想では生まれないコンセプトだ。オバチャン=空気入れない、実用自転車の危ないのは発進時のフラツキ、、、、、それに特化して、それを極力シンプルに解決するというのが素晴らしい。

 この問題をシンプルに抽出して、なるべく簡単に解決する。解決はスマートな程素晴らしいけど、そういう方向での取り組みっていうのは、最近は見かけなくなってきたように思う。
 実際、自動車で燃費対策といえばハイブリッドという感じだけど、あれは如何にも日本的なメカニズムの博覧会状態だ。もっとシンプルに、もっと単純に、、、そういうのがカッコイイ。エンジンのバルブタイミングの話では、最近は可変バルタイが常識だけど、昔はOHVのプッシュロッドの慣性による遅れを利用した可変バルタイっていうのも在った。必要な機能を絞り、それをなるべく単純に実現するっていうのが本当の天才の仕事だろうけど、そんな例は見かけなくなったような気がする。

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