« ダンベルシャフト、換えてみよう。 | トップページ | 痛みの移動 »

2010年1月27日 (水)

景気回復する?

 景気回復するか?っていう話。話の発端は、先週木曜のNHKでの番組紹介、紹介された内容の番組は日曜9時から放送されるMade in Japanの・・・・って話。

 番組の言いたい事は、

・デジタル化によってモジュールの組立で品質の差違が出にくい構造に変わってきた。
・日本企業は他者が開発したアプリケーションを利用して商売してきた体質がある。
・ユーザーの購買欲を刺激出来ない。必要な物が普及している。

 って事。

 確かに、現代の製品はパソコン的な物作りが普及してモジュールを組み立てる事で、だれでも製品を作る事が出来る。モジュール自体は特化した集積回路故に安価かつ誰でも作ることが出来る。このようなユニットの製造は機械化された工程で製造される。製造用機械は、日本企業を始めとする先行企業が開発し、既に製品化しているので誰でも利用可能。ユニットを調達して、工作機械を調達すれば、だれでも一定の性能の製品を作る事が出来る。出来た物に差違は殆ど皆無。

 何でもだけど、このような仕組みを考える所が商売の勝者、利用するところは常に競争に曝される。デジタル的(モジュール的)な物作りの考え方は、米国発の思想。それ故に、その思想に乗った人は全てがユーザーとも言える。価値観の創造が一番重要だけど、日本が一番苦手としているのも事実。

 最後は、購買欲を刺激出来るか?だけど、番組では東芝が8画面同時録画可能な超高機能テレビの開発で生き残りを掛ける例が紹介していたけど、テレビに100万円を掛ける意味というか、ユーザー層が存在するか?という根本の部分がずれている印象。年間で1000台出荷を見込むといって、1000台×100万円=10億円?程度のモノ?っていうのが正直な感想。チューナーを8台搭載して共同開発したセルプロセッサで処理して、、、、っていうのは、よくやるよ!とは感心するけど、だから何?って感想になるのが偽らざる感想だ。

 やはり、安価で欲しいと思わせる物でないと普及しないし、アイデアというかアプリケーションのコア、鍵を生み出さないと話にならないというのが正直な感想だ。

 今、デジタル家電、自動車等々を見ていると日本企業が生き残る可能性は極めて低いというのが正直な感想である。そういえば、100年予測って書籍がある。そこには、21世紀はアメリカの時代とある。この書籍の物語の結末部分は別として、100年というスパンで見ると、それはその通りだと思う。如何に新興国が経済発展を遂げようとしても、それは数字のまやかしだ。最初が困窮の状態だから発展率を見ると凄まじいが、絶対値的な発展は鈍化するし、その発展のパターンは戦後日本の辿った道にオーバーラップする。
 そう、先駆者の作ったアプリケーションに乗っているだけで、己で価値観を作らないからだ。

 日本企業が追随者を生むような価値観を生み出す事が出来るか?が今後の未来を占う大きな鍵になるように思うのだが、それは、先述のNHKの特集番組でも言われていた事。アプリケーションを生めなければ、その利用で生み出す物の価格での勝負が強いられるのだが、それで何処まで持ち堪えるか?が未来を占う。

 日本の国民性での唯一の武器は何か?というと、『配慮』である。配慮、細やかさ、気配りが、故障の少ない製品を生みだし、故障した製品の面倒を見てきた。この配慮をコストに転嫁しない奉仕性が唯一の武器である。現段階では人件費等々を見れば価格的に新興諸国と対向できる製品は皆無だが、時間が経てば、価格差は減少していく筈。その状態で、如何に無償の奉仕の精神を保つ事が出来るか?に掛かっているように見える。

|

« ダンベルシャフト、換えてみよう。 | トップページ | 痛みの移動 »

コメント

 こんばんは!同じジャンルで競うには何か特異性、優位性が無いと商売にならないでしょうね。
 どこに特徴を見出すかが既存企業の生き残りを左右しそうです。
 ホントは、競う相手がいない新しい価値観を見出す事が一番ですね。

投稿: 壱源 | 2010年1月27日 (水) 20時55分

どんなにいいものを作っても、保障期間が切れると不具合を起こしてしまうタイマーが付いているみたいな製品作りをしていては駄目ですね。基本的な部品(電気製品ならコンデンサー、トランジスター、基板などと設計の余裕)に手間隙掛けている物ってなかなか壊れないですね。またはスーパーカブみたいなもの。日本が生き残る道はいろいろありそうです。

投稿: クマ | 2010年1月27日 (水) 19時03分

 そうですね。多数がモノに何処まで求めているか?を見誤ると、非常に厳しいですね。
 電気炊飯器に10万円かけるか?エアコンに100万円、ファミリーカーに1000万円かけるか?を考えると、100万円のテレビは否定しませんが、誰が望んでいるか?が見えにくいものですね。

投稿: 壱源 | 2010年1月27日 (水) 08時49分

東芝の多チューナーテレビをテレビで見ました。

あれはLEDバックライト含めて確かにすごい、ですが
年間1000台では多分儲からない(ホンダNSXと同じような存在?)し、庶民にはあまり関係のない商品だと思います。

おっしゃる通りこれからコストダウン(スペックダウン)して如何に普及させるかにかかってるでしょう。

投稿: yama | 2010年1月27日 (水) 08時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 景気回復する?:

« ダンベルシャフト、換えてみよう。 | トップページ | 痛みの移動 »