膝が痛い?
これって、最近のスポーツサイクルユーザーにとっては結構な悩みみたい。
このキーワードで検索する人も多い。自身は、膝も腰も尻も痛くないから気にしないけど、痛くない理由もあるし、痛いのは何故?って思い浮かぶ部分も少なくないから書いてみる事にした。
一番は、膝が痛い話。膝の痛みの多くは重いギアを踏むから!って言われている。
果たして、それが全てか?ホントか?というのが第一。
重いギアを踏むっていうのは、ペダルに掛ける力が大きい場合を言うのである。で、その重さが過激に増えた状態は、誰でも経験する立ち漕ぎである。立ち漕ぎは誰もが幼少の頃から経験しているのだが、それで膝が痛い事を訴えるって、、、、自分自身、聞いた事がない。確かに重たいギアを踏み続ける事でダメージを受けるのも事実だけど、他の考えだってアリである。
それが、自分に膝痛に対する考え方で、重いギアが膝を痛める唯一の主要因とはならないという説明の一つになっている。
では、他の可能性として、何が痛みになるか?を考えてみる。
痛みの質も多いけど、関節の痛みの多くは、圧縮方向で無く、引っ張り方向に脆いのだ。良くある例が、野球での肩や肘の抜けなんかもそうだ。自分も大昔に球数過剰で肩がダメになったことがあるけど、この肩は未だに治っていない。案外、関節は抜け方向に弱いのだ。
これをペダリングに置き換えてみる。
膝の痛みを訴えるのは99%がロードバイクユーザーだ。ロードバイクユーザー、それも形から入る人の99%はビンディングを使っている。引き脚が効率的という、まことしやかな説明を真に受けての人が多いけど、現実、そうだ。
そして、多くの店の説明では、結構サドルを高くしてセッティングしている。これも、脚をしっかり伸ばした状態迄使う事で筋肉を大きく動かして、大きな出力、効率的なダイエット効果なんて、わかりきったような理屈で説明している。ホントにそうか?それは、理屈を言う人の実体験に基づいたモノか?と言う事を考えると、甚だ疑問なのである。
高いサドル+固定した足がもたらすもの、、、、それは、乗車時における脚が半ば強制的に伸ばされているのである。それは運良く関節の限度内なら良いかも知れないが、関節の自由角度を超えた状況を作る状態だってあり得る話なのだ。脚の長さでクランク下死点~サドルトップの長さを決めるのは結構危険なのだ。脚をフリーにした時の関節(膝、足首)の角度が人によって違う訳であり、脱力時における自然長を越えるストロークになると稼働部や筋肉には引っ張りの負荷が掛かり続ける。特に、高回転ペダリングでは、その引っ張り負荷を常に受けるのである。身体が硬く、足首が硬く、必要以上にサドルを高く、脱力が出来ないのに足を固定する、それで高回転ペダリング、、、これは、クランク下死点において関節に負担を非常に激しく与え続けている。
重くても立ち漕ぎで問題が起きる事は無い。何故ならば、下死点においても力が押す方向に掛かっているから、、、、ペダリング的にはロスが多いけれど、身体の筋肉の負荷を受ける方向で弱い方向である引っ張り方向での負担は無いのである。
自身、ビンディングやストラップを初心者に勧めるのはナンセンスだと思っている。それは、転倒の危険以前に、上述のような考えがあるからだ。個人の体質、体格、柔軟性に応じた足の自由長に会わせたサドル位置の見極めが必要なのだ。そのためには、足を伸ばした時に脱力してペダル抗力を限りなくゼロに出来る最も低いサドル高さを探すことが先に必要だからだ。効率良く出力を取り出して踏めるようになるには、脚自由長を長くできるような柔軟性が必要だが、その程度は人それぞれなのだ。乗り始めた時点における脚質に応じたサイズを見極めるのが先決なのである。見極めた上で、足を固定するので良いのである。見極める前、位置が決まる前に固定して乗るっていうのが本末転倒なのである。それが痛みを呼ぶ一つの原因と考えている。
ここでは、では数値的にベストはどうやって決めるか?ベストな数値で得た位置と脚の相対位置毎で何を留意すべきか?留意する際に必要な、鍛えるべき要素は何か?といっの持論迄は書かないけど、サドルは、関節を守るには低い方が良いけど、回転と効率を高めるには高い方が良い。そこにリスクが存在していると考えている。そのトラップに嵌るという事、それは、流行の高ケイデンス志向になると必然的に高くなりがち、それが関節を痛めるリスクを高めている、、、、そんな風に見える。
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コメント
そうでうね、分相応のギア比は膝を痛めると思います。
次は、立ち漕ぎを含めた重いギアで膝を痛める時についての持論を記事にしてみます。
ただ、重いギアでも立ち漕ぎする時より、座り漕ぎをしている時の方が膝へのダメージは大きいように思います。
投稿: 壱源 | 2010年1月 1日 (金) 23時16分
立ち漕ぎは格好悪いと個人的には思うので、改造シングル車で坂道発進のときくらいしかしません。
シングルでゆるい坂をずっと立ち漕がなければ登れないひとは明らかに分不相応なギア比なので、下げないといつか膝に来るような気がします。
投稿: yama | 2010年1月 1日 (金) 07時49分