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2010年3月25日 (木)

放送記念日

 放送記念日の特集番組で、ネットが既存マスメディア媒体の在り方に大きな影響を及ぼしている現状が紹介されていた。

 ネットの普及で新聞購読しない人が増え、テレビの視聴も減っているという。そして、米国では廃刊に追い込まれた新聞も数多くあり、ローカルテレビ局もオリジナル番組が作成出来ず系列局の番組の繰り返し放送しか出来なくなった局も多いという。

 このような状況は日本に訪れるという危機感から、既存のマスメディアを司る企業は、コンテンツを電子媒体に移植し、更に多くの情報を提供できるような配信形態を探っているという取り組みも紹介されていた。

 番組の出演者、視聴者意見の紹介を、聞いて思ったのは、既存マスメディアがネット媒体に乗っかる方向に進んでいるという事。これは、単純に媒体の変化に対応しているだけの取り組みであり、結果として、媒体としてテレビ、新聞からネットにシフトする戦略であり、そのこと自体が、既存の配信形態を失う序章のように見え、結局は、新聞、テレビの存在価値は無くなるのかな?という印象を持った。既存のメディア配信側が、ネットの世界に組み込まれるという流れにしか見えなかったのは気のせいだろうか?誰が書くか?情報の整理の仕方は?という点で既存メディアを養護する意見もあったけど、そんな事は小さな問題であり、新聞の内容をネット媒体で伝える事自体が、既存の新聞という意味が無くなるのであり、仮に、媒体を紙から端末に移す事に成功し、新聞社が生き残ったとしても、それは新聞という媒体が生き残った事にはならない筈だが、その辺は、皆どのように考えているのだろうか?

 個人的な考えでは、情報の性質が異なるのであり、較べる事はナンセンス。ましてや、ネットに乗っかるというのは主従関係において従属的になる点で、既存マスメディアの負けを意味しているようにしか見えない。両立するには価値を高める必要があり、ネットに組み込まれるのでなく、ネットを利用するという発想が生き残りに必要な事かな?というのが個人的な感想だ。

 従来のテレビ、新聞では、記者が深層を追う事でニュースが成立する。記者には担当が存在し、それ故に深層に迫れるのがメリットなのだ。その当たりはずれは、深層がニーズ(読者の関心)を捉えるか?であり、捉えられなければ負けなのだ。
 ネットでは、深い必要な無い。浅く、広く、数多くで即時性勝負の世界である。ネットで求められるのは即時性、簡易性であり、ネットという双方向性と情報発信に参加する人の数の多さがネットの最大の魅力なのである。

 その質の違いを考えると、電子媒体でありながら、即時性、速読性、簡易性が無いような報道に見込みがあるか?というと非常に厳しい印象だ。既存の新聞やテレビのメリットは深層だが、それを外す事が存続を危うくしてある訳であり、ニーズ発掘の収集手段としてネットを利用する等でネットに乗るのでなく、ネットを利用して消費者ニーズを外さない方向性の獲得こそが大事ではないか?と思ったりする。

 テレビだろうが新聞だろうが、ニーズや関心の高まりを収集し、その関心度や意見に沿った深い記事をテレビや新聞で報道する事で既存のマスメディアとしての存在意義が活きてくるように思う。
 Yahooの参加型天気予報なんて良い例だ。居住者が天気の状況を報告し、それを発信する。そういうネットの即時性、双方向性を利用した情報の再配信は上手い利用例だと言える。

 事件や事故、政治、経済の事実をリアルタイムで知らせ、世論同行を収集し、その収集結果に即した結果を既存報道媒体で再配信する。再配信では発信元情報の紹介も踏まえれば一方向発信になりがちな既存マスメディアに読者参加の特徴を付加する事も出来たりするように思うのである。

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コメント

>yamaさん
そうですね、懐古賞賛過剰な人の多くが新しいモノアレルギーな場合が少なくないですね。
でも、新聞とネットというのは、新旧で論ずる以外の違いもあるように思います。
>クマさん
テレビ、ラジオっていうのは発信された情報を見る、聞くという受動的動作のみで収集できるのがネットと大きく違いますね。
情報の選択を行為で行うか、感覚で行うかの違いは、情報に対して、接しないで先入観で判断するか、触りを聞いて判断するかの違いで、後者の方が取りこぼしが少ない気もします。
そういう意味で、テレビ、ラジオっていうのは生き残って欲しいですね。

投稿: 壱源 | 2010年3月25日 (木) 23時14分

情報得るのに新聞とラジオを活用している一人です。
新聞は読み終えたあとの利用も出来るので、まだ取っています。災害時は寒さをしのいだり、燃料にしたりと使えますし。ラジオは国内も海外も、電話、FAX、eメールを使い、聴取者との双方向性を利用した番組も有るので、今後も生き残って欲しいです。テレビはもう10年まともに見ていません。報道特集等は魅力有りますが、テレビショッピングはみても仕方有りませんね。

投稿: クマ | 2010年3月25日 (木) 21時35分

新しいものが出てくれば古いものが廃れていくのは至極当たり前ですね。

私くらいの世代になると、よくわからない論理で古いものを過剰に評価するひとが出てきますが、その理由のほとんどが単に新しいものを知らないだけなんです。

ネットは新しいように見えて、動画サイトのソースの多くが過去の映画やテレビ番組の映像だったりします。

投稿: yama | 2010年3月25日 (木) 19時56分

旧来メディアが形態の持つ固有性を発揮出来るかどうかが淘汰に残るかどうかを左右しそうですね。

新聞でもネットと同じ内容を紙面で、、、ではダメでしょうし、テレビも放送コンテンツの繰り返し再放送ではダメでしょう。

現実、局数の増えたTVも再放送+通販では何の魅力もありませんですし

投稿: 壱源 | 2010年3月25日 (木) 07時56分

新聞ははるか昔に止めたので、実家に帰ったときくらいしか見ませんが、近眼で老眼なのでいちいちメガネを外さなければならないのが面倒です。

新聞週刊誌等はネットで代替できるのでまったく必要は無いですが、テレビラジオはこれからも必要だと思います。(装置としてではなくメディアとして)

投稿: yama | 2010年3月25日 (木) 07時29分

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