RACERSで2ストを懐古する。
週末、ショッピングセンターの書店に出向いた。
目的は特になくブラブラ、、、、で、目に付いたのがRACERSって雑誌だ。この本、以前から気になっていたのだけど、Vol.1がリリースされた後のVol.2販売時に見つけたので、Vol.1から買わないなら必要な号だけ買おうかな?って買いを見合わせていたモノ。
そんな時、陳列棚の片隅にVol.1の文字、、、、HONDAのGPマシン版である。ということで、現在発売中のVol.2と併せて購入した。
Vol.1では1983年のGP500マシンであるNS500を中心に紹介されている。ホンダのGPマシンというとNSR500が有名だけど、NR500から勝てる2スト、他メーカーとは異なる選択でV3のNS500っていうのは特徴的なモデル。それに、GP500の歴史におけるケニーのYZR500とスペンサーのNS500の闘いが印象的であり、後にも先にも、あの時代の激しさは見た事がない。そんな一時代を気付いた一方の雄であるのが、このNS500なのだ。
この雑誌を見て思ったのは、当時の500クラスへのエントリーの多さ、観客の多さ、、、これは現代のMotoGPのレース風景を遙かに凌ぐモノ。
この時代、良かったなぁ、、、、と、ふと考えたりした。
因みに、NS500レプリカであるロスマンズNS400Rは、今のCX改を入手する前迄乗っていたモデル。特徴的なV3ではあるが、NS500とは配置が逆のモノだったけど、NS400Rのスクリーン越しにNS500気分を空想していたのは確かだ。当時、RG400ガンマに乗っていたけど、雑紙ではNS400対RG400ガンマ、どっちが速い?なんて特集が多かった。それを確認したい為に買ったのがNS400Rだ。それで、当時の結論は中~重量車のガンマ、軽量車のNSって結論。乗った感じ、ガンマは500cc以上、下手するとナナハンクラスのような感じを受ける一方で、NSは250cc以下のような印象。スペック重量的にはガンマの方が10kgくらい軽かったけど、ボリュームは違った。実際、走った印象は、中低速ならNS、中高速ならガンマという自分なりの答えだったのを思い出す。その後、RZV500R等も買ったけど、当時の嗜好で言えば、RG500ガンマ>NS400R>RG400ガンマ>RZV500Rって順序だった。
因みに、Vol.2はイエローデイトナカラーのケニーのYZR500の解説本だ。3/24発売予定のVol.3は恐らく、シュワンツのペプシカラーのRGVガンマだろう。ケニーのYZR500は1980年頃、シュワンツのVガンマが日本GPを制したのが1988年だ。
1980年代のGPシーンは、物語に富んでおり、今でも色んな名勝負が思い出す事が出来る。そういう時代だったがために、その面白さに注目が集まり、それがレプリカブームに繋がった一つの要因になったのかもしれない。
ところで、このRACERSって本にしてもだけど、2ストロークGPマシンの雑紙等を見つけると、つい買ってしまう。掲載されているモデルは現役時では、見る事の出来なかったカウル内の写真がじっくりと見れる。
そして思うのは、現代のMotoGPマシンや普通の市販車改造レーサーのストリップ写真とは全く違う雰囲気。2ストロークバイクは4ストロークとは何だか違うのである。どっちも機械の筈だけど、2ストロークバイクっていうのは、特にストリップ状態にすると艶めかしいというか、生き物のような雰囲気というか、独特の感じを受ける。
恐らくだけど、その生き物感というか、そういうのを醸し出しているのは、表現+再現が非常に難しいチャンバーデザインあってのものだろう。車体の中で大きな視覚的ボリュームを持つのがチャンバーだ。このチャンバーは複雑な局面形状であり、まるで生き物の臓器のようにも見える。この何とも言えない形状が、見た目的な2ストロークの特徴だ。
チャンバーっていうのは、構造的には金属の袋状の管だけど、その形状一つで、パワーフィールから何まで非常に大きな影響を持っている。2ストロークの命の一つとも言える素材だけど、その大きな影響が、非常に単純な構造で実現されているのが、また、凄いのである。
今の時代、2ストロークバイクに乗った事のある人の割合はどんどん減っているだろうけど、これに虜になると、、、、なかなか逃れる事が出来ない。エコ?環境?そういうのは、頭で考えれば判る話なんだが、本能に訴える点では、2ストロークの楽しさに勝るモノは無い。確かに、2ストロークは燃費悪いし、クサイし、汚いし、五月蠅い。でも、そんな事はどうでも良いって思わせる程の楽しさがあるのも知っている。そういう2ストロークが活躍していた時代が、活字という形ではあれ、雑紙等という形で紹介される。される度に、懐古し、つい買ってしまうのである。
| 固定リンク
コメント
あのチャンバーの形、なんとも言えませんね、、、見ているだけでエネルギーを感じるのは、多分、自分は2スト中毒患者なんだと思います。
最新のデバイスてんこ盛りの4ストっていうのは、確かに高性能でしょうが、なんだか冷たい感じがします。特にマルチエンジン車は、パワーフィールから何まで、生き物感が足りないように感じます。
投稿: 壱源 | 2010年3月 3日 (水) 23時52分
解ります。
チャンバーのかたち、芸術的にも見えてしまいます。
今、乗っているジムニー(SJ30FM)は速度、出力的にはGPマシーンとは真逆な2ストですが、低い回転数で必要なトルクを出し、しかも全体に軽いと言う点で、最適な組み合わせと思っております。大きな出力の4WD車がはまって動けなくなる所でも、じわじわ進める。軽い4WDの醍醐味です。
投稿: クマ | 2010年3月 3日 (水) 22時57分