ピストでヒルクライム
ピストで定例のヒルクライムを行っている。平均斜度は12%の区間が550m、15%の区間が100mがメインだ。ここで使う機材はラングスターで、ロールアウトは5.42m、チェーンリングが44T、コグは17Tである。世間でよく見る42T×16Tよりも軽いギア。場合によっては、48T×18Tで走る事もある。それでもロールアウトで5.58mだ。
5.5mというと、90rpmで30km/h弱である。60km/h出そうと思えば180rpm以上が必要で、登坂の場合は15km/h以下迄下がるので45rpm以下となる。この範囲がパワーバンドで、一番具合が良いのが120rpm近辺、つまり40km/h近辺ということである。
そういう具合が良い状態から見ると、登坂時の45rpmっていうのは如何にも低回転なんだけど、この45rpmをキープすれば、結構楽に登坂出来る。トークリップでペダルを引き上げる感覚なんて皆無だし、ハンドルを引っ張る感覚も皆無である。どちらかというとハンドルを前に押し出す感じである。ペダルも引くのでなく、クランクが水平近辺で大きなインパクトを与えて漕ぐ感覚だ。漕いで踏み抜かず、漕いだら次に反対の脚で漕ぐ準備というか、そんな感じ。漕ぐ時には半身毎にペダルにウエイトを載せる感じ、つまりハンドルを引くのでなく、ハンドルを押す感じである。そうすれば、イメージとして飛び跳ねるような感じで坂を上っていける。当然、立ち漕ぎ状態なのは言うまでもないけど、兎に角、踏むべき瞬間にしっかり踏むという意識を持てば、上り坂の割りに、このギア比の割りに回転数が高いように思う。
ところが、速度を下げていく、例えば一桁速度になると、全く逆となる。ハンドルは引くし、ペダルもストラップ任せに引っ張り上げる感じとなる。これでは、力を入れている割りに進まない。疲れる。力を入れる時間が長くなる。
正直、ヒルクライムでは速度とリズムが必要。軽すぎるギアもダメ、重すぎるギアもダメ。自分の脚力でインパクトを加えてクランクを一定の速度で回転させる事の出来るギアを勾配に応じて選べないと話にならない。
ギアは軽すぎても、重すぎてもタイミングが計れない。平地高回転でも登坂低回転でも、負荷に応じてタイミングが作れて荷重、脱重のリズムが作れるギアでないとダメである。登坂=軽いギアが必要っていうのは、多分、幻想だと思う。
昨年のサイクリングで、後に何台かのロードを引いて川沿いを巡航していたけど、少々の登りでも同じ回転数で同じギア比で走る抜く事で、簡単に千切る事ができる。負荷に応じて軽いギアを選ぶと間違いなく速度は失う。負荷に負けない回転力を持つ事が大事だけど、軽いギアを選ぶ癖が身に付いてしまうと、負荷に負けないトルクを維持する力の入れ方っていうのが見えなくなる。そういう意味で、ギア比が選ぶ事の出来ないピストバイクのようなものでヒルクライムして遊ぶは、とっても大事では無いだろうか?
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コメント
そうですね!慣性を如何に利用するか?が、坂道のコツですね。
投稿: 壱源 | 2010年5月27日 (木) 01時09分
ピストに乗ったことは有りませんが、必要充分な装備で元々の安全自転車と同じ印象で伺っていました。
変速機無しで登り続けるのは、ライダーの力量が大事そうですね。ある程度のリズムと速度が必要な事から、坂道で停まろうとする抵抗、慣性を超えれば良いのですね。速度が乗ってくる感覚でしょうね。
投稿: クマ | 2010年5月26日 (水) 16時28分