サドル
サドルが壊れる系の記事へのアクセスが最近多いようだ。
サドルが壊れるという話と、尻が痛いという話、実は表裏一体である。どちらも接触部における力が原因なのだ。だから、サドルが壊れるのも、尻が痛いのも言ってみれば無駄な力が接触部に作用しているに違いないのである。
恐らく、理想的には、サドルも壊れず、尻もレーパン、パッドに頼らずとも痛くないという状態だろう。
しかし、重力のある世界で体重を支えるのは、ハンドル、サドル、ペダルの三点であり、そこで接触している限りは抗力が発生し続けるのであり、仮にサドルに抗力が生まれなくても、体重をハンドルとペダルで支える限りに於いても無意味なのは言うまでもない。
理想のペダリングというのは、体重の保持を三点の局所に負担が偏らないのが理想なのである。力が発生しないというなら体重がゼロでない限りは有り得ない。
更に、上体、下肢の筋肉の動きでペダルを回す行為自体は、支点、作用点という考え方からすれば、一端を固定しないと多端で動力は伝える事が出来ない。三点での接触、上体の筋肉の導入ということになれば、上体の筋肉の下肢への伝達というのは、上体の筋肉を直接的に使う訳ではなく、上体の筋肉の動きを支点を介して下肢に伝える訳であり、その支点としては、身体の固定位置故に、重力+αの力が身体を保持する箇所に作用するのは明白である。
そこで、尻の痛み、サドルの破壊という事になる。
で、サドルの破壊というのは、局部であり、言ってみれば力の繰り返し作用が一カ所ということであり、支点位置が固定されているということ。サドルが壊れずに尻という面で痛みを受けるというのは、支点位置が広い面積となっているということ。その違いに尽きると言える。
自身も壊れるサドルはピストバイクばかりであり、ポジションが固定された上に、走り続けている限りは脚は動き続けているもの。これを長時間乗るという行為で発生する現象である。ロードバイクとかミニベロでは、どうか?っていうと、さすがにサドルが壊れた経験は無いけど、少なくとも、痛みは皆無である。自分の考えでは、ロードバイクレベルでの尻の痛みというのは、サドルの疲労破壊限界より遙かに手前の負荷によるものであり、その痛みの理由っていうのは、ペダリングにより無駄な摩擦とか、接触部における力の掛かる向きに無理が掛かっていると考えている。
ただ、ペダリングによる尻の痛みに対しては、下肢のポジションの決め方と、ペダリングの意識付けが最も重要と考えている。用途、乗り方に合わせた違和感皆無のポジション出しと、ペダリングの意識こそが最重要だと思う。実際、サドル、ハンドルやステムといったパーツを交換しただけで、違和感の無い位置を見つけるには、大雑把な位置決めでは定まらず、少し乗っては調整と言う事が不可欠だ。この辺りのシビアな意識を持つ事が大事だと言える。
人に作ってもらったポジションに乗るだけでは問題の解決にならないだろう。ポジションを選ぶ理由を自覚してこそ、意味が生まれるもの、、、、、自分はそう考えている。少なくとも、暗記的な行動、模倣、真似では何も見えてこないと思う。シビアな意識付けっていうのは、自分が信じる事の出来る理屈で自分に嘘を付かず自分を納得させることであり、そういう気分が大切だと言える。
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