« 肩を入れましょう | トップページ | 酒は麻酔薬か? »

2010年6月17日 (木)

何処まで掘り下げる?

 人にモノを教える時、それは結構難しい。

 例えば、塾の生徒が居るとする、、、、、ここが高校受験の塾だとすると、その塾の生徒に教える時、足し算、引き算が理解出来ない生徒に、足し算、引き算迄掘り下げて教える必要があるか?と言う問題。高校生に、小学校の内容迄振り返って教えるべきか?と言う問題とも言う。

 似たようなジレンマを抱える事が少なくない。

 大卒理系で入ってきた社員が居たとする。例えば製図を必須として成績を持っていたモノが居たとする。そこに製図を教える場合、企業のローカルルール、CADシステムのルールとか、管理規則、運用手順を教えるのは当然だろうけど、例えば、形状に何線を使うか?寸法線を、どんな間隔で書くか?を教える必要性は在るのだろうか?

 理系、現場実務系で入ってきた人に対して、機械の解体手順、組立手順、機械特有の調整のコツは教えるとして、工具となるドライバーとかスパナの使い方、回し方、力の下限迄を教える必要があるのだろうか?

 何事も、一般常識があり、その一般常識の上に専門知識が存在する。そして、その上に、方言的、固有的な独特なローカルルール的な規則が存在するのである。

 組織における業務というのは、ローカルルールの遂行であり、ルールのローカルさについては組織に属さないと判らないので、それは教え伝えられるべきものなのは理解できるけど、そのローカルルールのベースとして、例えば、賃金体系の基準となる経歴や学歴に基づいて働いているとすれば、その経歴に見合った専門性は給与を支払われる前提条件として知っていなければならないと考える事が多い。その分野で基本とされる専門性、専門知識というのは、経歴を謳っている以上、礼儀、マナーとして保たないと給与を貰う資格は無いのではないだろうか?

 これが、社会に出る準備過程にある専門学校等教育機関なら別かも知れないが、等しく給与を貰う労働者同士の立場に於いて、賃金根拠に基づいた知識を持たないというのは、口が悪いかもしれないが、詐欺行為に近いと思うのである。

 人によっては、そんな知識は知らないのが当然というスタンスで、その知っているべき知識、給与にはその分が含まれているにも拘わらず、それを教えて貰うのが当然、教えて貰わないと出来ないと言うヤツというのは、正直、存在価値が無いと思うのがホンネである。
 給与分に入っているであろう専門知識、更に遡ると一般教養やマナーというのは、殆ど企業で学ぶべき内容では無いと考えている。別に難しい事をいっているのでない。読み書きそろばんレベルだったり、挨拶とか、作業服の着こなしとか、そういうレベルの話だ。これは、各人の成長過程で身に付けるしかないのだ。

 時折、人と話していて、何処まで掘り下げて、遡って教えるべきか?というので、自問自答する事が少なくない。そして、何も判らないと自覚している人が、どうすれば出来るようになる?という質問をしてくる場合もあるけど、その際には、自分が幼少から過ごしてきた過ごし方を紹介するのだけど、殆どの人が、それは時間が掛かるから出来ないと言う。

 時間を掛けるから出来る訳で、時間を掛けず手間で省いて得たモノは、その程度のモノなのだが、それが理解出来ない時点で、終わっているような、そんな印象である。
 どんな人でも、理解するまで教えてやろうという意志は持っているけど、それは、理解の手順を素直に実践しようとする人に限るのである。こういう経験を積めば?という助言に対して、それはダメと省く奴が判らないと言っても、何故に教える必要がある?というのがホンネなのだ。

 言った事を素直にやる奴は、ホントにカワイイと思うけど、言った事をやらずに、教えてクレクレという奴は、追い込んでしまいたくなるのである。
 聞きようによっては酷い事書いているようにも見えるかも知れないけど、挨拶の仕方、電話の受け答え、制服の着方、言葉遣いに到る迄、色々な段階で、言われないと判らないって人は居ないと思っちゃいけないのだ。正直、自分の常識が他人の常識とは限らない。しかし、自分が常識と思う事で、人間として基本的な事も答えられない人に遭遇すると、どうしても、咄嗟の驚愕の表情は隠しきれないもの。その表情で、逆に落ち込まれたりすると、、、、時折、為す術無いなぁ、、、と思う事も少なくないのだ。

 まぁ、戯言だ。

|

« 肩を入れましょう | トップページ | 酒は麻酔薬か? »

コメント

そうですね、、、、そういう系には掃除を重点的にさせているのが実状です。
でも、最近は掃除が予想より早く出来ただけで誉めてしまいます、、、、。

投稿: 壱源 | 2010年6月18日 (金) 23時43分

 どうも、使えない人を見ると、掃除・片付けから修業していただきたく成りますね。本当に掃除・片付けで終わる方も居そうですが、全体を見渡せて、技も盗める良い機会です。

投稿: クマ | 2010年6月18日 (金) 15時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 何処まで掘り下げる?:

« 肩を入れましょう | トップページ | 酒は麻酔薬か? »