原点は冒険
ショップで、大勢の参加するイベントとか興味ないの?って言われて、回答したのが、「あんまり興味ないな!」って事だけど、その理由は、与えられたコースを走る事とか、人のプランに従うとか、或いは、他人との相対性の競技に出るというのは関心無い。
興味があるのは、自分で計画したサイクリングとか、集団で走るなら交流目的で同じ価値観の人と走るとか、競技なら純粋にタイムトライアルくらいなんだけど、その理由を考えてみた。
単車も自転車も好きだ。好きになったのは、自転車は小学生、単車は高校生の時からだが、どうして好きになったか?っていうと、自分の行きたいところに行けるから。好きなように、好きなところに出掛ける事が出来るというのが原点である。
初めて自転車に乗った時の事を思い出すと行動半径が著しく広くなった事が一番嬉しかったように思う。単車でもそうだ。自転車で行けた距離を大幅に超える事が出来るのが単車の最大のメリットだと思っていた。
そう言えば、自転車で長距離を走っていた時、どう接していたか?を思い出すと、コースを決めて、コースの詳細を調べるために国土地理院発行の1/25,000の地図を入手して下準備した上で、時間を逆算してプランを決める。プランを決めて臨むのである。自転車で300km/dayを行ったのが中学生の頃が最初だけど、コースを決めて逆算して、、、で、確か、午前3時に出発したのを覚えている。420km/dayを初めて実行したのが高校生の頃だけど、同じくコースを決めて逆算して、出発したのは午前零時だ。
単車でのツーリングでも一日600kmを計画した時も然りである。前日夜中に出発して夜通し走ってフェリーで仮眠、翌日を終日走行して宿に向かうなんて事も行ったけど、こういうのは全て計画してコース、タイムスケジュールを決めて行うのだ。
ツーリング、サイクリングの醍醐味っていうのは、実際に走るだけでなく、どのコースを、どういうスケジュールで走るか?を含めて吟味するところから始まっている。これが自転車、単車での冒険の楽しみだと考えている。
それ故に、全部揃えられたイベントに参加するだけっていうのは、何だかお遊戯というか、七五三のようで乗り気がしないのである。イベントで長距離走行に参加するぐらいなら、自分で計画して実施する方が楽しいのである。
これは、自転車でも単車でも同じである。
原点が冒険っていうのは、未知なる部分を明らかにするということで、距離を稼ぐのは、自分が距離を走るとどうなるか?を予測して実証する行為なのだ。出来たらOK、ダメなら次回!って事なのである。
原点が冒険というのは、距離を走る事に限らないのである。冒険とは予測を実証する事であり、距離を走るだけでなく、自分がどれだけ出来るか?を実証する事も含むのである。だから、距離を走るだけでなく、単車なら、如何に思い通りに操る事が出来るか?っていうのも、出来るのを確認するための行為であり、自転車でも狙ったコースを何分で走れるか?というのも同じである。いずれにせよ、漠然と行うのでなく、自分で行いたい、狙った結果が得られるか?こそが大事なのだ。
そういう意味で、参加に意義があるとか、据え膳でイベントに参加するとか、他人に着いていけたとか、誰より速いとか、そういう見方には関心が持てないのである。自分でどれだけ距離行けるか?とか、自分が距離をこなすのに時間を如何に短縮できるか?とか、自分が思い通りに操れるか?こそが大事であり、結局は、自分で目的を作らない行動っていうのには魅力が持てないのである。
| 固定リンク
コメント
>クマさん
冒険っていうのは好奇心の具現化と立証ですよね!そして、満足っていうのは、自分の望みが適った時に得られるモノで、逆に、自分に望みが無ければ達成感は無いかな?って考えたりします。
つまり、自分の尺度で自分の出来る事を思い浮かべ、実証する訳ですから、計画、検討も含めて冒険だと思う訳です。これが掛けていると、等身大の自分を計る事が出来ない訳だと思います。
>梅酒マンさん
自分が強いかどうかは別として、自分の状態を自分で満足しているのは確かです。満足しているのは、自分の思い描く事が思い通りになっているからだと思います。逆に、自分の満足は、自分の理想が適うか?であり、それは、他人に較べてという部分はありません。
競技自体は嫌いではありませんが、競技なら個人トラック競技とか、スイムが好きです。ロード系なら昔のドラフティング禁止のトライアスロンが好きですし、経歴的には、そういう方面で生きてきました。
他人の頑張りに刺激は受けますが、駆け引きを含み、偶発的な要素が大きく影響する順位系の競技には、最近は魅力を感じないのが正直なところです。
イベントサイクリング自体も嫌いではありませんが、どうせなら全てを自分で決めて行いたいと思う方が強いですね。
ところで、戸田真人さんの事でしょうか?この方、冒険家として凄い方でしょうけど、多分、本人は凄いというより、チャレンジに対して勝算が在っての計算ずくの行動のように思います。我々の物差しで測ると超弩級なんでしょうが、恐らくは精度の高い自分の物差しを持っているんだと思います。
そういう物差しが持てるという点、その物差しが周りと違ってもブレずに行動出来る点が、この人の凄さだと思います。
投稿: 壱源 | 2010年6月 1日 (火) 23時44分
私は壱源さんって本質的には(特に体力面かな)強いんだと思います。単純な意味で高校のときに一日に400km走るっていうのだけ見ても、他にそんな人いくらでもいるっていう話とは別に、強い部類に属するのではないかなと、私から見てそう感じます。
だから、一般の「規制の競技」に興味を持ちづらく、楽しみも見出せないから「お遊戯に見えて」魅力を感じないのではないでしょうか?私ももっぱらソロ行動ですが、これは壱源さんほどには強い価値観を持ってのものじゃないんですよね。ただなんとなくってやつです。だからブルベにも結構興味があったりします。ちょっと楽しそうだし(笑)。
まあ、同時に壱源さん言われるように「ただ長距離走るだけなら自分ひとりでもいいのでは?」というのにも同意します。私もこっちの思いのほうが強いかな。
今回の壱源さんの話を読むと、どうしてもアニマル戸田さんを思い出してしまいます。スタンスがよく似てると思います。ご存知ですか?
投稿: 梅酒マン | 2010年6月 1日 (火) 22時55分
そうですね。冒険の一つに計画・検討した事の実証も有りますね。私の最初の実証はハイキングでした。高低差が時間的にどう影響するのかがわからなかったので。ハイキングでのコース検討の習慣が、カブに乗るようになってから活かせました。休憩場所とか、撮影ポイント、燃料補給場所とか。燃料補給する心算の場所が休みだったり無くなって無くなって仕舞っていても余裕が有りました。計画通りに行かなくてもどうにかできる経験は他にも活かせますね。
投稿: クマ | 2010年6月 1日 (火) 21時47分