固定シングルでDHバー
ここ最近、メインサイトのラングスターのページへのアクセスが多いようだ。
別に大した内容は無いページだ。世間の流行から見ると外れである。そもそも、固定シングルでもスローピング・アルミフレームなんて不人気フレームで、ピストというよりもトラックレーサーである。これにDHバーなんていうのも、世間的には有り得ない組合せだろう。
このセットでセッティング云々については色んな意見があるだろうけど、正直、どれ程の人がTTバイクで思い通りの走りが得られているのだろうか?なんて思う事が少なくない。
因みに、このラングスター、ホリゾンタル換算でトップ長は538mmもある。これは結構長いのだ。ホント言えば、買う段階でワンサイズ下のXSサイズを買うべきだったのだが、情報不足と使い方の見込み違いでSサイズを買ったのが大きな間違いなのである。
自分がロードに乗る場合、股下、座高、大腿部長、関節の可動域からトップ長は530mmが基本である。これにステム長で80mmを加え、リーチで610mmだ。これをベースにシート角は74.5°として、サドルハイト、ステム落差を整えて組み立てていく。これが基本でアップライトにしたり、深い前傾を組んだりする。ロードバイクの場合、上体を前方から支える場合、手から肩迄の腕で繋ぐけど、大きな落差を得ようとする程に、BBを中心に身体全体を前方に回転させるイメージでリーチを微調整する。深い前傾度を得る程にフレームサイズは小さくなる傾向にある。その極致がDHバー装備の自転車である。DHバー装備の車体の場合、肘と肩で上体を支えるので上体の角度は、通常のドロップバー以上に深い前傾角となる。この前傾角は腰を曲げるのでなく、ハンガーを中心に前転させるイメージである。所謂、前乗りスタイルとなる。これを成立させようとすると、シート角は最大で1°程度は大きくなる。この上体でサドル自体は、ロードポジションに較べて10mmは前方に移動する。当然、身体が前転するので、サドル座面もロードポジションに較べて若干前傾する。
サドルの接地中心からBB迄の距離は一定だけど、地面からの高さ自体は、シート角が大きくなった分、高くなる。そういうスタイルである。
当初、ラングスターの標準はトップが538mm、ステム長が90mmもあったために、サドルを相当に前出ししないと厳しい状況であった。相当な前出しをすると実質シート角が必要以上に大きくなるというジレンマを抱えていた。しかし、今はステム長を65mmとしてリーチ自体は25mm程短縮して628mmから603mmとしてある。従来はサドルのセットバックを20mm程つけており、実質シート角としては76°近辺迄大きくしていたけど、今はセットバックは5mm程に留め、実質シート角は75°程度に抑えている。つまり、その分、サドルの前出しを減らしてある。リーチで603mm、これでセットバックで-5mmだから実質リーチは600mmを下回っている。そこで、この短いリーチに合わせ、サドルを少し高くして、ステムを反転してハンドル位置も下げてある。これで、乗車姿勢の前転度を大きくしてある。前転度が高く前乗り度合が大きくなると、当然、サドルトリムも大きめにしなければ理屈に合わない。そうやって作ったのが今のポジションである。
街乗りを完全に無視してやれば、シート角を更に大きくして前乗り度を高くして、ハンドル落差を更に大きくする事もできるけど、公道でのダイエット機材としての使用ということで、今のレベルに抑えているのである。
それでも、固定シングルでDHバーで実走で200rpmオーバーを想定していると、脚の回転に同期出来ない状態で尻跳ねが起こるのが非常に怖い事だし、回転を上げる程に前乗り度が高くなり、前転度も大きくなるので、サドル前端が股に当たると邪魔になるのだ。それ故に、トリムを大きめに付けている。特にDHバーのエアロポジションで状態のホールドを肘~肩だけで行う場合、身体はドロップバーと較べて自由度が失われている。この状態で尻跳ねはノーサンキューだし、回転が上がらなくなるのも本末転倒なのだ。
そういう意味で、リーチを短くし、落差を大きく取り、前乗り度を高めるというのは、決して不思議なポジションでは無いと考えている。この考え方が完全に普遍的な真実とは思わないが、少なくとも、このポジションを維持して100kmを3時間未満(2時間50分弱)で走りきれる訳であり、自分としては疲労が少なくパワーが持続出来るポジションだと考えている。
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コメント
そうですね。何事でもですが、大事なのは自分で考える。考えた事を試し判断するということです。
だから、考えない真似とか模倣では良否の判定が出来ません。
考える意志というのが、最終的に自分でやる力になりますね。
投稿: 壱源 | 2010年7月28日 (水) 23時39分
自分で弄れると、いろいろ試す事が出来て良いですね。目的に沿って使い良ければ当たりだし、使いにくくてハズレなら元へ戻せば良いし。失敗してもその理由が解り易いですね。決して無駄では無いですね。
投稿: クマ | 2010年7月28日 (水) 21時53分