血管の膨張収縮
毎日、定刻血圧測定を行っている。結果、通年で血圧数値は一定に近い。収縮期血圧が110~120mmHg、拡張期血圧が65~70mmHgということろだ。それに対して、心拍数(脈拍)は、夏場が55bpm前後、冬場が45bpm程度である。血圧数値は安定しているけど、心拍数は2割程度変化している。
心臓っていうのは往復動ポンプみたいなモノで、吐出量は、時間あたりのストローク数に比例するものだ。圧力が一定で吐出量が増えるというのは、結果として送り出す先の容積が増えているからである。つまり、心拍数、吐出量、血管容積は比例関係にある筈である。つまり、夏場は心拍数が1.2倍ということは、血管容積が1.2倍となっている。血管っていうのはチューブ形状であり、伸縮は内径方向のみと考えられる。つまり、容積が1.2倍と言う事は、断面積が1.2倍、つまり内径は√1.2倍、即ち1.1倍程度に拡張しているということだ。
身体の大きさは不変だし、体温自体も恒温動物故に大きな変化はないだろうけど、血管の内径は気温(体温)に連動して平均で1.1倍に変化している。何故か?って考え見ると、今更ながら気が付いた事がある。そう、身体の深部温度は体温一定だから殆ど変化していないのだろうけど、表層温度は気温に敏感に連動しているもの。つまり、体表面の温度は気温にほぼ連動していると考えられる。この心拍数の変化っていうのは、表層血管の膨張収縮によってもたらされる変化なのである。
ということは、平均で1.1倍と言う事は、体表面は相当に大きな変化が起きているのだろう。体表面の血管容積と深部の血管容積の比率は、定かではないけど、表層の温度変化によって心拍数が変化しており、表層血管の径は少なくとも1割以上は変化しているのである。気温の変化というと、冬場が10[℃]前後、夏場が30[℃]前後だから20[℃]の違いがある。20[℃]の違いで1割の変化、、、、考えてみれば、結構大きな膨張係数とも言える。
こうして考えると、低心拍の人は、夏場は貧血のリスクを抱える。高血圧の人は冬場の高血圧のリスクを抱える。
運動によって低心拍となっている人は夏場に運動を行わなければ低血圧となるだろうし、冬場には不整脈というか心房ブロックのような症状となったりする。普通に生活したければ、季節に依らず体調に不具合が生じない範囲に基礎コンディションを整えるという考え方が大事なのかもしれない。
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コメント
人間は恒温動物で深部体温は一定ですが、表層体温は気温に連動します。表層体温の変化が血圧なり心拍数なりに影響する訳ですが、その動きというのは自律神経によるものでしょうから、人間の身体っていうのは、凄く高性能に出来ているモンだと感心します。
投稿: 壱源 | 2010年7月28日 (水) 23時41分
気温によってずいぶん血管が変化する物ですね。
運動を工夫して続ける事は大変ですが、大事ですね。
投稿: クマ | 2010年7月28日 (水) 21時59分