薬剤
今日、『過酢酸 バイク』で検索してやって来た人が居た。ドメインは同じ会社だ。
多分、身近な人だろう。それも、表題のネタに近い人の筈だ。
酢酸をネタに検索する理由、、、、、それは、滅菌処理に関する情報収集が目的なんだろうか?それとも、話が聞きたいのだろうか?まぁ、どっちでも良い。
滅菌というと、今の時代は環境負荷となる海洋微生物の処理関連がある。その微生物を処理する方法についての調査だろう。
どうでも良いけど、こういう処理システムの必須条件は、汎用的な方法を選ぶ。何故なら、関連技術が熟成されて、コストも安いからだ。特異な方法は、車の世界ならロータリーエンジンみたいなもの。独自性をアピールする程に核技術を持たないと厳しいし、全ての問題を独自に解決しないといけない。
そう言う意味で、海水中で過酢酸を使う時点で、敢えて難局に立ち向かうようなモノ。
過酢酸というと、過酸化水素水との混合溶液を使っているのだろうけど、その薬品の一般用途は何?っていうと、これは、病院での手術器具の洗浄に使われている。それ程に強力な殺菌能力を持っているけど、その廃液は、一般に病院内で廃液処理されている。
つまり、廃液処理が非常に重要なのである。
この薬剤の特徴を羅列すると、、、
・高い殺菌性を有するけど、非常に高コスト。
・保持が難しいので長期保管になる程、保管コストが高い。
・支燃性ガスの酸素が温度上昇と共に発生するので、耐圧防爆、冷房等が必要
・酢酸故に海水中への排出では中和処理が極めて困難。CH3COONaは緩衝溶液。
・銅やステンレスを腐食させるので防食管理が必要
と、思い付くだけで、このくらいある。やはり、温度管理、中和処理、材料防食、コストが大きなネックになりそう。廃液の処理は、いい加減な事を行うと莫大な補償問題にも発展しかねない。Naイオンを大量に含む海水中への酢酸排出なんて、常識的にいは考えられない。後は、赤道直下を通過する船舶で冷房設備が必須というのは、設備故障時における対策を含めて問題が大きいし、運用コストが滅茶苦茶高そう。フェイルセーフ機構も面倒臭いぞ。
正直、強引に進めると、担当者は設備の償却年数一杯迄、責任を持たなければならないだろう。船舶寿命は30年、万が一、ブランドを付けて出すと、そのケアを行うのが責任だろう。それも、中核技術を有さない場合、未来は何も出来ない伝書鳩状態になるかもしれない。
仮に、薬剤を使うならば、、、、、入手性に優れ、処理技術が確立したものが良い。遠洋漁業の生け簀中の魚の鮮度保持に使うような薬剤がお奨めだ。この関連で調査するならば、視野を拡げないとダメだ。因みに、これらの情報に確信を持つのは、2005年に行った自分の調査で、省庁外郭団体である各水域の水産技術研究所の技官と情報交換して得たものだから。
勿論、規制レベルが厳しいと一つの手法のみでの問題解決は難しいだろう。そうなると、色んな技術の組み合わせが必要となるけど、そこでのハイブリッドの方向性も、天丼のようなてんこ盛りではダメだ。システムのエネルギーサイクルを考えて、再利用可能な方法を提案してこそ意味がある。要は、方針というか、コンセプトが無いと不可能。
お手並み拝見だ。
敢えて、定刻外に記事を公開してみよう。
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コメント
最近は、危険は予め排除する、、、、悪くない考え方ですけど、普通の人の危険回避能力というか、そういう生存力はドンドン失われていますね。
刃物の扱いも危なっかしい人が多いですし、見るからに怪我しそうな人も多いですね。
投稿: 壱源 | 2010年8月12日 (木) 11時11分
病院でも分業化されてきたので、強い消毒・滅菌液をみんながいじる事が減りました。結構危ない薬剤だったのですね。
プリント基板を自分で起こす事が無くなったので、使いませんが、酸化第二鉄の溶液も結構危なかったかも。
投稿: クマ | 2010年8月12日 (木) 10時56分