センタープルブレーキ
自分はスポルティーフが好きだ。何処が好きか?っていうと、スポルティーフや昔のロードに定番のセンタープルブレーキキャリパーの造型が好きなのである。
フーテッドレバーからワイヤーを取り回し、前ならヘッド小物、後ならシートピンからぶら下げたアウター受けでアウターを受ける。位置は、車体の中央だ。そこから真っ直ぐワイヤーが伸びて、チドリを引っ張る。チドリはアーチワイヤーを真ん中から引っ張るためのパーツで、引き上げられたチドリがアーチワイヤーを上に引っ張ると、アーチワイヤー両端のキャリパーアームが引き上げられ、それぞれのピポットを支点にシューがリムに押さえつけられる。
なんていうか、左右完全対象の美学というか、パーツの動きがメカニカルで美しいのである。マニア的に定番を言うなら、MAFACレーサーとかだろう。これは、カンチブレーキと同じ様にシューをギロチンナットで留めるもの。このタイプのメリットは、リム幅に合わせてシュー位置が調整出来るけど、リムへの当たりというトー調整が難しいのがデメリット。まぁ、昔は舟のトー調整はアームをひん曲げたりして行っていたからメリットの部分が多かった。
実際、グランコンペもニューグランコンペになってギロチンナット留めにモデルチェンジした。GC-610からNGC-450への変更がそうだ。まぁ、今の時代なら最新のシューに交換出来るから通常のナット留めのGC-610やダイヤコンペタイプの方が良いかもしれない。
そんなセンタープルは、歴史的には古いもの。日本ではアライのキャリパー、チェリーのキャリパー、ダイヤコンペのキャリパーがある。形は皆同じ。恐らく、ユニバーサルあたりのキャリパーのパクリだろう。この辺が廉価クラスで、上級がMAFACのギロチンナット留めのタイプ。でも、個人的には廉価クラスの構造の方が好きだった。CLBのセンタープルはリターンスプリングとアーチワイヤーが一体になった異色デザインで実際に使っていた。
異色デザインといえば、シマノに吸収されたタカギのセンタープルもそうだ。後のDURA ACEのセンタープルに名を変えるターニーブランドのセンタープルも独特なデザインである。独特と言えば、DURA ACE AXも独特な格好だった。
しかし、これら独特なデザインよりもスタンダードなデザインの方が使いやすい。
今、ヨシガイからダイヤコンペが復刻されており、当時のダイヤコンペの750とか610と同じ寸法の復刻品が売られている。これはスタンダードデザインである。
我が家にはスポルティーフとして仕上げた小林号、プロムナードとして仕上げたシルクのR2-4がある。小林号には当時モノのGC-610を、シルクR2-4にはチェリーを使っているけど、これだけで凄くカッコイイ。これにピポット留めの小さなキャリアを合わせる。これぞ自転車、これぞスポルティーフである。これにクリアランス最小でフェンダーを装着する。これが良い。サイドプルも悪くないけど、何となく、風情が無い。カンチは弱そう。Vブレーキは安っぽい。デュアルピポットブレーキは雰囲気が足らない、、、、
こんな風情を感じるのは、今ならカンパのスケルトンブレーキくらいだ。アテネのアルミのスケルトンは結構カッコイイ。
自転車、、、、、エクササイズ機材以外としては、純粋に盆栽のような存在。そんな心をくすぐるアイテムとしてセンタープルブレーキは結構重要だ。
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