再建は可能か?
日曜日の夜、NHK教育の番組で表題のものがあった。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html
の10/17放送分である。中小企業の経営の危機的状況を伝えるドキュメンタリーであるが、中小企業の仕事の多くが大手企業の下請け、孫請け、ひ孫請けで収益勘定から見るとアウトな仕事を受けて経営が悪化する様を示している。経営者としては、赤字でも仕事を回す事で、直近の支払いを乗り切るという、そういうスタイルで、モロに企業体力の消耗戦のような実態が紹介されていた。
コンサルタントによる生き残り指導では、赤字をしてまでは仕事は受けるなとか、そういう建前論が多いが、まぁ、その通りで、そうすると仕事が無くなるという現実の板挟みとなった経営者の苦悩が伝えられていた。
この脱却からは、中小零細であっても、孫請け、下請けとは違う、自分のブランドで製品を作る事が紹介されて、そのメリットとして価格設定の主導権が握る事が出来る!と紹介されていた。
しかし、価格設定の主導権を握るには、市場における同系製品との競争に勝つ必要があり、グローバルに高性能が通用するという前提が必要だけど、其処までの解説はされていなかった。
自社ブランドの製品としては、板金業の新製品としてドラム缶をリサイクル利用したバーベキューコンロなんかが紹介されていたけど、これにオリエンテッドな機能を盛り込めるかどうか?が事業として存続するか、企業を支えるか?の分かれ目である。
どんなに自社ブランドを冠していても、それが競争力を持つか持たざるかで大きく変わる。
自動車産業では800万台生産が無ければ生き残れないという話。この度、マツダがフォードと切れるというニュースが飛び交っているけど、マツダが生き残るにはロータリーエンジンだけでは魅力にならない。今のSKY-Gって圧縮比14を実現した内燃機なんかは面白いけど、それが生き残りの切り札になるか?というと、未知の世界だ。
マツダというと、業界から見れば大きくないかもしれないが、企業全般で捉えれば大企業も大企業だ。それでも、ブランドを存続させるには、大変そうである。
今回の番組では、全てが三割過剰という説明を経営コンサルタントの人が言っていたけど、正にそうかもしれないし、もしかしたら五割くらい過剰なのかもしれない。
よく判らないけど、大きな産業構造の転換期に入ってきたのかも知れない。生き残れる産業を見つけ、そこに早く資本投下したモノが次の時代を生き残る権利を得るのかもしれない。ブランドを存続させるには、ブランドの価値が唯一無二とするモノが必要。これを見つける事が大事。でも、口で言う程簡単に見つからないのが難しいところ。
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コメント
前政権も現政権も新しい時代に踏み出す政策を打ち出せないのが閉塞感を助長しているように感じます。
政策的には前時代に戻そうという点に無理を感じるのは自分だけでしょうか?
投稿: 壱源 | 2010年10月21日 (木) 23時45分
こんばんは。
物づくり日本として生き残って欲しいと思う一人です。経済的にも行き詰っているようで、政権争いしている場合ではないのですが、問題に当たれないのは誰かにコントロールされていると思うのは私だけでしょうか。
値段の安さに感覚がおかしくなってしまっているのかもしれませんね。
投稿: クマ | 2010年10月21日 (木) 21時15分