方向性
最近思う事がある。
業績が厳しくなる対策として、製造業では様々な対策が講じられているのは、様々なメディアからの情報で沢山耳に入ってくる。
しかし、そんな対策の中で、それは違うだろう?って話もチラホラ耳にする。
一般に自分が理解して違和感を感じない製品展開というと、車なんかで言うとプラットフォームの集約である。プラットフォームを集約し、共用化率を上げて単品あたりの生産数量を増やす。こういうのは、ごく自然の方法論である。
勿論、このような共用化を進める程に、共用想定範囲の末端製品には無理や無駄が生じるけど、これを如何に押さえ込むか?が勘所であり、その共用化に際しての基準を何処に定めるか?を含めて緻密な検討が優れた思想かどうかを左右している。
しかし、産業や企業によっては、例えば、軽量化を合い言葉に、類似形状の製品を緻密に細分化する方向に進む企業も少なくないし、機能追求を合い言葉に、非常に複雑な構成をラインナップ全体に展開する例も少なくない。
一般に、数パーセント以下の重量要素がトータルコストに大きく影響するという事は、工数によって付加価値を付け足していないと言う事であり、本質的にはコスト負担の大きな要因の洗い出しを再検討する事が必要だとも言える。
笑い話だけど、機能追求で例えば、単車や車でマルチシリンダーが高性能だからといって、軽自動車や原付にも当て嵌まるか?というと、絶対に有り得ない事だけど、そのような事を本気で取り組む例も少なくない。
このように、厳しい日本の製造業の様々な取り組みを見ると、さすが!と思う技術革新が在る一方で、それは無いだろう!っていう技術的迷走も結構目に付くような印象である。
これからの時代、生き残る事が出来るかどうか?というと、アクションする際に方向性を見誤らない事。行っている事が道理に適うか?論理的に関係者を納得させる事が出来るか?が一番大事である。その方向性を定める事が出来る人材が求められているのだろう。そんな気がする今日この頃である。
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