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2010年11月21日 (日)

チェーンステーアングル

 結構見落としがちな数値だ。これって、何?っていうと、シートパイプとチェーンステーの為す角度の事。これが効いてるくるのはFメカの取り付け条件だ。この角度、一般には63~66°、66~69°と二通りのパターンがあるけど、この65°前後の角度は何よ?っていうと、フルサイズの自転車の角度だ。フルサイズの自転車は一般にシート角が74~75°程度である。そして、ハンガーセンターから見ると、リアアクスルは上方に位置しているので、チェーンステーはハンガー中心から見ると後方に跳ね上がっている。
その角度は、sin-1(ハンガー下がり÷リアセンター)である。ハンガー下がり60mm、リアセンターが405mmならsin-1(60/405)=8.5°だ。この場合、シート角-チェーンステーの跳ね上がり角度=75-8.5=66.5°程度なのだ。

 つまり、Fメカはフルサイズの自転車向けなのだ。このチェーンステーアングルで何が決まるか?というと、チェーンリングからスプロケットに向かうチェーンの角度であり、その角度でFメカのガイドプレートのプレスパターンの機能が使えるか使えないか?が決まる。

 フルサイズ自転車で適応範囲なら、Fメカのガイドプレートのプレスパターンが変速に有効に働くけど、チェーンの角度が適応範囲外の場合、プレスパターンが変速に上手く機能のしない場合が生じる。つまり、変速操作を行っても変速不良になると言う事。これはダブルレバーなら影響度は低いけど、STIレバーのようなタイプだと結構深刻で、フラストレーションが溜まる。

 一般に自転車のシート角はどれも一緒。しかし、チェーンステーアングルはリアアクスル位置で変化する。小径車の場合、ホイール半径はフルサイズより小さくなる。例えば、700Cなら半径で334mm、406HEの場合は240mm、451WOの場合で260mmである。つまりハンガー下がりはマイナス数値が付く場合があり得る。そうすると、チェーンステーアングルはシート角+αの数値となりうる訳だ。そう、下手すると78~80°にもなるのだ。これは、Fメカの設計範囲を超える。つまり、Fメカのガイドプレートのプレスパターンが変速に機能しないのだ。
 小径車ではこれが顕著なのである。小径車にフルサイズ並の変速性能を期待するのは基本、ナンセンスなのだ。

 先日、RITEWAYの小径車のFメカ調整を頼まれたけど、、、、変速性能はショボショボである。そう言えば、GIANTの小径車もそうだ。非常にショボショボである。小径車のシートパイプにFメカを付けてフロントをダブル以上にしようとすれば、この辺りがネックである。

 これ、当然に知識だけど、これに気付かず使っている人は少なくない。

 この問題を回避するためには、チェーンの角度に合わせてFメカガイドプレートが有効に働くように、Fメカにセットバック、トリムを与える工夫を入れる事。これが考慮されている小径車が良い小径車と言える。勿論、フロントシングルでは関係無い。フロントダブルでありながら、Fメカ取り付けにフルサイズバイク用のパーツでポン付けしているような小径車は自分から見ると、ゴミかな?って思うのが本音である。

 もし、小径車カスタムでFメカを多段にしたいなら、、、、、Fメカ取り付けにはセットバック+トリム機能を持たせたブラケットをワンオフ製作すべきだろう。

 勿論、西DAHON、オ・モイヨWWはそういう仕様でブラケットは作っているし、ルイガノMVFは設計段階でFメカ取り付け位置が決められている。最近見た自転車でGIANTのエスケープシリーズのHE20インチの小径、RITEWAYの小径、この二車はチョット厳しい。

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