2011年の景気は?
卯年ということで、統計的には株価が上昇し景気は回復傾向となった前例に従って、割と希望に満ちた、楽観したような景気予測が目に付く。
一方で、もっと悲観的な予測は無い?って探してみると、辛卯(かのとう、しんぼう)の年といって、60で割って31余る年にも該当するらしい。
そして、この辛卯の意味は、『木が 枯死して新しくなろうとする状態』、『上に向かって求めて冒すという意味』という事らしい。
つまり、『辛』というのは、旧来から新しいモノを生み出す上での『つらさ』であり、それを乗り越える、冒す、という年、開拓の年という事らしい。
で、過去の辛卯の年は?っていうと、60年前だから1951年である。日本を取り巻く情勢を振り返ると、サンフランシスコ講和条約による国際社会への復帰、日米安保の調印、、、ということで新しい枠組みが出来た年でもある。隣国に目を向ければ、朝鮮戦争の最中でもあったけど、それも今の南北朝鮮という状態への移行期でもあった訳だ。
卯年というのは十二支の干支の一つだけど、『辛』ってのは何?っていうと、十年一節、十干(甲・乙・丙・丁・己・戊・庚・辛・壬・癸)の八番目。樹木『干』の成長を世の変化に当て嵌めた考え方。そして、『辛』というのは、樹木の成長の邪魔を取り除くという意らしい。過去の辛の年は、2001年、1991年だけど、その年の大きな出来事というと、2001年が911テロでアメリカの対外政策の分岐点になった年、1991年はソビエト連邦消滅でロシアの国際的な立場の分岐点になった年。この出来事が『辛』な出来事で、後に続いた訳だ。
因みに、この十年一節の『干』の節目に到る大事な年、八番目の年が『辛』の年であり、十年単位の価値観の創出に到る変革の辛さを『辛』と説く事も出来る。これが、過去の『辛』の年の出来事に重なって見えたりする。
こんな話から、2011年はどうなるか?
考えると、普通に卯年ということで景気回復!って感じはしない。少なくとも、変化から享受を選るには、見合った変革の洗礼を受けるのだろう。新しい国際秩序を作るに見合った大きな出来事が起こる年とも言えるかも知れない。そして、それを主導できれば卯年らしく、変革を生み出す事が出来るかも知れない。しかし、それに主導出来ず過去の価値観に縛られると、新しい価値観で巡る十年一節の時代においては、負け組側に甘んじなければならないような気もする。
60年前の1951年では変革した国際秩序に存在感を示す事が出来たから、その後の栄華を得る事が出来たのかもしれない。ここ十年単位での辛の年は大国で大きな出来事が起きた。今回の十年では、国際社会に影響力の大きな地域の変革が起こるかも知れない。それは中国か?或いは、経済面でリスクを抱えるEU圏か?と思ったりする。
今年という年は、単に卯年で景気が跳ねるというよりも、『辛卯』という意味で大きく見渡した方が良いかもしれない。
個人的な感想は、一歩先を踏み出す事の出来ないモノは、次の十年で冷や飯を食う、、、そんな気がする。新しい価値観に見合った新しいモノを生み出す辛さに飛び込むモノのみが、卯年の如く跳ねて新しい価値観に辿り着ける年、そんな気がする。
こんな、底の浅い調べた情報での感想は置いておいて、自分自身の直観としては、世間の経済評論家が言うような楽観出来るような年でなく、取り返す事の出来ない状況に陥る年、一億総不幸になる年のような、そんな気がするのである。
そもそも、円高を悪いという考え方、国際市場で中国、韓国といった国々と製品を競う事自体が間違っているようにも思う。何か大事な事、本来の使命が見えていないという感覚が極めて強いのが感想である。
少なくとも、干支とか関係無しに、国際社会における日本の立場は、大きく変わっているのは間違い無い。その立場の変化に合わせた体制作りが一番大事で、過去の立場に踏み止まろうというのが昨今の動きを超越した動きが出てきて欲しいモノである。
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