先行待機ポンプ用無注水軸受×LPCBL、気中摺動試験の最終結果
初回品、LPCDLの高硬度処理品であるLPCBLによる摺動試験が完了した。
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1.供試材料
・滑り軸受:完全ドライ対応のカットレスジャケットベアリングのベース材
内径100mm、摺動長55mm
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスの改質材料、開発コードは、LPCBL
2.摺動条件
・摺動環境:完全ドライ×2[hours]
・ラジアル負荷:0.20[MPa]×6[m/sec]
0.85kgのウエイトを偏芯半径130mmで1200rpm
3.結果
・摺動トルク:1.6[N・m]→1.2[N・m](2[hours])→1.48[N・m](24[hours])
・軸変位(隙間+振動):670[μm]→740[μm](2[hours])→720[μm](24[hours])
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である。結果は前回LPCDLスリーブと殆ど同じ結果である。変位変化量、摺動トルクといった数値の差は誤差と考えても差し支えない程度。来週がLPCFL、LPCSPの試験を行い、再来週がLPCGL、LPCTCの試験を行いベース軸受とスリーブの無水摺動試験を終える。
さて、本日はH社のエンジニアが来広されるので、そこで理論説明、装置機構説明、供試材料の解放後の確認を行う。
ここ最近、無水摺動試験を行った上での感想だけど、、、、一世代前のモデルのメリットが自分では見えない。過去の遺物だ。考えてみれば、製作段階で同芯度、平行度、垂直度、寸法公差に非常に厳しい制約を与えながら、実用環境下では、そういう形状安定度を無視するというか、そんな説明でメリットを謳う事自体がナンセンス。更に言えば、大型化に伴う分割構造化、その具現のための接着成形とか緩衝材上へのフローティング支持というのも力学的にもトライボロジー的にもナンセンス。冷静になれば合理性の欠落部分が極めて多い。
まぁ、それでも求められる要求は満たされているけど、それでも自分的には納得出来ない部分が多すぎる。
新しいシステムは、そういう欠点というか本質的な不適合性が今の段階で見当たらない。
今後、解決すべき問題は、旧システムの供給体制で仕事を得ていた関連機関を如何に纏めるか?ということだ。製造工数、コスト自体も従来比で相当圧縮可能であるが、何よりも大事なのは、新しいシステムを普及する過程で生じる情報の管理だ。情報の管理には、競合システムとの対比、出荷品の稼働状況管理が必要で、基本的には供給窓口、製造窓口は一本化する。供給窓口は現段階では旧システムの窓口であるM社、製造窓口も旧システムの窓口であるO工機とする予定。その辺が技術公開上の制約になるだろう。
今、このブログは関心のある企業の関連部門からのアクセスが非常に多いので、自分の方針は伝わるだろう。一応、そういう事で決めたから。
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