先行待機ポンプ用無注水軸受×LPCDL、気中摺動試験の最終結果
昨日運転した後に装置状態が試験前に復帰した翌日、装置を再起動して軸変位と駆動トルク値を確認した。
摩耗、表面性状の変化があれば、回転軸の歳差運動の軌道に変化が生まれ、摺動トルクに変化が見られるが、その他の要因、具体的には温度環境の変化による装置の形状、油圧回路上の違いを取り除くために一晩開けて最測定するのだ。
結果は、次の通り。
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1.供試材料
・滑り軸受:完全ドライ対応のカットレスジャケットベアリングのベース材
内径100mm、摺動長55mm
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスの改質材料、開発コードは、LPCDL
2.摺動条件
・摺動環境:完全ドライ×2[hours]
・ラジアル負荷:0.20[MPa]×6[m/sec]
0.85kgのウエイトを偏芯半径130mmで1200rpm
3.結果
・摺動トルク:1.6[N・m]→1.2[N・m](2[hours])→1.55[N・m](24[hours])
・軸変位(隙間+振動):760[μm]→850[μm](2[hours])→790[μm](24[hours])
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ということ。極めて良好な結果である。
明日、開発コードでLPCBL品で同じ試験を同じ条件で行う予定。
明後日が復帰後計測して完了予定。
なお、明後日の1/20には、この技術の利用を申し出られたH社のエンジニア数名が遠路はるばる来られる予定。1/14にD社のエンジニアと打ち合わせしたけど、基本的に同じ事を見せて、同じ説明を行う。
今回の知的所有権の主張によって利用者の使用に制限は一切設けない。勿論、特定の利用者が別の利用者の利用に制限を掛ける行為も認めない。その兆候が見えた場合は、実績の有無に拘わらず、利用者に対する利用許諾を取り消すこともある。
利用者は、私の持論に基づく新技術の盲点、欠点、弱点、留意すべき点等を気付けばフィードバックする事を承諾する事が新技術の開示を受ける条件である。
何度も言うが、これは持論の完成度を高めるのが目的で、そのために、枠組みを越えて情報を共有するということが、共同研究、共同開発を受け入れる条件である。
今回の新技術を具体化した機械部品は、この工業用滑り軸受の製造業として著名な企業であるM社を窓口としている。
窓口を一本化するのは、実用後の問題の収集、対策を迅速に行う事が最大の目的で、技術の完成度を高めるには、情報の収集管理(従来品との比較情報の収集、新製品の状況等)が重要なために、こういう体制を摂るものである。
今回の新技術が成功すれば、既に実績のある前世代の無水潤滑軸受は存在価値を失うかも知れない。そうすれば、既成の現行モデルで行っている作業の何種類かは不要になる。
実際に、今回の窓口企業や私の勤務先企業での作業は消滅するが、それでも尚、今回の新型の方があらゆる面で優れていると思うから、一世代前の製品も自分が考えたけど、消えて貰うのが筋なのである。
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