摺動面処理効果の確認をするぞ!
今週から告知済みの最新摺動システムの製品仕様を用いた摺動試験を行う。
先週までの試験は、摺動システムの補償性能を確認するような試験である。
最近の工業製品の多くは、複合化、改質といった技術が広く使われているが、その様な処理が前提となるような機械システムは結構多いのが現実だ。それ故に、そのような処理が失われた途端に、機械システムの機能が一気に失われるという例が少なくない。このような状態は、ナノレベルの複合システムから構造体としての複合体に到るまで随所で見られる。っていうか、殆どがそんな感じ。
私の製作した無注水軸受システムも前世代製品(分割構造の特殊セラミックス軸受+C/Cコンポジットスリーブ)はそういうモノである。
しかし、こういう危なっかしいシステムは基本的に嫌い。そんなシステムの上で機能を辛うじて保つというのは、予期せぬ万が一の事態でも耐えられるという保証は何処にもない。
そこで、今回の全く新しいシステムは、様々な処理を施すが、万が一、その処理が失われたとしても、本質的には機能が確保されると言う事が大前提であり、その高機能化処理を施す前のバージン材で試験を行ったのが先週迄の事。無処理のバージン材での試験でも、前世代の無注水軸受システムを上回る性能と安定した挙動を持っている事を確認したのである。
そういう場合、高機能化処理が必要か?という議論にもなるが、自分の活動は、兎に角、隙の無いモノを作ると言う事が大前提であり、望める性能の最高点が何処か?を見極めるのも必要であり、実証作業が終われば、システムのグレードとして何パターンか準備することで、高機能品から普及品迄ラインナップを生み出す事も可能なので、こういうプロセスに従って進めているのだ。
今週開始する試験には大きな期待を個人的には寄せている。特に、摩擦係数の低下による発熱量の抑制、それによる機械設計で他の箇所に与える設計制約を取り除く事で、機械としての性能も高くすることに寄与、精度を高くする事による、もう一つの性能因子である機構形状による耐摩耗性の向上等、様々な期待が渦巻いているのが今である。
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