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2011年1月13日 (木)

最新の先行待機ポンプ用無注水軸受の試運転再開

 昨年暮れに一応の手続を終えたのが表題のシステム。
 このシステムに関心を頂いている方との打ち合わせを今月中に開始するのだけど、それに合わせて性能確認の試運転を1/12から再開した。

 このシステムの最大の特徴は、潤滑に潤沢な流体被膜による流体潤滑機能を当てにしていないということ。潤滑自体の機能に流体潤滑機能も利用するけど、それは主ではない。主たる摩擦係数低減効果は、摩擦面積、素材自体の摩擦係数、自己潤滑機能の利用によるものである。

 ということで、従来の軸受の摺動面とは大きく異なるのである。勿論、摺動という発熱状態になるのは従来品同様だが、除熱の方法が従来と異なっている。除熱に関して言えば、重要なのは冷却能力だけど、単位流量あたりの冷却効率は従来より若干劣るが、冷却流量は大きく上回るために、結果として非常に大きな冷却性能を持っているのも特徴である。更に、そのような構造故に、摺動面の清浄度の維持にも非常に合理的かつ効果的な形状を有している。
 勿論、構成システムの素材の選定においては、原理的に破綻に結び付かない材料配置をしており、従来システムでは乗り越えられなかったジレンマ、含有する致命的な悪癖を完全に取り除く事が出来るのが大きな特徴である。
 従来システムでは、流体潤滑下運転、無潤滑運転の双方の対応を維持するために、相反する部分を承知の上で二つの要素を両立する設計点を見つける事が鍵だったけど、今回のは相反する設計域が非常に広い範囲で重ねる事ができるので、従来の無潤滑重視設計を行うと流体運転下で問題が覗く事が在った点を完全に取り除く事ができるのである。

 具体的には、発停時における摩擦振動、スリップスティック振動のような状況を完全に抑制出来たりする点が大きなメリットである。

 更に、コレ系の連続機械の安定性を担保する上で将来的に求められるであろう、寿命予測、挙動監視も非常に正確かつ迅速に検知出来るのも大きなメリットである。

 さて、H社、D社のエンジニアの方も当ブログを閲覧されているようなので、これから具体的に進めて行く予定だ。取り敢えず、D社のエンジニアが今週来社予定だ。

 ブログネタに運転形態と速報結果も載せてみようかな?

 で、本日は、試験装置のセットアップ、監視PCのメンテナンスを実施、試験装置にセットしたのは、、、

1.供試材料
・滑り軸受:完全ドライ対応のカットレスジャケットベアリングのベース材
      内径100mm、摺動長55mm
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスのメタルハイブリッドスリーブ

2.摺動条件
・摺動環境:完全ドライ×1[hours]
・ラジアル負荷:0.07[MPa]×6[m/sec]
        0.5kgのウエイトを偏芯半径80mmで1200rpm

3.結果
・摺動トルク:0.90[N・m]→0.70[N・m]
・軸変位(隙間):360[μm]→360[μm]

 一応、完全静定している。明日以降、負荷を大きくする予定だけど、ポンプの無潤滑運転では基本、水力スラストは掛からないので実際は不要。旧来、この程度の負荷でもセラミックス軸受は損壊する。

 因みに、この試験では前世代の無潤滑軸受でも実施。一応試験はクリアしたけど、安定度が今回のニュータイプとは較べモノにならない。旧スペックは、

※.供試材料
・滑り軸受:WC系複合セラミックス(完全メタルレス)メタルの緩衝材上分割配置軸受
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスのメタルハイブリッドスリーブ

である。既に実際の社会環境で稼働しており実績もある。これも悪くないけど、危険感知と、損壊時の破壊速度、コストの面で劣っている。非常に高価な材料を高コストを要する製法で作っていた。複雑形状故に小型化、大型化に制約があったのだが、これらの問題点を全て解決したのが今回のタイプである。

D社、H社の順番でプレゼンして評価のテーブルに載せて頂く予定。

基本、これは個人の趣味で公の業務でない世界。それ故に、何よりも評価に見合えば採用して貰えれば、それで自分としては満足である。知っている知識は全て公開する予定だ。

Everybody Come on ! なのである。使い方は、使う方次第、As you like !なのだ。

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