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2011年1月13日 (木)

先行待機ポンプ用無注水軸受の定格評価試験(速報)

 昼から新型軸受システムの気中(無潤滑、ドライ)運転データ計測を行いました。
 大手ポンプメーカーさんに提示してきた従来軸受の運転基準条件として、0.2[MPa]×6[m/sec]で行ってきたので、今回も同じ条件としました。

 但し、従来軸受では実質受圧面積は投影面積より小さいために計算面圧を与える実荷重値が少なくて済みましたが、今回の新型では実負荷としては従来軸受の1.5倍以上のスラストを与えています。実際に摺動荷重としては110[kgf]以上の力を与えています。

 午前中までは無潤滑運転は1時間を目処にしていましたが、本番(定格試験)なので、最長で2時間以上行います。

1.供試材料
・滑り軸受:完全ドライ対応のカットレスジャケットベアリングのベース材
      内径100mm、摺動長55mm
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスのメタルハイブリッドスリーブ

2.摺動条件
・摺動環境:完全ドライ×1[hours]、2[hours]
・ラジアル負荷:0.20[MPa]×6[m/sec]
        0.85kgのウエイトを偏芯半径130mmで1200rpm

3.結果
・摺動トルク:1.6[N・m]→1.3[N・m](1[hours])→1.4[N・m](2[hours])
・軸変位(隙間+振動):690[μm]→780[μm](1[hours])→860[μm](2[hours])

 結果は極めて良好です。ドライ運転下での摩擦係数はμ=0.015[-]弱程度でした。

 従来のシステムに較べると、摺動面の経時形状安定性が極めて優れ、過酷な仕様環境における形状変化の方向性が、環境の過酷さを緩和させる方向となっている点が最大の違いです。
 従来システムでは、瞬時形状安定性には優れても経時形状安定性に問題を抱え、過酷な仕様環境における形状変化の方向が、環境の過酷さを増長さえる方向となっており、臨界を越えた時に破壊の抑止が極めて難しいという問題を抱えており、設計の勘所としては、臨界に対する安全率の確保が設計条件の厳しい制約に繋がっていました。

 この点が大きく進歩しておりますので、広い運転域に対応させる事が容易というのは、実用条件において発生する様々な違和感を抑える事にも繋がります。

 ブログ上では、具体的に何がどう?って表現は出来ませんので、この難解な抽象表現となっています。

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